INTERVIEW

森川 葵

圧倒された。『さくら、』で安藤政信・山田孝之と感性のぶつかり合い
『MIRRORLIAR FILMS Season1』


記者:木村武雄

写真:木村武雄

掲載:21年09月17日

読了時間:約7分

 森川葵が、短編映画制作プロジェクト『MIRRORLIAR FILMS Season1』(17日公開)の一編『さくら、』に出演する。俳優・安藤政信が監督を務め、主人公を山田孝之が演じた。友人A(安藤政信)の死を引き金に男女3人の友情がゆがんでいくさまを描く。様々な役になり切るカメレオン女優としても高い評価を受ける森川と、圧倒的な存在感を放つ山田、そして冷静な安藤の、3人による怪演、そして感性のぶつかり合いは本作の見どころの一つと言える。森川はどのように挑んだのか。【取材・撮影=木村武雄】

安藤政信監督作『さくら、』で共演した森川葵と山田孝之(C)2021 MIRRORLIAR FILMS PROJECT

 ◆あらすじ 主人公(山田孝之)は、友人A(安藤政信)の恋人(森川葵)と秘密の逢瀬を重ねていた。だが友人Aが突然亡くなる。順調に思われていた3人の友情は、友人Aの死を引き金に次第に歪んでいく。

個性的な感性が生む唯一無二の芝居

――本題に入る前に、達人技をいとも簡単に成し遂げることから“ワイルド・スピード”との異名もついています。手先が器用というのもそうですが、シミュレーション力もすごいのではないかと。

 頭の中は皆さんと一緒で普通だと思います(笑)

――物事を記憶するときに、絵や言葉、あるいは数字や図形など様々な方法で行われると思いますが、森川さんはどういうタイプですか?

 少し変な話になりますが、形や、何かを触った時の手の感覚とかです。あくまでもイメージですが、物だけじゃなくて空間の触り心地とかもあります。

――スプレーアートにも挑戦されていましたが、あれもそのような感じですか。

 お手本となる先生の動きを見て、こういう時はこういう手の動かし方をしているというのも記憶しますが、ずっと記憶に残っているのは、触り心地です。それはスプレー缶を持った感覚ではなく、私の中にある感覚みたいなもので…。

――その個性的な感性や記憶の仕方は、芝居にも活かされているのではないかと。感性や捉え方、記憶の仕方が異なれば表現も変わる、それが唯一無二の芝居を生んでいるのではと思うのですが。

 それはどうでしょうね。触り心地や空気、温度、色などで記憶していますが…でも確かにこの作品はこういう色合いで、こういう温度感で、触り心地はこういう感じみたいなものはあります。でもそれを上手く言葉に出来ないです…(笑)。

――それは台本を読んだ時にも感じるんですか。

 感じます。

――現場ではまた変わってくると思いますが、それまでは、その感覚は大事にされているのですか。

 大事にします。それと、監督が持っている感覚というのも、台本を読んだ時に入れて、現場に行ってもう一回こね直していく感じです。

森川葵

安藤政信の感性

――今回監督を務められた安藤さんもアーティスティックな方で、森川さんとの感性のぶつかり合いも楽しみの一つですが、作品自体の触り心地や温度感はいかがでしたか。

 安藤さんらしい温度感や色合いで、私の中にあった感触そのものが安藤さんならではのものでした。

――安藤さんの世界に最初、戸惑いはなかったですか。

 初めは、安藤さんと、お相手が山田さんだったので、それだけで不安で心配でした。衣装合わせをした時に、安藤さんが事前に写真を撮っていらして、その写真を使いながら「こういう感じの世界観で僕は撮りたいと思っている」という説明をしてくださったので、そこで何となく世界観が想像しやすかったです。

――それがあのまま映像になっている感じですか。

 そうですね。音楽なども追加されてもっと激しくなっていますけど、安藤さんが監督だと、たぶんこういう世界観なんだろうなというのが、大量の写真で何となく掴むことが出来ました。

――安藤さんは計算立てて撮ったとおっしゃっていましたが、実際どんな感じだったんですか。

 計算だったとは知らなかったです。好きなものを並べていくうちに、気付いたら、安藤流計算式が出来ていたということなのかなという気がします。

森川葵

圧倒的な芝居を生んだ背景

――本作では「静」と「動」がはっきりと描かれていますが、森川さん演じた“恋人”も感情を吐き出したり、感情自体がない無機質な瞬間もありました。特に友人Aが亡くなった後のシーンは印象的で、どのように演じられたのですか。

