STU48連載企画
〜こんな時代こそ、アイドルが必要だ。〜

岡田奈々


記者:木村武雄

掲載:21年01月30日

読了時間:約10分

 STU48が2月17日に6thシングル「独り言で語るくらいなら」を発売する。穏やかな大海原を爽やかな風を帆に受け、ゆっくりと進んできた彼女たち。更なる活躍が期待される今年は日本武道館公演も実現させ、いよいよ彼女たちが先頭を切る大航海時代の幕開けを感じさせる。その最初のシングルで示すのはこれまでの雰囲気とは異なる楽曲だ。選抜メンバー16人はどのような思いで臨んだのか。16人全員のインタビューを16日間連載する。

武道館公演では生誕祭も行われた。メンバー、そしてファンの祝福に涙する岡田奈々

◆岡田奈々
 グループ発足の時に兼任が決まった。1期生最終オーディションに審査員として参加。以降は、キャプテンとして3年間、牽引してきた。

 「右も左もわからないメンバーの皆を導けるよう、良い背中を見せられるよう、精一杯活動してきたのですが、皆があっという間に成長して今では私が皆に甘えている感じです」

 昨年1月に、今村美月にキャプテンを引き継いだ。

 「キャプテンだと気負い過ぎてしまうところもあって、、、瀬戸内になかなか行けない状況に対してもキャプテンでいる事へのもどかしさがあり、辛く感じていました。結果的にコロナ禍になる前に継承できて良かったと思います。今村美月ちゃんは、キャプテンになってから生き生きしているように見えます。役割に向かって真っすぐ進めるタイプなので良かったと思います」

 いちメンバーになった今、役割は「メンバーが困ったときのお助け役ですかね(笑)相談に乗ったり、ちょっとしたことでも話を聞いたり、STU48のスタッフさんに直接言えないようなことを私が代弁したり…皆の守り隊です!」

 そんな岡田にとってSTU48は「初心を思い出させてくれる大切な場所」。

 「活動するたびに若返っていくような…心が浄化されていくような…そんなグループです。STU48が無かったら今の私は無いので、本当に感謝しています。兼任ということもありなかなか一緒に活動出来ないことも多いですが1つ1つが濃密で有意義な時間です。メンバーの皆の成長を近くで感じられて幸せです」

 過去にSTU48のメンバーとしている時はどんな心境かと聞いたことがある。

 「純粋に楽しめるというか、ピュアな心になれるというか。子供になった気持ちです」

 ピュアになれる――。それは岡田にとって大切なものだ。

 AKB48加入後、14期生の「三銃士」の一人として将来を期待された。しかし、仕事へのプレッシャーや責任感から無理が生じ自己嫌悪に陥った。ストレスから「機能性低血糖症」を患い2016年に数週間休養した。

 「AKB48として4年間やってきて、なんだか行き詰まった気がしていました。精神的にもこの先、前に進めるのだろうかと思っていた時に、新しいグループに携われるということが新鮮に思えて、この4年間やってきたことがSTU48のための力になれるのであればやり甲斐があると思いました。自分の存在意義を改めて感じてときめきました」

 様々な事を経験すれば、それが経験値として蓄積され、あらゆることを冷静に対応できるようになる。その分、新鮮さは薄らいでいく。

 「加入してから9年近く続けていても一つ一つが新鮮でいられるのはSTU48のお陰です」

 様々なことがピュアで新鮮だ。過去にはこんなこともあった。

 「甲斐心愛ちゃんが反抗期と思春期を迎えて私に『嫌い!』『近寄らないで!』と拒絶される期間があったんですけど(笑)メンバーがメンバーに対して、反抗期を迎えることってあるんだなってビックリしました。1年くらいそれが続いてある日突然、本心を書いたお手紙をくれて。そこから仲直りして今ではラブラブです!本当に大好きで娘のように可愛いです。」

 微笑ましいエピソードだが、そんな岡田には大切にしていることがある。個性は「良くも悪くもアイドルっぽくない人間らしさ」

 「常に笑顔をたやさず 弱音を吐かず、光だけを見せ続けるのが完璧なアイドルだと思いますが、私はあえて自分の弱いところも隠すことなく、全部本音でファンの方と向き合っています。アイドルもファンの方も同じ人間なので、お互いの弱さを受け止め合う、支え合いの精神です」

 昨年は、AKB48がNHK紅白歌合戦出場を逃した。

 「最初はショックかも分からなくて…。AKB48に加入した時には毎回出場させて頂いて、私も研究生ながら先輩の後ろに付いて出せて頂いていました。先輩が築き上げたものですので、後輩みんな自分たちの力で出られているとは思っていませんでした。そうしたこともあって出られないことの大きさに気づくのに時間がかかり、ようやく『今の自分たちじゃ出られないんだ、今の自分たちは何も残せていないんだ』と気づきました」

 だが、変われるチャンスでもある。

 「AKB48はいろんな活動をしてきました。一つ一つの活動が当たり前とは思っていませんでしたが、昔は忙しさに追われて大変だと思う自分もいました。でもコロナ禍で思うように活動ができなくなってしまった時に、今まで与えられてきたものは本当に恵まれていたことに気づきました。与えて頂いたものに対してもっと真剣に向き合えていたら現状は違ったのかなと思います。ひとり一人の意識が変わればきっと大きい舞台も目指せると思いますので、一つの良いきっかけになったのではないかなと思います」

 STU48もNHK紅白歌合戦への初出場を目標に掲げている。築き上げたものがあるAKB48に対して、STU48は一から作り上げている。48グループなどのサポートもあるが、初めから用意されているわけでもない。自分達で切り開いていかなければならない。

