TOWA TEI「チームの一員として音楽担当するのは楽しい」劇伴に臨む姿勢とは
INTERVIEW

TOWA TEI

「チームの一員として音楽担当するのは楽しい」劇伴に臨む姿勢とは


記者:村上順一

撮影:

掲載:21年11月27日

読了時間:約5分

 Deee-Liteのメンバーでデビューして音楽活動30周年を迎えたTOWA TEIが11月27日、Netflix制作アニメ「Super Crooks」劇伴を担当し他サウンド・トラック盤『SUPER CROOKS (SOUND TRACK FROM THE NETFLIX SERIES)』をリリース。CD盤は全14曲、LP盤は全11曲が収録。また、同日から全世界配信も行われる。全曲TOWA TEIプロデュース。マスタリングは砂原良徳が務めた。MusicVoiceではメールインタビューを実施。『SUPER CROOKS (SOUND TRACK FROM THE NETFLIX SERIES)』について、劇伴制作の醍醐味から、お気に入りのサウンドトラックや最近感銘を受けたアナログ盤など回答してもらった。【取材=村上順一】

自分なりの音楽を添えてみよう

『SUPER CROOKS (SOUND TRACK FROM THE NETFLIX SERIES)』ジャケ写

――2021年も残り約1ヶ月となりましたが、どんな一年でしたか。

 在宅ワーク歴31年目、今年もステイホームでしたが、来年は旅も再開出来たらば。

――「Super Crooks」がリリースされます。アニメの劇伴ですが、TOWA TEIさんが劇伴を担当するにあたって一番意識していることはなんでしょうか。

 丸っと劇伴を担当するのは14年振りなので、それなりの覚悟はしていましたが非常にスムーズに終えました。普通の劇盤ならば沢山上手な専門の方がいらっしゃるので、自分なりの音楽を添えてみようと思いました。

――劇伴は映像作品があっての楽曲となりますが、どんなところに難しさ、もしくはやりがいを感じていますか。

 自分のソロアルバムではいつも制約無し、全くの自由なので、劇伴では各曲、制約というかテーマ、お題があるのがかえって新鮮でした。誰か(歌手)の為に楽曲提供やアレンジ、リミックスをするのとはまた違い、作品!のために、そのチームの一員として音楽担当するのは楽しい事だなあ、と。

――レコーディングなど制作エピソードをお聞かせ下さい。

 2021年3月にリリースした「LP」はインストが多いソロ・アルバムでしたが、そこからの流れで更に10曲の劇伴、全てインストを書き下ろした自分としては、歌から離れる長い期間ではありました。同時に今、歌の場合、歌詞をどうするかが難しい時期だなあと。なのでインストに集中出来る良い機会でした。特に、監督とのやりとりで、抽象的なテクスチャーしか無いようなのはどうか? と提案した「AWAKENING」にも、アコースティックな器楽音だけのシンプルかつメロディアスなのはどうか? と提案した「KASEY」にも、全て即OKを頂けたので、自分の中で、答えるべきレパートリーの幅がここからここまでOKなのか、と明快になり、スムーズでした。

――新しい機材を導入されたりしましたか。

 このタイミングでの新しい機材導入はありませんでしたが今回、既存曲もマスターデータを用いて全て5.1サラウンド・ミックスが用意出来たので、どこかで皆さんと聞ける場があると良いですね。

――曲順はどのように組まれましたか。

 正直、最初に考えたのはアナログの事でした。OP、ENDの歌物、既存曲をアナログ盤で一番鳴りの良い外周、つまり1曲目に持って行こう、後はそれぞれの面の流れを考えました。CDはまだ収録スペースがあるので、KASEYの別ヴァージョンと、既存曲からもう2つを付け加えた、ボーナスです。

――マスタリングは砂原良徳さんが務めています。砂原さんのマスタリングの魅力やなどTOWA TEIさんはどのように感じていますか。

 若い時に受けた影響等も含め、音楽の作り手としては共通言語が多々ありつつも、全然違うタイプの人間なので、そこが一番の魅力でしょうか。まず僕に関しては、一人で完成度を上げて行こうとする事で時間が掛かったり、思い込んだり肩が凝ったりするよりも、どんどん次に行きたいし、ジャケデザインとか別の事もしたい。その為にはある種のクオリティ越えを安心して任せれるところは任せたい、というタイプで、僕にとっては砂原君は数少ないその任せれる人であり、任せてみたい作家さんです。もっと砂原作品を聞いてみたいです。

なんとも溝が良く見える

――TOWA TEIさんが好きなサントラ盤は?

 沢山ありますが、比較的近年のものでは、特に既存曲選曲系では「DRIVE」「BABY DRIVER」「IRISHMAN」等。古典、「GOOD FELLOWS」のサントラもコンピレーション盤として素晴らしいですね。未来のプレゼント用にレコードで5枚買いました。ジョン・ウィリアムズ離れに成功したスター・ウォーズは「マンダロリアン」の、エスニックな感じも上手いなあと感心しました。しかし近年ダントツは「万引き家族」です。ミニマムでマキシマムな音効。細野晴臣神様、さすがの劇伴でした。(逆に劇伴が上手だけど古典的で勿体ないなーと思う壮大な映画やドラマも多いです)音楽が少ない映画が好きなことが多いです!

――現在、TOWA TEIさんが追求されていることはどんなことでしょうか。

 追求というか、あと8年で65歳、さすがに定年な歳。なので、あと8年で2枚のソロアルバムを目標にしました。新しい機材覚えつつ11枚目を試行錯誤中です。前工程の半分を折り返したと思います! 余裕はある目標と思うので、また何か機会があれば劇伴もしくはコンテンポラリーダンスの為にとか、特定の商業施設の為の音楽とか、社歌?とか。チームの一員を担ってみたいです。

――アナログ盤にハマっていると前回のインタビューでお話しされていましたが、アナログを聴くためのこだわりの機材はありますか。

 最近、レコードの溝をみる為にライトを買いました。イギリスの事務ライトの復刻版のようです。銀行員とかが使ってたのかな。結構良い値段でしたが、眼から鱗、でした。なんとも溝が良く見える。(汚れていれば、取ります)

――最近、感動したアナログ盤はありましたか。

 沢山あり過ぎますが、強いて言えばBjorkの「Debut」。10数年ぶりにミント盤を買い直したら 素晴らしいポップアルバムでした。ジャケもオシャレで立て掛けたい。

――最後に読者へメッセージをお願いします。

 音の出る骨董品、レコードは楽しいですよ。聴いて良し、見て良し。あと、Netflixも楽しいですよ。レコード聴いている時は音消してランダム再生で流しています。日本語ならばテイ・トウワ、英語で言うとTOWA TEI でした。

(おわり)

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