清水理子「歌で生きていっていいんだ」アイドル活動の中で掴んだ確信
INTERVIEW

清水理子

「歌で生きていっていいんだ」アイドル活動の中で掴んだ確信


記者:村上順一

撮影:村上順一

掲載:21年05月11日

読了時間:約9分

 アイドルグループ・虹のコンキスタドールの清水理子が12日、シングル「あなたへ」でソロデビュー。デビューシングルは、5月21日全国で公開される映画『お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方』のエンディングテーマに起用された「あなたへ」、カップリングには昨年12月に公開された映画『真・鮫島事件』の主題歌「ツムグ。」、2018年に公開された映画『ボクはボク、クジラはクジラで、泳いでいる。』の主題歌の「Colorful〜あなたといた時間〜」を収録した。インタビューではアニソンシンガーになることが夢だと語る清水に、これまでの音楽との接し方、歌への想いなど多岐に亘り話を聞いた。【取材・撮影=村上順一】

歌手への想い

清水理子

――幼少期はどんなふうに音楽を楽しんでいましたか。

 親から聞いた話だと、小さいの頃から歌うことが好きだったみたいで、幼稚園のカラオケ大会でもマイクを離さず『とっとこハム太郎』の曲を歌っていたみたいなんです。あと、小学生の時に駅から歩いて家まで帰っていたんですけど、大声で美空ひばりさんの曲を歌いながら帰っていて。心の中で「スカウトとか来ないかな?」と思いながら歌っていたのを覚えています(笑)。

――当時から歌を褒められたり?

 全然そんなことはなくて中学、高校になって友達とカラオケに行くようになってから、ちょっと言われるようになったくらいで。中学の時に友達になった子が深夜アニメが大好きで、その子の影響でアニメを見るようになって、そのアニソンをカラオケで歌っていました。そこから自分の中で「歌って楽しいな」と思えるようになりました。その中で一番大きかったのが水樹奈々さんの存在でした。紅白歌合戦で「PHANTOM MINDS」を歌い上げている姿を見て衝撃を受け、アニソンシンガーってすごくカッコいいと思いました。でも、自分がそうなりたいとは思ったことはなくて...。

――ちなみに初めてハマったアニメは何だったんですか。

 『とある科学の超電磁砲』で、fripSideさんの「only my railgun」でした。この曲を歌えたらカッコいいなと思って、当時はカラオケの採点機能を使って「only my railgun」ばかり歌っていました。

――カラオケで100点を出したことはありますか。

 100点は出したことはないです。「only my railgun」は確か93点が最高点で、高橋洋子さんの「魂のルフラン」と中島美嘉さんの「GLAMOROUS SKY」で97点を出したことはあります。

――虹コンの曲は?

 虹コンの曲は1人で歌うのが難しくて80点台ぐらいしか出たことがなくて、12人で歌っている曲なので一人だと息が続かないんです(笑)。

――確かに一人では大変そうです(笑)。アニソンシンガーになりたいと思ったきっかけは?

 友達にaikoさんやback numberさんのライブに連れて行ってもらったのがきっかけでした。そのときにいつも感じていたことがあって、ステージで歌っているみなさんが羨ましい、どちらかというと悔しい気持ちがあり、「なんで私は見ている側なんだろう」って。表舞台に立ちたいという気持ちはすごくあったんですけど、歌もそんなに上手じゃないし私には無理だと諦めていて…。

――でも、表舞台には立ちたいと。

 私の幼なじみが中学を卒業してすごい倍率の中で受かって宝塚の学校に入ったんです。大変なを思いをしながら夢を叶えていく姿を間近で見て、「夢は叶えていけるものなんだ」と思えたのも大きかったです。

――そこから夢を叶えるために行動したわけですね。

 はい。それで高校を卒業してからモデルのオーディションを受けました。オーディションで東京に行った時に「アイドルグループに入りませんか」とお話をいただきました。モデルのオーディションだったので歌も聴いてもらっていなくて、ウォーキングしたくらいだったんですけど、なぜかアイドルのお誘いを受けまして。その時は「えっアイドル?」と思ったんですけど、自分は歌が好きだったことを思い出して、ずっと歌手は諦めていたけど、アイドルをやればステージで歌えるかもしれないと思って「やってみよう」と決めました。

――ステージを体験してみていかがでした?