 セリフがあるのが、唯一あのシーンぐらいでしたし、ずっと物語があってのあそこのシーンではないので、鍵になってくるとは思っていましたが、結構難しいシーンでした。

――数分のシーンでしたが、想像を超える圧倒的な芝居をされていて、特に主人公と争うシーンはどういう精神状態だったのか、覚えていないぐらい入り込んでいたのか気になりまして。

 記憶はあります。安藤さんが横で見ていて、このシーンを重要だと思っているのは何となく分かっていましたので、安藤さんがこの芝居を見た時に喜んでくれたらいいなと思っていました。安藤さんはこだわりの強い方だと思うので、他の女優さんにすれば良かったとか、俺がやった方が良かったとかって思われたくない気持ちが一番強かったです。安藤さんにこのシーンを見せることで、葵にして良かった、俺監督出来て良かったと思ってもらえるようなシーンにしたいという一心で演じていました。

――それはどの作品にもあるとは思いますが、今回は特に強く出たということですか。

 安藤さんが楽しみにしているとか、楽しんで撮っているというのがすごく伝わってきていたので、監督にさらに気持ち良く撮ってもらいたいという思いがいつもより強くありました。

――それと過呼吸みたいになるシーンもありますが、それもリアルで。

 そうした細かいところに気付いてもらえるのはすごく嬉しいです。ただ、その時にどういう感情で、どういうことを思いながら芝居をしていたのか、ここで過呼吸みたいにしてみようと考えている状態ではなく、流れに身を任せ、山田さんの空気感と一緒にやり合っていた感じでした。なぜこういう状態になったのかを、観て下さった方に考えてもらえることが一番大事だと思っていて、その感想をお聞きし、良い結果になっていると安心しました。

――役者としての生き様や力量があの数分に凝縮されているような気もします。

 安藤さんが初めて監督を務めた作品でそうしたお芝居を見せられたのは、すごく幸せな事かもしれないです。

森川葵

山田孝之の緩急に圧倒

――山田さんはいかがでしたか。

 思っていたよりもすごく静かな方で、色々と話をしたり、現場で調整とかを重ねていく人なのかと思っていましたら、意外と自分の中で整理して、自分の中でこういう事だっていうことを作っていらして。安藤さんとの信頼関係があるからこその今回の現場でのやり方だったのかは分からないんですけど、実際にこのシーンの前にこういう事があって、このシーンの後はきっとこういう事をするだろうみたいなことをすごく深く考えてらっしゃって、脚本の部分だけじゃないところで山田さんの解釈でいろんな噛み砕き方をされ、あとは考えてきたことを現場でやるだけだっていう感じの方なんだなって思いました。他の現場ではどうか分からないんですけど、役もあってなのか、すごく静かな方だなという印象でした。

――芝居で対峙していかがでしたか。

 周りからの評判で「山田さんは、本当に圧倒されて対抗できないくらいやりにかかってくるから、こっちもそれぐらいの気持ちでやらないと、やられるよ」と聞いていました。ですが、今回はどちらかというとずっと静かにしていらして、急にガンって返ってくるみたいな感じでした。静かだったのに「ヤバイ襲われる」みたいな、緩急がすごくて圧倒されました。

――完成したものを観てもそれは出ていますか。

 出ています。静かな怖さというか、静かだから恐ろしいという感じでした。

――森川さんも静かな怖さがあります。内に秘めているものがあるような気がして。話しているとそうではないんですけど。

 黙っていると、そう見えるのかもしれないです(笑)

――役者としてはいい事ですね。安藤さんは森川さんにやっていただいて良かったとおっしゃっていました。

 安藤さんはいっぱい褒めてくださるんです。「本当に最高だったよ、葵で良かったよ」とか、素直にそういう言葉をおっしゃって下さるんです。なかなかそういう気持ちとかを素直に表現して下さる方っていないですよね。やっぱり恥じらいもあるので、言いにくいというか、あまり聞けないんですけど、本当に安藤さんは「今の良かったよ」とおっしゃるので、それがすごく嬉しかったです。安藤さんに言われるからさらに「やった!」っていう気持ちになりました(笑)

――この作品の体験はご自身にとってどういうものになりましたか。

 誇れます。あの山田孝之さんと一緒にお芝居して、あの安藤政信さんの監督一本目の作品に出たというのは、本当に誇れるものに出演させていただけたなって自信をもって言えます。

森川葵

(おわり)

ヘアメイク:石川奈緒記
スタイリスト:平田雅子

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