「逆に見失いたい」安斉かれんが今思うこととは
INTERVIEW

安斉かれん

「逆に見失いたい」安斉かれんが今思うこととは


記者:平吉賢治

撮影:

掲載:21年10月21日

読了時間:約9分

 安斉かれんが29日、配信シングル「18の東京」をリリース。本作は7作品連続リリースの第1作目のシングルで、安斉が18歳の頃から現在に至るまでの東京への想いが綴られた1曲。これまで90年代リバイバルサウンド、ガールズポップ、HIP HOP、バラードと、カラフルな音楽性を展開し、「18の東京」では近代的なサウンドテイストで新たな表情を見せてくれる。本作の話題を中心にインタビューし、本作からの安斉のこれからの想いに迫る。【取材=平吉賢治/撮影=村上順一】

あらゆる角度から捉えた“東京”というテーマ

安斉かれん

――7作品連続リリース第一弾、本作のコンセプトは?

 18歳で上京してきた人をテーマに歌詞を書かせて頂きました。私が18歳で上京した時のことも書いています。これから東京で頑張ろうと思っている方、すでに東京で頑張っている方に共感して頂ける歌詞になったのかなと思います。

――東京がテーマになったのはどうしてでしょうか。

 東京と言ったらみんなが集まる街だし、夢を持ちながらキラキラしたもの求めて東京に来るというくらいで。私も地元が神奈川で東京と近いんですけど、東京に出てくると違う感じがするんです。

――18歳で東京に来てこれまで、最も心境の変化があったことは?

 「18の東京」の1番の歌詞は18歳当時を思い出して書いていて、色々考えたんです。「帰りたい」「逃げたい」と感じたこともあったけど今の歳になってくると東京が居心地よくなってきました。色んな意味で一番自由な街だなと思っています。

――なるほど。作詞面でこだわった点は?

 1番は東京に出てきた時を、2番は東京に馴染んでいく成長を描いています。それらを1番と2番のAメロの<滲んでくため息><馴染んでくため息>というところで表現しています。メロディも含めてとてもキャッチーなので、今までの曲で一番覚えやすい曲だと思います。それを意識して、サビの部分もわかりやすいようなフレーズを意識にしました。

――順番的にはどこから書いたのでしょうか。個人的には<ただそっとそっと 感情を黒く黒く染め上げた>という部分が印象的です。

 Aメロからサビ、Bメロ、という感じです。<ただそっとそっと 感情を――>という部分は、東京に何かを求めて来るけど、日々過ごしているうちに葛藤が生まれて、本当に自分がしっかりしていないと潰れていく、落ちていく、というところもあると思うんです。そういう時に寂しいけど自分の気持ちを押し殺していってしまう部分もあると思い、そういったところを描いた部分です。

――なるほど。さて、これまでに様々な音楽性の楽曲を歌ってきて、本作ではまた新たなサウンドアプローチと感じます。楽曲についての印象は?

 最初に聴いた時は凄く疾走感のあるメロディだと思いました。曲からインスピレーションを受けて、鋭い歌詞をつけました

――楽曲「僕らは強くなれる。」ではサックスを、「キミとボクの歌」ではピアノ演奏など、これまで色々な音楽的表現をされてきましたが、本作では歌唱面で変化を感じました。その点はいかがでしょうか。

 ディレクションをして頂いたのもありますし、今作はキーが自分に凄く合っているというのがあると思います。

――歌の力が全体的に増したと感じました。

 それは嬉しいです! 自分では気付けなかった表現の幅を広げていただいた点もありますし、ボイストレーニングの影響もあると思います。

――本作のMVについて、見どころは?