 実際やってみたらステージで歌うことがめちゃくちゃ楽しくて、「私はこれがやりたかったんだ!」と自分の気持ちを再確認できました。そこからはアイドルという選択肢しか自分にはなくて、次もアイドルをやりたいと思いました。それで虹コンのオーディションを受けて、なぜかわからないんですけど受かったんです。

――よくわからないとは?

 オーディションの時に「歌が上手いね」と審査員の方に言っていただけたんですけど、見た目で「それ地黒?」と聞かれたことくらいしか印象に残っていなくて(笑)。あとは「やり残したことはありますか」と聞かれたので「アンパンマン」と「ドラえもん」と「ピカチュウ」のモノマネをしたんですけど、審査員の方の反応が全然なかったのでもうダメだと思って…。

――それは不安になりますよね(笑)。無事に合格してそのあとはどんな変化がありましたか。

 プロデューサーのもふく(福嶋麻衣子)さんに指導していただいて、歌い方のコツを掴んでいった実感がありました。それが自分の自信にもつながって、ずっと歌っていきたいと思いました。今のレーベルさんがアニメにも強いので、これまで見えないくらい遠くにあったアニソンシンガーも夢ではないんじゃないかと思いました。ワンマンライブの時に水樹奈々さんからお花をいただいて、より一層「アニソンを歌いたい」という気持ちも強くなりました。その時にソロデビューのお話をいただいて、私は歌で生きていっていいんだ、と自分の中の意志が固まってもっとみんなに良い歌を届けていきたいと思いました。

歌詞の解釈を考えるのが好き

――これまでは配信でしたけど今回CDとしてリリースされますね。

「Colorful〜あなたといた時間〜」と「ツムグ。」は配信で既に出させていただいた2曲なんですけど、今回CDとして収録されるので形に残るというのは特別なことだと思っています。ファンの方の手元に残りますし、ずっと側に置いていただけるというのは嬉しいですし、サインを入れたりも出来るので、それも大きいです!

――ちなみに清水さんが初めて買ったCDは?

 自分で購入したわけではなくて親からプレゼントでもらったものなんですけど、アニメ『おジャ魔女どれみ』の瀬川おんぷちゃんのキャラソンでした。自分で買ったのはAKB48さんの「GIVE ME FIVE!」だったと思います。

――さて、リード曲の「あなたへ」はどんな気持ちで歌いましたか。

 映画作品に寄り添った曲ではあるんですけど、私はファンの方の事を考えながら歌いました。私にとっての「あなた」という対象はファンの皆さんだなと思ったんです。歌詞にある<初めて手を繋いだ日のこと>は握手会、<幾千の光が僕達の行く先を優しく照らす>はペンライトと解釈して歌いました。でも、聴いてくれる方それぞれに大事な“あなた”がいると思うので、それぞれ置き換えて聴いて頂ければと思います。自分の大切な人との思い出を振り返ったり、もっと大切にしようと思ってもらえるような曲になったらいいなと思います。

――歌詞を分析するのは好きですか。

 解釈を考えるのがすごく好きで、それは虹コンの曲でもやります。この「あなたへ」を初めて歌った時にファンの方から卒業するの? と思われたんですけど、いずれ終わりは来るものという意味もこの曲にはあると思うんです。過去、現在、そして未来も一緒にいたいという気持ちが込められている歌詞だなと思いました。私はこれまでを振り返って今があるのは皆さんのおかげだよというのがあります。あなたがいてくれたからではなくて、あなたがいてくれるからと現在進行形で、これからもずっと側にいて欲しいという気持ちで歌っています。

――特に気に入っている歌詞やフレーズはありますか。

 Dメロにあたる<あの春の暖かな香りも>はメロディも含めてすごく気に入っています。このセクションの最後のところは地声で力強く歌わせていただいたんですけど、ここは個人的に見せ場だと思っていて、注目して頂けたら嬉しいです。

――レコーディングはいかがでした?

