ChouCho、10年間の中で訪れた最大のピンチとは?
INTERVIEW

ChouCho

10年間の中で訪れた最大のピンチとは?


記者:榑林史章

撮影:

掲載:21年07月22日

読了時間:約9分

 アーティストのChouChoが、7月21日にシングル「なないろのたね」をリリース。表題曲は特撮ドラマ『ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA』第1クールエンディングテーマとして好評の楽曲で、「子供たちの無限の可能性」をテーマにしたという。2011年にTVアニメ『神様のメモ帳』OP主題歌「カワルミライ」でメジャーデビューを果たし、『氷菓』、『ガールズ&パンツァー』、『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』など、話題のアニメ主題歌を次々に担当するChouChoは、7月27日にメジャーデビュー10周年を迎える。この10年の中で訪れた最大のピンチとは? 『なないろのたね』の話と共に、10年を振り返ってもらった。
【取材=榑林史章】

子供が家族で楽しんでもらえる楽曲を意識

−−まず「なないろのたね」ですが、特撮ドラマ『ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA』第1クールエンディングテーマです。男性アーティストだと「ウルトラマンではタロウが好きで」など話ができるんでしょうけど。

 見たことはありますよ。テレビで見たのか、父親がビデオを借りてきたのか、記憶が定かではありませんが。それに弟がよくウルトラマンのソフビ人形で遊んでいた記憶があります。

−−「なないろのたね」はChouChoさんご自身で作詞作曲を手がけられていますが、どんなことをテーマにしましたか?

 「子供たちの無限の可能性」をテーマにしました。『ウルトラマン』は主に子供が見ると思うんですけど、今は運動会とか遠足とか学校の行事が中止になったり、子供たちもいろいろ我慢している部分が多いと思うんです。そんな今だからこそ、子供たちに希望を与えられる楽曲にしたいなと思いました。ただ、子供に向けて曲を作ったのは初めての経験だったので、あらたな試みとしてとても新鮮でしたね。私の音楽を聴いてくれるファンの方って、学生や大人が多いので。

−−子供が聴くという部分で、どんなことを意識したのですか?

 一度聴いて覚えてもらいやすいメロディやストレートな言葉選びを心がけました。それにウルトラマンを見るのは子供だけじゃなくて、その親御さんも一緒にご覧になると思ったので、家族でも楽しんでもらえる楽曲を意識しました。

−−何かを参考にしたり誰かにアドバイスを求めたりしましたか?

 そういう曲の歌詞はどんな風に書かれているんだろうと思って、「アンパンマンのマーチ」など子供に人気のある曲の歌詞を改めて読んだんですけど、とても深くて勉強になりました。そういう曲って、歌詞の言葉は短いワードが多いんです。長い文章だと子供は理解しづらい。それで「なるほど!」と思って、センテンスを短くすることを意識しました。あとは、いとこの子供が小さい時によく一緒に遊んだので、そのことも思い出しましたね。子供っていろんなことに興味津々で、目がすごくキラキラしているんです。それで歌詞に〈透き通った瞳〉と入れて。歌うにあたっても、子供に語りかける感じで見守るような目線で歌いました。

−−『ウルトラマン』らしい部分も、随所に盛り込まれていますね。

 ウルトラマンは光の戦士なので、冒頭から〈七色に光る種〉と歌っていますし、サビの〈キラリ〉というフレーズもウルトラマンを意識して入れました。

 あと台本を読ませていただいて、主人公のマナカケンゴが植物学者で、お花に話しかけるようなやさしい青年だというところが印象的でした。ヒーロー作品の主人公と言うと熱くて男らしいキャラクターというイメージが強かったのですが、そうじゃないのが今っぽくていいなと思ったんです。それでマナカケンゴに寄り添って、草花をモチーフにして書きました。