 今年1年、絵が凄く好きで色んなイラストレーターさんの絵を見させて頂いたんです。その時にこういったお話を頂いて、イラストレーターの古塔つみさんのInstagramをスタッフさんと見て「めちゃめちゃ可愛い!」と言って、古塔つみさんさんとご一緒できることになって、凄く可愛い絵を書いて頂きました。渋谷の街を描いて頂いてそこに実写の私という、また新しいMVが出来たと思います。

――新たなアプローチがたくさんありますね。ところで、安斉さんの最近のトレンドやハマっていることは?

 絵にハマっていたので色んな方の個展に行きました。

7作品でさまざまなカラーを

安斉かれん

――今作のレコーディングでこだわったポイントは?

 色々なディレクションを頂いて、考えながら歌わせて頂きました。サビはキャッチーに、AメロやBメロは人間らしく、人間くさく歌うように感情を込めることを意識しました。

――歌のレコーディングで「これは欠かせない」というものなどはある?

 ブラックコーヒーを飲んだり…あと、パン屋さんの近くのスタジオでやる時は絶対にそこのラザニアを食べるというのがあります。

――ラザニアのように、比較的油分が多めの食べ物は喉にいいと聞くので理にかなっているところもありますね。

 「喉のためにそれを食べる、飲む」というのはよく聞きます! とんこつラーメンのスープだけを飲む方もいたりと。

――人によっては、からあげを食べるというのもあるらしいですし。そういった点で安斉さんはラザニアなのですね。ところで7連続リリースについて、このアクションに至る経緯は?

 前回のリリースから約7カ月空いていて、そこからもっとスタッフさんと話す機会をつくりました。今年は音楽の年にしたかったんです。

――確かに、前回の「キミとボクの歌」のリリース時のインタビューで「2021年は音楽の年にしたいと思っています」と、仰っていましたね。

 そうでした! 今度は7作品とも、いい意味で安斉かれんっぽくないものを、安斉かれんを逆に見失うようにしていきたいなと思うんです。イメージを壊していくというような。色んなジャンルを歌っていきたいので7作品とも楽しみにして頂きたいです。バラードだったりJ-POPっぽくないものだったりと、色々とやりたいので今から凄く楽しみです。

――「安斉かれんを逆に見失うように」というのは深いですね。“逆に”が入ることによって、より自身の可能性を広めるという意味に捉えられます。そんななかで特にやりたいテイストの曲は?

 自分が好きな音楽と向いている音楽が違う場合もあると思うんです。だからそれを探すためにもこの7作品で色々やりたいなと思います。

――逆に、最近聴いている音楽としては?

 R&Bやラップなど、もともと入りはロックですし、逆にJ-POPはあまり聴いていなかったのですが、最近はよく聴いています。私がラップをやるのもどうなのかなみたいなところもあったりして、探り探りで7作品をやっていきたいと思っています。

――以前も「新たなチャレンジをしていきたい」と仰っていましたね。安斉さんが過去のインタビューで言っていたことは必ず実行しますよね。

 できることしか言わないんです(笑)。

――一貫性があるので凄いことだと思います。昨年は「色んなことに柔軟に挑戦していけたらいいなって思ってます」「音楽の幅を広げたいというがあります」と仰っていて、今お話を聞いたら今回からの7作品連続リリースの内容が正にそれだったので。

 確かに! ありがたいです。

一貫した安斉のスタンスとは

「18の東京」ジャケ写

――最近、印象的だったことは?

 最近外に出ないので、配達の注文をした時に手書きで「いつもありがとうございます」というような一言メッセージを添えて、「いつもありがとうございます。おまけを…」という風に返してくれたりする時に、「ちゃんと人なんだ」と、人との繋がりを感じるんです。それで世界が回っているんだなと、温かい気持ちになることです。

――確かに人と直接関わることが減っている時期ですし。

 家から出ないで玄関に置いてもらうだけだから「ちゃんと人が作ってくれていて、人が持って来てくれている」ということが見失いがちなので。人との繋がりを感じると気持ちがほっこりするんです。

