遊助「今の自分で良いんだ」新曲「こむぎ」に込めたメッセージ
INTERVIEW

遊助

「今の自分で良いんだ」新曲「こむぎ」に込めたメッセージ


記者:村上順一

撮影:

掲載:21年09月29日

読了時間:約7分

 遊助(上地雄輔)が9月29日、32枚目となるシングル「こむぎ」をリリース。表題曲はメッセージ性の強いミディアムナンバー。強いと思われている人にも弱い部分がある、その弱さを見せないことは、周りへのある種の優しさ、そして、人は多くの人に支えられているということに気づかせてくれる1曲に仕上がった。インタビューでは、7月1日から9月4日にかけて開催された全国ツアー『遊助“「音(ON)パレード」LIVE TOUR 2021”』のことや、「こむぎ」という言葉に込められた意味、そして、「永遠のテーマ」だと語る遊助の“夢”について話を聞いた。【取材・撮影=村上順一】

ライブの全てが自分の中でハイライト

「こむぎ」通常盤ジャケ写

――ツアーも無事に完走されましたが、今振り返るとどんな想いがありましたか。

 目の前で感じる温度感というのがあって、それは生のライブならではだと感じました。コロナ禍で今までとは違ったライブでしたけど、改めてみんなに会いたいなと思いましたし、僕が皆さんに会えるツールはいまのところ音楽しかないので。音楽をやっていく中で自分の言葉で一緒に思い出を作って、たまには背中をさすったり、押したり、気持ちを共有する場所を自分で作れるのならば、どんどんライブをやっていきたいと思いました。

――ツアーを回る中で遊助さんのハイライトは?

 僕は最初から最後までです。ハイライトというのもすごく難しくて、その時のお客さんも違うし、目が合う人も違うので、全曲印象が変わるんです。曲も聴く人によって印象に残るシーンというのは変わると思います。なので、僕はライブの全てが自分の中でハイライトになるようにやっています。

――そうなるとライブの流れというのもすごく重要ですね。

 セットリストは気持ちの良い流れになるようにすごく考えます。正解がないのですごく難しいんです。今回もすごく悩みましたし、ツアーを回りながら変えた部分もありましたから。ツアー後半にもなると何回も来て下さっている方もいるので、変化を持たせたいなと思って。今年はコロナ禍で人数制限もありましたし、マスク着用でみんなで歌ったりもできないので、セットリストで楽しんでもらいたいという思いも強かったです。なので、声が出せなくても楽しめるセットリストというのは意識していました。特に難しいのは曲と曲がぶつかり合って、その曲の良さがなくなってしまうこともあるんです。シンプルに人気がある曲だからという理由で並べてもダメだったり。

――毎回すごく考えられているんですね。さて、新曲の「こむぎ」なのですが、デビュー曲の「ひまわり」にも通ずるところがある曲だなと感じました。この楽曲をこのタイミングでリリースしようと思ったのは?

 スタッフとも相談しながら、このコロナ禍で人に会えないことが多かった中で、会えることの大切さ表現し、歌詞で優しさを出せたらと思い制作しました。

――歌詞の制作はいかがでした?

すごくスムーズに書けました。もちろん歌いながら直したところもありましたが、大枠としては悩むことなく書けたんです。

――どんな光景、情景を思い浮かべて書かれたのでしょうか。

 このコロナ禍で外に出れない、マスクをしなければいけなくて、深呼吸もしにくいと感じるところがあります。そして、風や香りを感じる機会もこの2年間はすごく減ってしまったなと。そう思っている人も沢山いるんだろうなと、僕も感じたので背中を押すというよりも一度立ち止まって深呼吸をして、今はそれでもいいんじゃないかという、今の自分で良いんだと肯定してあげられるような曲にしたいと思いました。

殻は悪いものではない

「こむぎ」初回生産限定盤Aジャケ写

――「こむぎ」というタイトルになった経緯は?