−−あと、バイオリンのAyasaさんが参加されているのもポイントですね。

 はい。『ウルトラマン』の制作サイドからのご紹介だったのですが、バイオリンは『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』のMorfonicaでも活躍されているAyasaさんに弾いていただきました。彼女のバイオリンが入ったことで、よりドラマチックな楽曲になりました。

きっとすごくストレスの多い時代だったことを思い出す

「なないろのたね」ジャケ写

−−カップリング曲の「ニュームーン」もChouChoさんの作詞作曲で、こちらは打ち込みのサウンドです。リズムなど独特な部分がありますね。

 カップリング曲では毎回新しいことに挑戦したいと思っていて、サウンド面では今まで出したことのない一面を出したいというのが最初にありました。内容として「なないろのたね」は光あふれる楽曲で、例えるなら太陽の日差しのようなので、それと対比させる形で月をテーマにしました。

−−歌詞は、コロナ禍の今とも重ねて聴くことができますね。

 そうですね。曲を作ったきっかけの一つとして、3人いる親友のうち2人が、仕事がけっこう大変だという話を聞いたことなんです。それもあって、お仕事を頑張っている方とか、今のこういう状況で心が疲弊している方はきっと多いんじゃないかと思って。そういう方に向けて、包み込むと言うか寄り添うと言うか、癒やしになる曲になればいいなという思いがありました。

−−「ニュームーン」というタイトルには、どんな意味を込めましたか?

 「新月」という意味で、暗さを表現しつつ希望も感じさせると思って付けました。表題曲はストレートに希望を歌っていますが、こちらは暗い夜の向こう側に希望があるという感じで、メッセージを込めています。

−−<形あるものはいつか壊れてしまうけれど>という歌詞のところで、音がおかしくなる演出があって。

 〈壊れる〉という言葉を音でも表現したいと思って、そこはすごく時間がかかりました。トラックダウンの時にエンジニアさんと一緒に、いろんなパターンを試して。音の歪みとか、この一カ所に何時間もかけて作りました。それもリモートで。今は、会話だけじゃなく音源を共有できるシステムがあって、実際に音を聴きながら「こんな感じはどうですか?」「今のいいですね」と、やりとりができるんです。それで、どんどん壊れていくような感じにしてほしいと指示を出して、こういう感じに仕上がりました。

−−曲作りの時点で、頭で全体像が浮かんでいたりするものですか?

 全体像まではいかないですけど、鼻歌でメロディをストックしていって、それをパソコンに打ち込んでコードを付けながら肉付けしていく感じです。鼻歌の段階でテンポ感とか、メロディに対してどういうコードを当てるかというのは浮かんでいますね。でも知識が追いついてなくて、頭で鳴っているコードを再現できなくて「あれ〜?」ってなる時がありますけど(笑)。

−−コロナ禍で、生まれる曲に変化はありましたか?

 おうちにいる時間が増えたので、曲のかけらが生まれる率は上がった気がします。自分の時間が増えたので、鼻歌メモがどんどん溜まっています。そのぶん外で新しい経験をするとかインプットの部分は確かに減ったのですが、逆に内面に向かって行くものがすごくあったので、モヤモヤした歌詞は書きやすいです。自分の中のフラストレーションを表現しやすいと言うか。「ニュームーン」は、まさしくコロナ禍という時代でなければ、きっと浮かんでこなかった歌詞だと思います。だから何年か経って聴いた時に、きっと今のことを思い出すと思います。すごくストレスの多い時代だったなって。

この10年のさまざまな出会いに感謝

−−ChouChoさんは、7月27日にデビュー10周年を迎えますが、どんなお気持ちでしょうか?

 実感はまったくなくて、本当にあっと言う間でした。自分がデビューした時は、まさか10年も活動を続けられるとはまったく思ってなかったし。だから、自分が歌手だということが、未だに少し不思議な感覚ではあります。

−−もともとデビューのきっかけは何だったのですか?

