INTERVIEW

結木滉星

今すごくやり甲斐を感じている。
様々な体験を経て臨んだ『主夫メゾン』


記者:木村武雄

写真:木村武雄

掲載:21年03月12日

読了時間:約7分

 結木滉星がドラマ『主夫メゾン』に出演。動画プラットフォーム「TELASA(テラサ)」初のオリジナルドラマで、『仮面ライダーシリーズ』や『スーパー戦隊シリーズ』などテレビ朝日特撮枠経験者の、稲葉友、奥野壮、磯村勇斗、瀬戸利樹と共に「主夫」を演じている。

等身大の役柄、特撮出身者に親近感

 ある作品の舞台挨拶で結木滉星はにこやかに共演者とトークを繰り広げていた。その楽しさは観客にも伝播し、場内は温かい雰囲気で満たされていた。

 「僕は無邪気ですよ。楽しい事が好きだし、はしゃぐタイプです」

 そう語り、笑う。

 現在配信中の『主夫メゾン』で、家事に奮闘する主夫・神谷リクを好演。無邪気さもあり優しさもある、そんなリクはまさに等身大と言えるだろう。

 「リクは楽しそうだからと軽いノリで主夫になります。僕も何かを決めるときは損得勘定を考えずに、楽しさや面白そうと思ったら考える前に行動するタイプなのでその部分は似ていると思います」

 ただ、『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』(朝加圭一郎/パトレン1号)、映画『下忍 青い影』(尚)で見せた迫力のあるアクションとは異なり、家庭的な「主夫」役だ。演じるのはもちろん初めて。

 「僕も夫婦を演じる年になったんだなと思いました(笑)。でもまだ感情的になったり、子供の部分は僕にはまだありますけどね」とおどける。

 舞台は、専業主夫家庭限定のマンション「メゾン・ド・オット」。リクがそこで出会うのは、個性あふれるワケあり主夫で、演じるのは、稲葉友、奥野壮、磯村勇斗、瀬戸利樹のテレビ朝日特撮枠経験者だ。彼らとは初共演だが、同じ特撮出身者として親近感があったという。

 「撮影が楽しみでした。実際にお会いしたら皆さん気さくで個性も豊か。それが役にも反映されて、魅力的な夫婦がいるマンションになったと思います」

 ドラマは、リクは全話に登場するが、それぞれの主夫にスポットを当てたオムニバス形式で物語が進行する。

 「リクは先輩主夫たちに色々と教えてもらったり、話を聞く立場でしたので、受け取る芝居が多かったです。皆さん、作り込んで良い主夫を演じられていたので、身をゆだねる感じでやりやすかったです」

 主夫の共演シーンはサウナが中心となる。それぞれ悩みを抱える主夫がリフレッシュに訪れるのがマンションに備え付けてあるサウナで、いわば憩いの場だ。

 「サウナのシーンは一日で撮ったんですよ。朝から晩まで僕がいて、サウナの主みたいになっていました(笑)。そこに他の共演者が入れ替わりで入ってくるので、『あれ?どのシーンを撮っているんだっけ?』と迷うところもありました(笑)。この5人で揃う事はこの先あまりないと思いますし、貴重だと思います」

結木滉星

ナチュラルな芝居の方が難しい

 主夫として奮闘する姿も見どころだが、男女の役割が逆転したことで結婚生活にありがちな悩みやトラブル、男女それぞれの人生観を浮き彫りになる家庭内のシーンも重要だ。

 「夫婦がどれだけ言い合って喧嘩しても、2人で乗り越えられる気持ちがあれば、絶対上手くいくと思います。共働きで一緒に分担して補い合っていくというのは素敵な形だと思います」

 リクの妻・一果を演じているのは矢作穂香。結木は共演をこう振り返る。

 「二人の関係性は大事だと思い、夫婦の距離感を意識しました。矢作さんは芯があって、しっかりものの奥さんをやってくれましたので、僕はそれを受け入れて、応えていくような感じでした」

 その一果は、寛大なリクに甘えている部分が随所に見られる。

 「リクは無邪気で可愛い部分もあるけど、精神年齢は大人だと思っていて、見習いたいと思いました。感情的にならずに一歩引いて飲み込んで、相手の気持ちを考えてから発言出来るタイプでもあって、大人だと思いました」

 等身大だが、自身とは異なるところもある。そして、演じるのに難しく思うところもあった。それは「ナチュラル」さだ。

 「これまで個性的でキャラクター性の強い役を演じることが多かったのですが、今回のリクは色がついていないというか、良い意味でナチュラル。作り込み過ぎずにやろうと思いました。感情的な役の方が動作で分かりやすく表現することができるので演じやすいんです。リクのようなナチュラルな芝居の方が難しくて、新鮮でした」

 そのナチュラルな役柄を、結木は自分のものにした。それが自然に出来たのは、あるドラマでの経験が影響しているように思える。

主夫を演じる結木滉星(C)テレビ朝日・MMJ

危険なビーナスでの学び

 TBS日曜劇場『危険なビーナス』で矢神家の使用人・君津光を演じた。のちに重要人物であることが明らかになるがそれまでは使用人として淡々と立ち振る舞うミステリアスさが求められた。存在感が極度に表れても、ゼロになってもならない難しい役どころだった。

 「周りがすごい方ばかりなので、何もしなかったら埋もれてしまうと思い、その部分を考えて演じました。共演者がすごい方ばかりなので、僕が強く意識してお芝居をしようと思わなくても、現場にはドラマの世界が広がり、緊張感も出来上がっていました。すごい空間でした」

 凄腕の共演者が作り上げる現場の雰囲気に自然と君津というキャラクターが作り上げられていったという。とはいえ、それを表現したのは紛れもなく結木自身だ。

 「勉強になることが多かったです。戸田(恵子)さんにはプロフェッショナルさを感じましたし、妻夫木(聡)さんの現場での立ち振る舞い方はカッコ良いと思いました。今すぐ出来るとは思っていないけど、主演を務める時にはみんなについてきてもらえるような役者になりたいです」

結木滉星

今は充実している

 芝居を間近で学んだ『危険なビーナス』。一方、役者としての心構えに大きく影響を与えたのはコロナだった。

 「コロナ禍で仕事が無くなった時期もありました。仕事の有難みが一層強くなりました。仕事への向き合い方も変りました。頂いているお仕事に真摯に向き合って次に繋げていけるよう結果を出していこうという思いで色んな役に挑戦していきたいと思っています」

 役者として目指しているのは、唯一無二の存在。

 「僕がやらなくても良かったんじゃないかと思われることが一番嫌です。結木滉星にしか出せない色というのが絶対あると思います」

 その個性のなかには「声」もある。

 「声も特徴だと思っていて、その声を活かして、僕にしか出来ない役を作っていきたいなと思っています。声というのは絶対に一つのアクセントにはなるので今後も活かしていきたいと思います」

 様々な考えを経て今、演じることへの思いを強くしている。

 「大学に入ってから役者を本格的に始めました。実はこれまで波がありました。芝居が楽しいと思う時がある一方で、何をやっても上手くいかなくてへこんで負のスパイラルに陥る時もありました。色んな感情がある中で、今はすごくやり甲斐を感じていて、純粋にお芝居が楽しいと思えています。それを持続させて色んな役をモノにしていけたらいいなと思います」

 役者としてのビジョン、そして様々な現場での経験を経て迎えた本作。一皮むけた彼が演じるリクはどのようなものになっているのか。第1話は無料で配信中。第4話は3月12日正午配信スタート。

結木滉星

(おわり)

取材・撮影 木村武雄
衣装 IN‘CREWSIVE

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