THE BEAT GARDEN「物理的な距離だけではない」新譜に重ねたそれぞれの想い
INTERVIEW

THE BEAT GARDEN

「物理的な距離だけではない」新譜に重ねたそれぞれの想い


記者:村上順一

撮影:

掲載:21年05月01日

読了時間:約11分

 大阪で結成された3Vo+1DJのボーカルグループTHE BEAT GARDEN(ビートガーデン)が4月26日、デジタルシングル「遠距離恋愛」をリリースした。2012年に結成して以来、初めて”女性目線”で紡いだバラード楽曲で作詞はU、作曲はMASATOが手掛けた。そして、DJとしてTHE BEAT GARDENを支えてきたSATORUが8月10日の「音庭部屋」生配信をもって卒業することが3月に発表された。インタビューでは卒業を控えたSATORUの今の気持ちから、新曲「遠距離恋愛」の制作背景、念願だった5月15日からスタート予定の有観客で行うツアーへの『The Beat Garden one man live tour 2021「Afterglow」』への想いなど、4人に話を聞いた。【取材=村上順一】

後悔してほしくない

「遠距離恋愛」ジャケ写

――SATORUさんが8月10日の「音庭部屋」生配信をもって卒業すると知って驚きました。いつ頃から考えていたんですか?

SATORU 2020年1月の新木場でのライブの頃からですかね、その都度メンバーには相談話していたことでした。最初は脱退という話ではなかったんですけど、ちょっとずつ両親の体調が悪くなってしまい、そばにいてあげたいと思いました。

――SATORUさんが活動をお休みするという選択肢は?

U もちろんその案もありました。僕らはこの4人で同じ歩幅でずっとやってきました。SATORU自身もそういったところにプレッシャーを感じていた部分もあると思うんです。例えば活動休止をしている時に僕らがどうなっているかもわからないですし、そこに今まで通りにSATORUは戻ってくることは出来ないと話してくれて。一緒に歩んで来たからこそ、片手間にTHE BEAT GARDENの活動は出来ない、なので卒業という決断になりました。僕は人生という大きなところで見た時に、後悔してほしくないなと思い、SATORUの気持ちを汲みました。

――1日1日がすごく大切になってくると思うのですが、どう過ごしていきたいですか。

MASATO 良い意味で何も変わらないと言いますか、卒業するからといってSATORUに変に優しくしたりとかもないですから。それは逆の立場だったらそれは寂しいなと思いました。今はSATORUが一番卒業しやすい雰囲気を作っていきたいという気持ちと、Beemerのみんなが心配にならないようにしていきたいと思っています。

REI このことに関してすごくチームとして向き合ってきた期間があって、発表した時に本当にSATORUさんが卒業するんだと実感して...。僕もこの期間に特別なことをするわけではなく、ツアーでみんなに会いに行けるというのもあるので、一本一本大切に過ごしていきたいです。

SATORU 僕自身、不思議とまだ卒業を実感していないんです。自分よりもメンバーの方が感じている部分は大きいのかなと思います。なので、いままで通り活動できていますし、おそらくこれから色々感じてくるのかなと思うところもあって...。

U 本当にこの4人でツアーをできるのが良かったと思っています。リハーサルも始まっているんですけど、今まで以上に楽しめていますから。

――僕はいつも新曲がリリースされる時にSATORUさんが客観的に見たTHE BEAT GARDENの変化やMVのお話を楽しみにしていたのですが、それももうすぐ聞けなくなってしまう...。

U MVと言えば昨年リリースした「マリッジソング」で面白い事がありました。ドラマ『社内マリッジハニー』のタイアップの影響もあって僕らを知らない方もたくさん観ていただけたんですけど、YouTubeのコメント欄にSATORUについて「このシャツを来てイスに座っている人は何をされている方なのでしょうか」と丁寧に質問してくださっている方がいて。

――謎の人みたいな(笑)。

U 「マリッジソング」のMVはDJ不在の3Vo+1Chairでしたから(笑)。

SATORU 自分からそのコメントに答えようかなと思いました(笑)。

――1Chair、新しい肩書きが増えましたね(笑)。そういえば「遠距離恋愛」のMVはジャケット写真とも連動しているとのことですが、どんな作品に?

