INTERVIEW

結木滉星

意識した「地に落ちる瞬間」、ドラマ『エロい彼氏が私を魅わす』


記者:編集部

写真:木村武雄

掲載:21年10月08日

読了時間:約4分

 結木滉星が、FODオリジナルドラマ『エロい彼氏が私を魅(まど)わす』(FODで毎週土曜日0時最新話配信)に出演中だ。野島伸司氏の脚本で「今どき女の子の結婚観」と「葛藤」を描く。結婚目前の正直すぎるお嬢様・仁美(松井愛莉)が、工事現場で偶然出会った筋骨隆々のまなぶ(笠松将)に惹かれ葛藤する。結木は、仁美の婚約相手・圭吾役を演じる。東海テレビ・フジテレビ系土ドラ『#コールドゲーム』(FOD配信中)で二面性を持った役柄を好演し、役者としての心境地を見せた結木は本作ではどのような芝居を見せているのか。【取材・撮影=木村武雄】

『エロい彼氏が私を魅わす』キービジュアル
(左から)結木滉星、松井愛莉、笠松将、萩原みのり
(C)フジテレビ

『#コールドゲーム』に手ごたえ

 今年6月から7月まで放送された土ドラ『#コールドゲーム』。隕石落下の影響で氷点下45度の氷河期に突入した地球を舞台に、食料等が家族に優先される避難所第七支部で生き残りをかけ偽装する家族の長男・大輝を演じた。

 身体能力抜群で女性に人気のイケメンだが、裏ではある復讐を企てる二面性のある役柄だった。終盤に向けて展開される復讐劇で、結木が扮した大輝はそれまで抑えていた感情を爆発させた。鬼気迫るその姿に息を飲んだ。

 「自分が出ている作品は、客観的には観られないのですが、意識していたギャップの部分や大輝として大切にしていた部分はしっかり描けたと思っています。感情を爆発した場面は、今まで企てていたことや、伝えなくてはいけないことを、そこでぶつける大事なシーンでしたので、今の自分に出来る100%のことはやれたと思います」

 手ごたえがあった。ドラマ制作発表当時、「陰があり二面性が強い役柄をずっと演じてみたいと思っていましたので、お話しを頂いた時は『おお!来た!』と喜びました!」と期待感を示していたが、それをやり遂げた今なにを思うのか。

 「成長しているかどうかは自分では分かりませんが、少なくとも身にはなっていると思いますし、それが力になったらいいなと思います」

 それを経て迎える本作。同じ二面性を持ったキャラクターだが、大輝とは全く異なる圭吾という役柄。結木はどのように向き合ったのか。

結木滉星

剥がれて表れる二面性

 結木が演じる圭吾は、証券マンで収入もよく、高学歴で、優しくて、見た目も良い。「プライドも高く完璧な人物ですので、誰もが結婚したいと思うような爽やかさを意識しました」。

 しかし、結婚直前で婚約者の仁美は、圭吾とは全く異なるタイプのまなぶに惹かれていく。仁美の心の変化をきっかけに狂わされていく。

 「『#コールドゲーム』の大輝は自身が企てていることを隠す意味での二面性でしたが、圭吾の場合は意図しないところで本性が露になっていく二面性を持っています。まなぶの存在によって崩されていき、そこから圭吾自身も分からない感情や思いがどんどん爆発し崩れていきます。その人間臭くなっていく瞬間は、一人の役者、人間として、多少共感できる部分もあります。ですので、今まで完璧だった人間が底辺に落ちていく瞬間というのを大切にお芝居しました」

 ポスタービジュアルでは、ドラマの波乱を予期するかのように、圭吾とまなぶの彼女・麻衣(萩原みのり)が腕を組んでいる姿が写し出されている。これが意味するものとは何か。ゲームのプレイヤーのように平静を装う圭吾。その象徴的なシーンが中盤にある。

 「ある事が起きますが、普通の人ならその場で感情的になるところを、圭吾は自分で作り上げてきた圭吾像があるので、そこでも余裕を見せないといけない。だから、その瞬間はあまり感情を見せないようにしました。ただそんなふうに冷静に見せかけていますが、台本には描かれていない気持ちの部分を想像するといろんな感情が湧いていたと思います。それは表には見せていませんが、その内面も意識しながら演じていました」

 しかし、ある事を境に理性は崩れていく。

 「圭吾が一気に悪に変わる瞬間があり、そこで圭吾に対する見方はガラリと変わります。そこも大切な部分だと思いましたので、気合を入れて大事に演じました。圭吾がひたすら話しているシーンは長回しでしたので良い緊張感のなかで臨めていました。ただ、僕自身がこんなことできるかと言ったら絶対に無理。それは役としてできることだと思い割り切りました」

 本作で描かれるのは「恋模様」だけでなく、4人それぞれが持つ価値観のぶつかり合いだ。悪者に徹しすぎるとそのバランスが崩れる。

 「セリフ自体に力があり、それを言うだけで悪い人に見える部分もあると思いましたので、やり過ぎないようにナチュラルに芝居することを意識しました」

結木滉星

待望の野島伸司作品

 野島伸司作品への出演を楽しみにしていた結木はそれが叶い「嬉しい」と喜ぶ。

 「野島さんならではの独特の世界観があって、セリフ一つをとっても面白いです。普通なら絶対に言わないであろう言い回しや、それでいて物事の本質をとらえている部分はすごいと思います。参加できて学ぶことが多かったです」

 『#コールドゲーム』で更に役者としての磨きがかかった結木が、野島ワールド全開の世界観でどう視聴者を魅(まど)わすのか。結木が演じる圭吾にも注目だ。

(おわり)

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木村武雄

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