――コロナ禍のような時期だからこそ、人との関わり、人の重要性を再確認できますよね。

 人と会うと元気が出るし、改めて人との関わりは大事だと思います! 家から出なくなった時に一人で考えていると気持ちが落ちがちで、久しぶりに外に出た時に、普通に世界が回っていると感じるんです。私が悩んだりしている時でも世界は普通に回っているんだから「なんとでもなるな」と元気になるんです。こんなちっぽけな悩みだけど普通に回っているので、そんなに悩まなくても平気だなって。

――大切な気づきがあったのですね。世界的にもめまぐるしく様々な変化がみられる昨今ですが、そんななかで、安斉さんが今大切にしているスタンスとは?

 「仕方がない」ということです(笑)。アーティストは今、コロナ禍以前のようにライブをすることがなかなか難しいこともあって、新曲を作るモチベーションもちょっと落ちちゃったりすることもあったり、もうどうしようと。みんながどうしようという感じかもしれないんですけど、世界がそうなので仕方がないと思うんです。

 だから焦らないで、「仕方がない」と思った方が気が楽で。みんな一緒ですし。家にいると「一人でどうしよう」と思いがちですけど、しょうがないと、なんとかなるさというスタンスが一番かなと思っています。

――逆らわず、なすがままに、という風にもとれますね。ところで、安斉さんはどんな環境で音楽を聴くことが多い?

 家でも外でもいつでも聴いています。ずっと音楽を流しています。夜寝る時は音楽というより雨の音や焚き火の音など、自然の音を聴いています。

――様々な音を聴く時にどんなことを考えているのだろうと思うのですが、そんななかで人生において「その言葉が響いた」と感じたこと、あるいは座右の銘は?

 自分のなかでの座右の銘は「なんとかなる」です。誰かの言葉も刺さるし、スクショしたりするんですけど覚えてないんです(笑)。

――消化が早いのかもしれませんね(笑)。では、音楽に救われたと思ったことは?

 あります。映画を観たあとに感化されて、その映画の主人公っぽくなったりすることがあるんです。たとえば、凄く緊張する番組に出させて頂く場合、なりきるしかないんです。そういう時に海外の強めのロックを聴いたりすると、その主人公になれるから、映画のワンシーンみたいな感じでその瞬間を捉えられるんです。

――映画音楽を聴いてその作品の主人公になりきったりするように、音楽でモードを切り替えることができるような?

 そういう感じです! 音楽って入り込めるので、ハッピーな曲を聴いたらハッピーになれるし、泣きたい時は泣ける音楽を聴けば泣けるし。そういう風に、モードを切り替えたい時などに聴いたりすることもあります。

――そういう切り替えかたがあるのですね。ちなみに一番好きな映画は?

 『ショーシャンクの空に』です。あと『千と千尋の神隠し』も『レオン』も好きです。

――ありがとうございます。それでは、今後の展望を教えてください。

 まずは7連続リリースを頑張ろうということです。どうなっていくんだろうなと、楽しみな気持ちです! メロディも歌詞もMVも全体的に新しくなって、新しい安斉かれんが出ているんじゃないかと思いますので、是非新曲「18の東京」を聴いてください!

(おわり)

作品情報

◆7作連続配信シングル

第1作目「18の東京」9月29日配信

「都会での退屈は、私のちっぽけを埋めてくれた。」
 大人になることと引き換えに手放す感情たち。
 十八才、東京。子供の頃の私、Bye Bye・・・

配信はこちら
KalenAnzai.lnk.to/18notokyo

第2作目「夜は未完成」11月3日配信
10/19からスタート
MBS/TBSドラマイズム「凛子さんはシてみたい」のED主題歌

【ドラマ情報】

ドラマイズム 「凛子さんはシてみたい」

2021年10月19日(火)放送スタート
MBS 毎週火曜 24:59~/ TBS 毎週火曜 24:58~(初回のみ MBS:25:14~、TBS:25:43~)

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