U MVは事務所の先輩であるback numberさんの「水平線」のMVを撮った監督さんにお願いしました。初めて自分たちが出ない映像になっています。最初は僕らの歌うシーンも入れる予定だったんですけど、作品として力のある曲になっていると思うので、今回は出ない方が作品として良いんじゃないかと思いました。リリックビデオも制作していて、また違った「遠距離恋愛」を感じてもらえると思います。

女性目線の歌詞になった理由

――さて、新曲の「遠距離恋愛」は曲の尺が5分45秒もあり大作ですね。

MASATO これは自分も曲を作っている時から思っていたんです。今の時代、曲の長さは短いものが多いので、最初はちょっと削ろうかなと思っていたところもありました。2番のサビに行かないで、ブリッジパートに飛んでみようとか、そのパターンでのBメロを作ってみたりしていたんですけど、これは全てがないと伝わらないと思って、Uさんに相談したら、「このままで行こう」と言ってくれて。

U 絶対に2番のサビで言いたいことはあると感じて。

MASATO 友達にこの曲を聴いてもらったんですけど、Aメロがサビみたいと話してくれて。それが自信になってこの部分だけでも聴いてもらえるような曲になったと思いました。どこを切り取って聴いてもらっても大丈夫だなと。

REI THE BEAT GARDEN初の女性目線の歌詞ということで、過去の恋愛経験とリンクさせながら聴いていました。当時は自分よりも相手の方が忙しいといった環境で付き合っていて、今振り返るとこんな事やってあげれば良かったなとか思い出したり、この「遠距離恋愛」の歌詞を通して感じました。この曲を聴いてくださる男性の方には相手のことをもっと大事にしようと思ってもらえたら嬉しいです。

U 自分ができなかったことをみんなに託すというね(笑)。REIは夢を追いかけていたからね。

REI 当時は恋愛が自分の中で一番になった事がなかったので(笑)。

――SATORUさんはこの曲をどう感じていますか。

SATORU 今回、レコーディングの時から思っていたことがあって、この曲の落ちサビはMASATO君が歌っているんですけど、それが新鮮といいますか、すごくマッチしていてこの曲の目玉のひとつだと思っています。ツアーのリハーサルも始まっているので、ライブでの光景も浮かんできているんですけど、すごく楽しみにしている部分なんです。

――歌詞についてはどう思いましたか。

SATORU さっきのREI君の話なんですけど、僕はちゃんと相手を迎えに行くタイプですね(笑)。連絡はマメなタイプです。

U SATORUはツンデレだよね。最初はすごくツンツンしているんですけど、付き合うとデレデレになるので、そのギャップでみんな離れていくんです(笑)。100か0か、ちょうどいい感じのところがないんです。

SATORU ちょうどいい感じ...いや〜それは難しいですね。でも、歌詞にあるような思いをさせたことは、たぶんないんじゃないかなと思っています(笑)。

――Uさんは女性目線で歌詞を書いてみていかがでした?

U 最初はライブとかで歌うときに女性目線というのはどうなんだろう?とちょっと違和感を感じていました。いつもはサビのオチを考えて作ることが多いんですけど、今回は登場人物2人のストーリーみたいなものを描きたいと思いました。それで最初は男性目線で小説みたいなもの、プロットを作ってみたんです。すごく簡単なものではあるんですけど。言葉尻、例えば“ねえ”とかでてくるんですけど、ちょっと男性目線としては違和感があって。それなら女性目線ならしっくりくると思いついて、メンバーにも聴いてもらったらこっちの方が良いと、今回の歌詞の世界観になった経緯があります。

――僕がいただいたサンプルの音源には「Spring Love」と仮タイトルが付いていたのですが、「遠距離恋愛」に落ち着いたんですね。

U MASATOが曲を作ってきてくれたときに、“春のラブソング”というイメージがありました。その中で今僕らがBeemer(ファンの呼称)のみんなに会えないことや、SATORUのことをBeemerのみんなが重ねて聴いてくれたりするんじゃないかなと。小説を書いているときに遠距離というストーリーだったのでこのタイトルになったんです。最初は「遠恋」とか候補があったんですけど、物理的な距離だけのことではない意味も持っているなと思って、みんなそれぞれがイメージを広げてくれると思ってストレートに「遠距離恋愛」にしました。

