INTERVIEW

中川翼×長澤樹

役と共に成長。映画『光を追いかけて』


記者:鴇田 崇

写真:鴇田崇

掲載:21年10月08日

読了時間:約5分

 美しい田園風景広がるなか少子高齢化の波が押し寄せる秋田の架空の町を舞台に、謎の光とミステリーサークル、そして傷つきやすい思春期の少年少女と大人たちの物語を描く『光を追いかけて』が公開中だ。美しい少女と出会い成長していく主人公・彰を演じる若手注目株は中川翼。その彰にだけ心を開く不登校のヒロイン真希を長澤樹が好演する。役柄とともに成長したというふたりに話を聞く。【取材・撮影=鴇田崇】

役とともに成長

――観る人によって受け止め方はさまざまな作風だと思いましたが、最初に脚本を読まれた時の印象はいかがでしたか?

中川翼 秋田には行ったことがなかったのですが、台本を読んだだけで、秋田の自然を映像で想像出来たような気がしました。役柄については自分と共通点だらけで、彰の人見知りなところ、内気な性格などがすごく似ていました。ほぼ自分です。監督にも自分らしく演じてほしいと言われたので、そのまま演じました。

長澤樹 わたしもとても美しい作品になるだろうなと想像しました。秋田には行ったことがなかったですし、何もわかってはいなかったので、自分の中の想像の秋田でしたけどね。真希は自分とは別人で共通点が見つからなくて、できるかは不安でしたが、感情を素直に伝える彼女の性格については、そこは似ているかなと思いました。

――演じ終わって何か感じることはありましたか?

中川翼 素の自分のままで演じることによって、彰が成長していくと同時に、僕自身も成長していくような気がしました。その実感はありました。あの瞬間がもう1回あるわけではないので、すごくいい経験だったなと思います。

――自分と役柄がシンクロしていた?

中川翼 そうですね。共通点が多かったので彰が心を開いていく過程で僕も心を開きやすくなったし、大人に対しての接し方が変わった気がします。役として真希と関わっていく過程でも彼女に言われたセリフに影響を受けた感じはありました。

――長澤さんは真希役を経て思うことはありますか?

長澤樹 この作品が初めての映画の現場だったので、わたしも、自分も真希も成長したなと感じています。今までドラマにも全然出たことがなかったですし、同年代でもキャリアとしては一番下で後輩だなと思って撮影に入ったので、全部が勉強でした。

――たとえば何が勉強になりましたか?

長澤樹 撮影の合間の居方などです。中川さんをそばで見ていても、何をしていても勉強になるんです。「あ、こういうことするんだ」とか。かなり一緒にいる時間が長かったので、中川さんの真似もしてみました(笑)。

青春期でしか感じられないこと

――繰り返しになりますが、過疎という社会的なテーマがありつつ思春期の少年少女の想いまで描いていましたが、改めて完成した作品を観て思うところはありますか?

中川翼 撮影当時は中学二年生で今から2年前の話なのですが、中学二年生でしか感じられないことはあったと思います。大人への怒りや、寂しさ憂鬱さ、今のうちに表現しておかないといけないと思いました。自分らしさを大切に、自分なりに大人への想いを表現して受け取ってもらおうと思ったので、自然な感情表現を大切にしました。

――大人への怒りとは?

中川翼 中学生だと、大人たちに勝手に物事を決められたりしますよね。反対されたりして、できないことが多かったりするじゃないですか。ほかにも僕たち学生はコロナで修学旅行がなくなったのに、遊んでいる大人たちがいる。そういう不満や怒りを今の学生たちは感じているだろうし、そういう大人への感情は観ている人たちに絶対近づけたい作品にしたいなと思いました。

――過疎という、もしかしたらなじみが薄い問題も触れられていましたが、長澤さんは何か思うところはありましたか?

長澤樹 秋田のことは遠いですが、自分の家がなくなると考えると身近な問題に思えます。まったく関係のない話ではないと思うんです。それと自分は秋田出身ではないのですか、こんなにいい場所がある、もっといろいろな場所があるということを、この作品を観ることで知ってもらえたらいいなと思います。

――長澤さんは客観的に観られましたか?

長澤樹 どの作品でもそうなのですが、何回か観ているとそれだけ発見が出てくるし、自分でも撮影中なのに何回もやっていると、もっとこうしたらいいかもという発見があるものなんです。もしかしたら自分のことだけしか考えていないのかもしれないので、もっと客観的に自分のことを観たり、周囲のことを観たりできたらいいなと思います。

中川翼×長澤樹

音楽の接点

――ところで、この曲を聴いて集中するなど、好きな音楽はありますか?

中川翼 僕は最近ラップを聞いていて、韻マン、Red Eyeの曲を聴いて仕事へ向かったりしています。声が特徴的でカッコいいので、聴いたり、動画を観たりすると、けっこうテンションが上がりますよね。仕事が終わった時に疲れた時に聴いていると、もうちょっと頑張ろうと思えるので、音楽ですごいって思える瞬間ですよね。

長澤樹 日々どんどん好きなアーティストさんが増えていく感じなのですが、最近で言うとYOASOBIさんが好きでよく聴いています。あとはDAOKOさんもよく聴いています。

中川翼 それは秋田での撮影中に「聴いてよ!」とすすめられました。いい曲でした!

長澤樹 (笑)。あとはドラマの主題歌も好きになると聴きますね。手嶌葵さんが好きで、「明日への手紙」が主題歌になっているドラマがあり、よく聴いていました。

自分らしさ

――先ほども話に出ましたが、自分らしさ、自分だけの個性について考えたりは?

中川翼 仕事では監督が演技について追い込んでくれんです。それにめげずに喰らいついていって、よりよいものにしていくということが自分の特徴と言いますか、負けず嫌いだなと言われることがあるので、納得いくまでやったりはしますね。

長澤樹 目はよくほめられます。目力が強いみたいで(笑)。自分が必要とされた作品や役柄ができればいいなと思っていて、もちろんやりたいものはたくさんあるのですが、でもそれ以上にわたしじゃなければできないと、必要としてもらえるのではあれば、その作品に出たいなと思います。

――将来はどういう俳優になりたいですか?

長澤樹 オードリー・ヘップバーンさんが大好きで、それがきっかけで女優さんになろうと思ったんです。伝記でヘップバーンさんの人生を知った時に、アバウトですけど、そういう人になりたいと思ったんです。ヘップバーンさんがわたしの目標です。

中川翼 藤原竜也さんみたいな変わりがない、唯一無二の俳優になりたいですね。演じて撮影が終わった後、「これはこの人しかいないね」と思ってもらえるような、そういう俳優さんになりたいです。

(おわり)

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