 歌詞にある<破り捨てたい殻は 優しさで出来ている>というフレーズがきっかけになりました。殻にかぶっているというのはネガティブなことかもしれないですけど、自分を守るのに大切なことだったり、誰かを傷つけないようにするため、心配させないようにするための大切なことでもあるんです。殻を否定するのではなくて、大事なことでもあると言いたかったんです。それをイメージした言葉を探した時に「こむぎ」が良いなと思って。

――遊助さんの中ではネガティブなものではないんですね。

 はい。世の中では「殻を破り捨てなさい」、というメッセージも多かったと思うんですけど、殻があることは悪いことだとは僕は思っていなくて。それを伝えたかったのと、見えないウィルスに怯えてこの先どうなってしまうんだろう、音楽も含めて形のないものは色々あります。でも、風に揺られるというのは生きている証拠だなと思いました。目に見えないものを想像することで夢が生まれるし、楽しみも出来ると思うから、「こむぎ」という言葉でそれらを例えていて。そういった目が見えないものに寄り添って、重なり合って、みんなが揺れることで風というものに気づける。未来への不安も生きているからこそ感じられることで、目に見えない風に揺られるというのが「こむぎ」だと思ったんです。

――レコーディングはいかがでした?

 いつもはけっこうタイトなスケジュールでしたが、今回プリプロがゆっくり出来たこともあって、こういうゆっくり作るのも良いなと思いました。2回ぐらいプリプロが出来たのでメロディを変えたり、試しすことも出来ました。とはいえ、考えれば考えるほど良くない方向に行ってしまって、最初の方が良かったかなと思うこともあるので、一概にはどちらが良いとかはないのですが、今回は良いバランスで時間を掛けて作ることが出来たんじゃないかなと思います。

――MVは遊助さんのアイデアも取り入れられているんですか。

 ほぼ、監督さんにお任せしたのですが、ひとつだけお願いしたことがありました。助けてくれる人も実は心の中で泣いていたり、弱い部分があったり、悩んでいる人は沢山いるはずだから、スーパーヒーローでも仮面の中では泣いているかもしれない、そういった部分を表現したいとお願いしました。正義の味方が助けてくれる、頑張っていればなんとかなるというキレイ事を言いたいわけではなくて、弱い人が強くなっていくような物語にはしたくなかったんです。エールを送るような作品ではなくて、自分も人もみんなそうなんだと、感じてもらえるものにしたくて。

――遊助さんはすごくポジティブなイメージが強いですけど、遊助さんにもそういった一面はあるわけで。

 もちろんあります。でも、僕の場合は51対49くらいで、常に辛いことはあるんですけど、楽しいことが上回ていればいいかなと思っていて。変な地震なんですけど、どんなに辛くて苦しくて、理不尽なことがあっても49を超えないような気がしていて。例えば知り合いが亡くなってしまうことはすごく悲しいことだけど、この人と出会えたおかげでいい思い出ができたし、この人の分まで頑張って生きようと思えるんです。

遊助の夢とは?

「こむぎ」初回生産限定盤Bジャケ写

――通常盤に収録されている「スラッガー」は野球をやっていた遊助さんらしさが溢れていますね。

 この曲は「こむぎ」を作るより前に制作していた曲で、今回の4曲の中では一番最初にできた曲なんです。<怖気付いたのheyピッチャー>とか、少年野球の応援でこういった言葉がたくさん出てくるんですけど、それを取り入れてみました。少年野球をやっていた子が聞き慣れている言葉を活かした曲を作ってみたいなと思って。

――ちなみに色んな言葉が入っていますけど、遊助さんのお気に入りのワードは?

 <D.O.K.A.N DOKAN>という歌詞の後に「リーリーリー」と言っているんですけど、これはバッターが塁に出てリードしている時、ピッチャーの気を逸らすためにやっている言葉を入れてみました。これは野球をやっている人ならわかるんですけど(笑)。

――こういう曲を作っていると、久々に野球をやってみたい、とか思ったりしませんでした?

 YouTubeの番組ではキャッチボールをしたりするくらいはやっているんですけど、みなさんが思っているほど野球は今はやっていなくて。でも、野球をやっていたおかげで出会えた人もいましたし、自分自身も学べたこと、それが活かされた事がたくさんあるので、野球に恩返ししたいという気持ちはあります。

――「夢はシンプル」という曲も収録されていますが、遊助さんの今の夢はなんですか。

 歌詞にもあるんですけど、大人になるということですね。たぶんみんな自分が大人になれていると思えている人はほとんどいないんじゃないかなと思っていて。

――精神的なところで。

 そうです。自分が大人になれているのか、と考えた時に僕は幼い頃に描いていた大人にはまだなれていないと思って。ただ何をもってして大人なのか、と聞かれるとまた難しいんですけど、それはずっと追求していくことの一つだと思っています。僕の中での永遠のテーマなんです。

(おわり)

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