NakamuraEmiが22日、配信ライブ『NakamuraEmi NIPPONNO ONNAWO UTAU BEST2~Release Tour 2020~ Acoustic ver.』を行った。2月にリリースされたベストアルバム『NIPPONNO ONNAWO UTAU BEST2』を提げて3月より行う予定だったライブがコロナ禍で有観客でのライブは中止となったが、配信ライブとして11月22日のアコースティック編成、そして12月12日にバンド編成で実施する。Acoustic ver.では「NIPPONNO ONNAWO UTAU BEST2」からの曲を中心に、10月に初披露された新曲の「一服」や「YAMABIKO」などアコースティックアレンジで13曲を届けた。その模様を以下にレポートする。【村上順一】

楽曲の新たな1面を見せたAcoustic ver.

NakamuraEmi(撮影=古賀 恒雄)

 開演時刻になりカワムラヒロシによるパーカッシブなギターから「雨のように泣いてやれ」で配信ライブの幕は開けた。NakamuraEmiはアコースティックライブらしく、着座しての歌唱。会場はウッディな雰囲気でこのAcoustic ver.の趣にぴったりとマッチし、空間と音楽のマリアージュを堪能できそうだ。

 千葉岳洋(Pf,Key)による優しいピアノの音色から始まったのは、自身の葛藤を綴った「東京タワー」だ。サビに向かうまでストーリーを丁寧に語るように歌い、サビで感情を爆発させる展開にグッと心を掴まれる。チャット欄でリスナーも「言葉が沁みるなあ」など、感銘を受けるコメントも見られた。

 NakamuraEmiがシェイカーを手にリズミックに振りながら歌唱した「女の友情」。途中「間違えちゃった」とついつい声が出てしまうお茶目な彼女は、良い意味でデビューから変わらぬ姿を見せてくれる。そんな姿を見たリスナーからチャットで「ドンマイ」「可愛い」など、その人間らしさ、ライブ感に反応する声も多く見られた。

 「画面の前で一緒に楽しんでもらえたら嬉しい」とリスナーに投げかけ、メンバー紹介。今回ピアノなど担当する千葉が東大の相撲部だったという情報や、カワムラがこのコロナ禍でも考え方を変えずに突き進んでいたことなどで盛り上がった。

 今回、セットリストの5曲目までを予想するというリスナー参加型の企画も実施していたという。「ここまで当たってる人いるのかな?」とセットリストについて自身が試行錯誤したことを語り、4曲目に披露されたのは「ちっとも知らなかった」。心地良い空間の広がりを感じさせるエフェクトを楽器に使用し、奥行きのあるアレンジに乗ってNakamuraEmiも言葉を放つ。

 今年だからこそ感じた大事なものを届けたい、まずは大切なことを感じてもらいたいと「プレゼント~繋ぐ~」を歌唱。この楽曲のメッセージに、リスナーが涙していることが伝わるコメントも多く見られた。この時期だからこそ、よりこの楽曲が聴くものの心に沁み渡る。そして、NakamuraEmiの優しい歌声が印象な「新聞」。時代が変わっても忘れてはいけないもの、それを思い出させてくれる一曲だ。

 先日亡くなってしまった飼い猫の「はな」の話題。ファンから沢山の優しいコメントをもらい「皆さんの温かい言葉に救われる部分がたくさんあった」とNakamuraEmi。届けられたのは虐待問題をテーマに描いた「ふふ」。自分は当事者にはなれない、と外側から助けられる人になりたい、そんな思いが込められた楽曲。今回「はな」のことでみんなから助けてもらったと、この曲に通じる体験をしたことで、人と人の繋がり、温もりをより一層感じさせる歌声だった。

頑張る皆さんのそばに入れる曲が1曲、一言でもあれば――

NakamuraEmi(撮影=古賀 恒雄)

 ライブが進むにつれてどんどん集中力が高まっていくのを感じさせる。

 自身を肯定することができた歌詞だと、以前小媒体のインタビューで話していた「甘っちょろい私が目に染みて」でライブは後半戦へ。目を潤ませながらも伸びやかでエモーショナルな歌声にリスナーも「画面がにじんで歪む」と、この楽曲に感動しているコメントもみられた。

 続いては4年前からデモのまま置いておいたという新曲。このコロナ禍で今歌うべき曲のではないかと思ったという「一服」を披露。ものすごく身近なことを題材にしているが、宇宙のような広がりを感じさせてくれる不思議な一曲だ。それは心を癒してくれるヒーリングミュージックのよう。

 植物による空間コーディネートを行うMond And Plants( https://mondandplants.stores.jp/ )が装飾したという植物が印象的なステージ。ステージ中央後方には3人をイメージしたという植物が置かれていた。中央のシデニウムはNakamuraEmi、右隣のビカクシダ(コウモリラン)がカワムラ、左のガジュマルが千葉だと明かした。

 来年の1月でメジャーデビュー5周年を迎えるNakamuraEmi。ここまで支えてきてくれたファンやチームに感謝を伝えると「メジャーデビュー」を歌唱。そして、自分自身を鼓舞するかのような力強い歌声は圧巻だった。

 そして、畳み掛けるリリックがエキサイティングな「モチベーション」へ。カワムラと千葉による極上のグルーヴが身体を揺さぶり掛けてくる。配信でも伝わってくる躍動感にリスナーもチャットで興奮を隠せない。間奏ではNakamuraEmiもタンバリンで参加するなど、ライブ感に満ち溢れた一曲だった。

 ライブもラストスパート。「今年はこの曲を配信ライブで歌いながらいろんな事を感じました」と「YAMABIKO」を披露。ずっと歌い続けてきた1曲は、さまざまな経験を積んだことでより深く鋭く、リアルに響き渡る。コメント欄もリスナーがシンガロングするかのように文字が縦横無尽に連なっていく。歌詞にある<明日が同じようにくるのか わからぬことを日本に教わる でも明日を信じて歩け 険しい山道を歩け>と当たり前の日々を取り戻すことへの気概とも。感じられた。

 「頑張る皆さんのそばに入れる曲が1曲、一言でもあれば――」とラストに届けたのは「BEST」。<丹念に磨き上げた無我夢中を このままパッケージ>と、まさにこの5年間で培ってきたものをファンへの愛と感謝を込めて歌い上げるNakamuraEmi。アコースティックアレンジでオリジナルとはまた違った楽曲の側面を打ち出した全13曲を、時に包み込むように優しく、時に叱咤激励するかのごとく、さまざまな表現で楽しませた。

 次回は12月12日にフルバンドでのステージを予定しており、こちらも今回とまた違った魅力を届けてくれるのは間違いない。

セットリスト

11月22日

『NakamuraEmi NIPPONNO ONNAWO UTAU BEST2~Release Tour 2020~ Acoustic ver.』

01.雨のように泣いてやれ
02.東京タワー 
03.女の友情
04.ちっとも知らなかった
05.プレゼント~繋ぐ~
06.新聞
07.ふふ
08.甘っちょろい私が目に染みて
09.一服
10.メジャーデビュー
11.モチベーション
12.YAMABIKO
13.BEST

この記事の写真

記事タグ

コメントを書く(ユーザー登録不要)