 虹コンではまず1曲丸々録ってから、良いところをピックアップしていただいてパート分けされるんですけど、どこを歌うのかは決められていない状態なので、自分の個性が埋もれない歌い方、どこを聞いても私だと思ってもらえるような歌にしたいなと思いながらレコーディングしていて。なので全て癖が強いんです。でもソロだとどこを使われるのか気にしなくてもいいので、最初から表現方法をいろいろ考えながらレコーディングに臨みました。それはすごく難しいんですけど、いろいろ工夫できることがたくさんあって表現の幅が広がったなと思います。

――新しい試みはありますか。

 私は地声で歌うのが得意なんですけど、今回は裏声を交えた歌い方をしているのでそこは新しい挑戦かなと思っています。単調にならないように波を感じさせる歌にしてほしいというリクエストをいただいて、すごく難しかったんですけど、サビは特に頑張ったので皆さんに聴いていただきたいです。

――歌詞をご自身で書いてみたいと思ったり?

 全く思ったことはないんですけど、今そのお話を聞いて、ソロ曲でいずれ歌詞を書いて発表したいという新たな目標がいま出来ました。自分の言葉で歌詞を書けたらダイレクトに気持ちを届けられるのでやってみたいです。

失敗が深みになる

清水理子

――「ツグム。」は“清水理子節”全開といったイメージがあります

 ありがとうございます。この曲はもふくさんがディレクションしてくださったので、虹コンの時と同じような雰囲気でレコーディングに臨ませていただき、力強さが出ていると思います。

――レコーディングされてから時間が経ったと思うんですけど、いま改めてこの楽曲を聴いてどう感じていますか。

 私かっこいいなーって(笑)。自画自賛なんですけど初めのAメロのところがすごく気に入っていて、芯がある感じではなくてちょっと曇った感じで歌っているんです。そういう歌い方をやってみたかったので、挑戦してみたら自分でもうまくいったなと思っています。ReoNaさんの「ANIMA」という曲があるんですけど、その曲の歌い方が影がある感じがあって、それを意識した部分もありました。サビは水樹奈々さんをリスペクトしたところが出ていると思います。

――歌詞はどのような意味が込められているのですか。

 恋愛にも置き換えられるところもあるんですけど、これは映画『真・鮫島事件』を見ないと本当の意味ではわからないと思うんです。タイトルの「ツグム。」も映画を見ていただければ「なるほど」と思ってもらえると思うので、ぜひ映画も観てください。

――ニコイチなんですね。もう一曲の「Colorful〜あなたといた時間〜」は、どんな気持ちで歌唱されていますか。

 私が和歌山出身ということもあり、映画『ボクはボク、クジラはクジラで、泳いでいる。』が和歌山のお話ということもあり、ご縁もあり選んでいただいたんです。私は地元大好きで、コロナ禍になる前はひと月に一回は帰っていたくらいで。なのでこの話が決まった時は飛び跳ねるくらい喜びました。挫けそうな時に背中を押せるような曲になればいいなと思いながら歌唱しました。

――“地元愛”が強い清水さんが和歌山で1番のおすすめは?

 和歌山は海と山と川に囲まれているんですけど、休みの日はこの中からゲームセンターを加えた4つからどこに行こうか決めていました。私は川で魚を網ですくうのが好きでした。なので川は自然に溢れていて、水もすごく澄んでいるのでおすすめです。あとは和歌山ラーメンをぜひ食べて欲しいですし、映画『ボクはボク、クジラはクジラで、泳いでいる。』の舞台になっているくじらの博物館にも聖地巡礼として行ってもらえたら嬉しいです。

――コロナが収まったら行ってみたいですね。さて、今はどんな課題がありますか。

 この前、もっと素直に気持ちを発信しないとダメだともふくさんに言われまして…。心の奥底にある本音を見せないとダメで、そうしないと深みが出ないとのことなんです。でも、「深みを出さなければいけない」と考えすぎるのもダメなんじゃないかなと私は思ったんです。いろんなことに挑戦して失敗することもあると思うんですけど、その失敗が深みになるんだと信じて、試行錯誤しながらも挑戦していくことが課題です。

(おわり)

ライブ情報

清水理子ワンマンライブ
『あなたへ〜This song for you〜』
6月7日(月)17:30開場/18:00開演
※最近情報は公式HPにて → https://2zicon.tokyo/

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村上順一
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