 「発足時から携わらせて頂いているので、レコード大賞(第60回日本レコード大賞)で新人賞を受賞し『暗闇』を披露させて頂いた時もAKB48の時とは全く違う感覚がありました。一から築き上げたものだから全て自分たちに掛かっています。もちろん周りのスタッフさんのおかげというのもありますが、自分達が作ってきたという自覚があるから一つ一つの仕事に対する緊張感はあります」

 そんな岡田が、今年の目標に挙げたのは「STU48でリクエストアワー」。自分達で作り上げるリクアワ。どのようなものになるのか、期待が膨らむ。

こんな時代だからこそ「アイドル」としてできることは何か。

 人と人が触れることが出来ない環境はこれまでの人生の中でなかったことなので、どうしたらいいのか悩んでいます。そのなかでも試行錯誤しながらイベントなどをやらせて頂いていますが、ファンの方はいろんな思いを我慢して下さっていると思います。その分、私たちもファンの方の心が明るくなるようなパフォーマンスや何かをお届けしないといけない。アイドルという存在は、見ていて元気になれる、笑顔になられるものだと思います。それはコロナ禍でも変わらずにいたいです。

写真のエピソード

新年最初の写真(岡田奈々・提供写真)

 年明け後すぐ歌番組に出演させていただきました!その時に撮った今年初写真です!

6thシングル「独り言で語るくらいなら」インタビュー

――新曲の印象と、それをどう捉え、臨みましたか。または自身と重ねた点があるとしたら?

 壮大な物語が始まりそうなメロディーだと感じました。そして、STU48の未来を明るくするには自分たち次第だなとも感じました。MVではダンスシーンに気合いを入れて、足が痛くてもめげずに踊り切りました。

――そのなかで印象に残っている歌詞は?

 「現実に僕は立ち向かおう その全てを受け入れて」

 真っ直ぐな詩に惹かれました。

――レコーディングの秘話、自身が担当した歌唱パートはいかがでしたか。

 はじめは力強く歌っていたのですが、スタッフさんにアドバイスされて自分の中の6割くらいの勢いで歌いました。力強く歌うよりも、力を抜いたほうが詩が引き立つし壮大な雰囲気に合うんだ!と新たな発見でした。今までレコーディングするときに120%で歌い切る、全力で思いを込めて歌うことが当たり前だと思っていたので、今後の歌唱にも活かしていきたいと思います。それと、今村美月ちゃんと2人のパートが多くて新旧キャプテンコンビが嬉しかったです。

――振付はどうでしたか。

 難しかったです!すぐ筋肉痛になりました…。3拍子のリズムで踊ることがあまり無いのでそのリズムに慣れるまで時間がかかりました。独特な振り付けなので印象に残りやすいと思います。

――MVの撮影はどうでしたか?

 とにかくたくさん踊りました。撮った映像を初めてチェックしたとき、その世界観に感動して過去1番幻想的で美しいMVになるだろうなと完成が楽しみになりました。

――この楽曲に、MVに、歌詞に、これまでのSTU48にないものがあるとしたら?

 強さ。ですかね…。

 曲にあるメッセージ性が現実を突きつけているような気がします。それは秋元先生の想いなのか、それぞれの解釈がありますが、私は行動に移さないと前に進めないと受け取りました。STU48には言動に移して頑張る子がいっぱいいますので、そういう意味での強い子なのかもしれません。千穂にセンターが変わったという“変化”にも一人一人が向き合って努力しています。そういう強さもこの曲で表現したのかもしれません。

――ご自身にとってこの曲はどういうものになりそうですか?

 行動を起こしたい時、あと一歩の勇気が出ない時、背中を押してくれるものになりそうです。

 ◇

武道館のステージで熱唱する岡田奈々

 2021年1月15日、STU48初の日本武道館コンサートが行われた。憧れのステージでアンコールを含め全22曲を披露した。夢舞台に立ったのは1期生・ドラフト3期生。そして、6thシングルの選抜に入った2期研修生、原田清花、高雄さやかが一部参加した。

――日本武道館コンサートを振り返っていかがですか。

 最高でした! 私としては研究生武道館(『AKB48グループ研究生コンサート ~推しメン早い者勝ち~』、2013年6月5日)以来。当時の記憶は、加入して1年も経っていないし、頭が真っ白で右も左も分からないまま一生懸命にやっていたのであまりないんです。でもこうして大人になり色んなステージを経てまたこのステージに立てたのは嬉しいです。しかも、グループの発足から携わっているSTU48がこの舞台に立てたことが、もうこんなところまで成長して大きくなったんだと親心が湧いてきてすごく嬉しい気持ちでした。2期研究生の高雄さやかちゃん、原田清花ちゃんもあの頃の私と同じ感覚で緊張していたと思います。でもすごく頑張ってくれました。

 アンコールでは私の生誕祭をひらいてくださいました。まさかケーキやお花、横断幕が用意されているとは思ってもいなかったので感謝の気持ちでいっぱいです。終演後には全員で挨拶した後に石田千穂ちゃんと残ってもう一度挨拶しました。あれは偶然だったんですよ。今までのライブでも最後の最後にもう1回締めたいというのが自分のなかにあって、たまたま目の前にいたのが石田千穂ちゃん。新しいシングルのセンターですし、引っ張ってくれているメンバーなのでこれは一緒に挨拶したいなと。身勝手にやらせて頂きましたが、偶然だけど運命じゃないかと思うぐらいでした。

 今回の武道館で、メンバー一人一人がきっとこれで終わりではない、もっと先の大きな夢を見て頑張ろうと思っていると思います。ここに立てたからと満足するのではなくて、この先のライブやイベントを一つ一つ丁寧に一生懸命にやってもっともっと大きなグループになっていきたいです。

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