――Beemerの皆さんはこの歌詞にいろんな思いを馳せてくれると思います。有観客ライブもできていないですから。

U この期間でBeemerのみんながすごく力強くなっているのを感じています。僕らの書く曲をすごく大事にしてくれているのが伝わってきていますし、SNSやYouTubeのコメントってすごく大事だと感じていて、曲に対してどう感じていてくれるのかがわかるし、僕らがわざわざ説明しなくても伝わっているんだなと実感します。

感謝を伝えられることがとにかく嬉しい

――REIさんはこの「遠距離恋愛」を歌唱するにあたってどんな意識で臨みましたか。

REI 曲というものをしっかり届けることに全集中したいなと考えていました。それがやっとできるようになってきたなと感じていて、歌っていても心境の変化はよく感じています。今回歌詞の中にカギカッコの部分があって、邦楽ならではの表現方法だなと思いつつ、これまで僕らは話し言葉はあまり使ってこなかったので、これがあることで歌詞の世界観がより伝わりやすく、歌っていて表現しやすかったです。

MASATO 僕は女の子の気持ちになって歌いました。この曲の自分が歌うパートがセクションによって温度感が違うんです。ちょっと不貞腐れていたり、上から目線で言っているような感じだったり。でも、2番のサビでは本音を曝け出したり、弱さを見せたりするので、それがしっかり伝わるように歌いたいと思いました。

――そういえばMASATOさんはドラマ『ヒミツのアイちゃん』(フジテレビ FODオリジナルドラマ)に香住律希役として出演されていましたが、その経験が歌唱に活きた部分も?

MASATO 自分ではまだよくわかってないんです。

U ドラマ撮影直後、MASATOはめちゃくちゃ男前になって帰って来たんですよ。もういつものMASATOに戻ってしまいましたけど(笑)。いつもそうなんですけど、例えばファンキー加藤さんのライブに参加していた時も加藤さんのような汗の似合う男になって帰ってきたり。今回はちゃんと俳優の顔になっていましたから。

一同 (笑)。

U MASATOはちゃんとその現場の中に入り込める、ホラー映画でもちゃんと怖がれるタイプなんです。僕はどんなに怖くてもその後に「はいっ、カット!」とかやっているんでしょ、と思ってしまって入り込めなくて。

――撮影の裏側を感じてしまうタイプなんですね。そんなUさんのレコーディングは?

U 実は「マリッジソング」の時に喉を壊してしまって、声が裏返ってしまうという状態でした。原因不明だったんですけど、今は治って以前より声がちょっとハスキーになって、レーベルのディレクターさんがこの声をすごく良いと言ってくださって。この曲は女の子の独り言なので、大きく真っ直ぐに歌うというよりも、内側に向かうようなイメージで歌おうと思って、それに対してすごく合う声を手に入れたと思いました。あと発声法に鼻腔共鳴というのがあるんですけど、それを意識して歌いました。特にAメロにその効果が出ていると思います。

――最後に5月15日からスタートするツアー『The Beat Garden one man live tour 2021「Afterglow」』への意気込みをお願いします。

REI この4人で回る最後のツアーなので、回れることに感謝ですし、新木場でのライブぶりの有観客ということもあり、早くみんなに会いたい気持ちでいっぱいです。

MASATO ずっと遠距離恋愛していたぞ、という思いがあって、その気持ちをステージで前面に出したいなと思っています。会えなかったこの期間は本当に辛かったんですけど、この曲も生まれたし、嫌なことばかりではなかったと思います。ここまでよく頑張ったというのをお互い感じられるようなツアーにしたいです。

U ここまで直接会えない中でも曲を通してしっかり気持ちは伝わっていると思いますし、このツアーも大丈夫だと信じています。思いっきり気持ちを曝け出して全公演回りたいと思っています。4人体制でのビートガーデンはこのツアーで最後になりますけど、この4人でまだまだ続けて欲しいと思ってもらえるような、全公演そういうライブにしたいです。みんなも期待してライブに来てください。

SATORU こんなに多くの場所を回れるので、いつもUさんが話していた「みんなに会いに行く」という言葉が実現します。みんなの前で、同じ空間で直接「ありがとう」と感謝を伝えられることがとにかく嬉しいです。

U ライブの次の日に特典会も行う予定なので、ライブに来れない人も特典会に足を運んでもらえたら嬉しいです!

(おわり)

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