 アニソンのカバーバンドをやりながらニコニコ動画に歌い手として動画をアップしていたんですけど、ある時supercell feat. 初音ミクさんの「初めての恋が終わる時」のカバー動画をアップして、それを聴いたランティスの方から、アニメ『神様のメモ帳』のオープニングテーマ「カワルミライ」を歌う人を探しているということで連絡をもらったのがきっかけでした。ただその時は、きっと1曲だけのお話なんだろうと思っていて。10周年を迎えられるとは思わなかったというのは、最初がそういう感じだったからなんです。

−−そこから『ガールズ&パンツァー』シリーズや『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』シリーズなど多くのアニメタイアップを手がけるようになって。

 それは、本当に運が良かったとしか言いようがありません。作品との出会いによって、良い曲を作ったり歌ったり、その都度与えられた仕事としっかり向き合ってきたことで、結果としてその先に今という未来が続いていたという感覚です。

−−この10年の活動で、辛いと思った経験や辞めたいと思ったことはありましたか?

 辛いと言えるほど大きなことはなかったですし、辞めたいと思ったことも一度もありませんでした。ただ数年前に入院して、予定していたライブを直前でキャンセルしなければいけなかったことは、人生で一番辛かったです。

−−アーティストにとって一番辛いのは、やはりファンを悲しませること?

 本当にそうだと思います。台湾のイベントに出ることが決まっていたのですが……何日か前から腹痛がしていて。台湾に行く前日が「kaleidoscope」のアーティスト写真撮影で、終わって帰ったらすごく痛くなってしまって。マネージャーさんに連れられて病院に行ったら、そのまま入院することに。その時は、台湾で待ってくれているファンのみなさんに、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。しかも、それがちょうど誕生日の日だったんですよ。ただファンのみなさんは本当に温かくて、すごくたくさんの応援のメッセージをいただきました。その時は、ファンのみなさんの声にとても助けてもらいました。

−−10年やってこられた原動力はファンの存在ですね。

 絶対そうです。聴いてくださる方がいないと、楽曲を作るモチベーションもなくなってしまいますし。

−−ChouChoさんのファンの方は音にこだわりがありそうですね。

 『ガルパン』のファンの方は音響に詳しい方が多いので、そういう面はあるかもしれませんね。でもすごくうれしいですよ。私自身音にこだわりを持って作っているので、それを隅々まで聴いて楽しんでくださる方がいらっしゃるというのは、作りがいを感じます。さっき「ニュームーン」の話で出た、音の歪みはすごくこだわったので、良いスピーカーやヘッドフォンで聴いてもらえたら、それがより伝わると思います。私が楽しみながら、みなさんに新鮮な気持ちを与えたいと思って作っているものを、余すことなく楽しんでほしいです。

−−7月27日には、10周年記念ライブ『ChouCho 10th Anniversary Online Live』を開催します。

 バンド形式のライブは、2018年のツアー以来約3年ぶりです。いつものバンドメンバーなので安心感がありますし、リハをやった時は3年ぶりとは思えない最高のグルーヴ感を生み出してくれて、感動して思わず泣いてしまいました。

 10周年記念のライブなので、代表曲づくしで息つく暇がないくらいのライブになると思います。しかもゲストに、バイオリンのAyasaさんも出てくださるので、私自身すごく楽しみです。

−−では最後に、11年目はどんな活動にしたいですか?

 人との出会い、アニメとの出会い、お客さんとの出会い。本当にたくさんの出会いに恵まれてきました。これからの1年は、その出会いに感謝する活動をしていきたいです。

作品情報

7月21日発売
ChouCho
「なないろのたね」
LACM-24147 1,320円

収録曲
1なないろのたね 作詞・作曲:ChouCho 編曲:村山☆潤
2 ニュームーン 作詞・作曲:ChouCho 編曲:村山☆潤
3 なないろのたね (off vocal)
4 ニュームーン (off vocal)

【ライブ情報】

7月27日『ChouCho 10th Anniversary Online Live』

プレゼント情報

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