「不甲斐なさに泣いたことも」柳ゆり菜、役の中に探し続けている「らしさ」
INTERVIEW

「不甲斐なさに泣いたことも」柳ゆり菜、役の中に探し続けている「らしさ」


記者:木村武雄

撮影:

掲載:19年10月11日

読了時間:約10分

こじらせるほうが人間的な魅力

――売れない時などつらい時もあった、という話もありましたが、柳さんはつらい時をどう乗り越えていますか?

 行動を変えるようにしています。父に言われたことがあって「うまくいかない時は神様が間違っているよ、と知らせている」と。何か自分の行動を変えれば、違う方向に行く、それが良くとも悪くとも今のままでなくなる、と思うんです。なので、実際できることとして、朝起きる時間を変えてみたり、食べる量が変えてみたり、些細なことも極端なことも行動をとってみるようにしています。そうすると思考回路も変わって、流れが変わることもあって。その時期その時期によってその人の行動リズムがあると思うので、それを変えることが私のやり方ですね。

――本作のイベントで「私はこじらせタイプ」と言っていました。

 そうですね(笑)。真っすぐに努力して前に進めたらいいですけど、人間って感情がありますからなかなかうまくはいかない。そういう悔しさや怒りなど屈折した感情になる。私も頑張ったけどまっすぐに進めなかった時期もありますし、誰かのせいにしたいと思った時期もあった。近道のつもりが遠回りしていた時も。私に限らずどなたにもそういう時期は絶対にあると思いますし、今は、それがあったからこそ見えてくるところもあると思えているので、こじらせた方がいいんじゃないかなと思います。もちろんハッピーの方がいいけど、逆に自分がやるべきことが見えているし、つらいけど芸能の肥やしと思って頑張っています。

 私にとって「こじらせてる」は褒め言葉なんですよ(笑)。役者をやっているから、ということもあるかもしれないけど、スムーズにうまくいくよりかは、不器用に感情をこじらせて生きている人の方が魅力的だなと思います。人間くさい人の方がいい。この作品も軸が人間くさい。だから主人公の周りにいる人もダメな感じの男。私を含めファンタージに飛んでいるキャラクターもいるけど、監督も含め人間くさい。私はそういうところも含めてこの作品が好きです。

――柳さんはドラマや映画への出演が続いていて、今は充実しているように見えます。

 「充実」はいつまで経ってもしないと思います(笑)。「充実しているのかな」とか、ずっといろんなことを考えながら進んでいくと思います。

――理想の女優像は?

 名前が書いてあるだけで「見たいな」と思ってもらえるような女優さんになりたいです。私自身も、その人が出ている、作っているからから見たくなる、という俳優さんや監督さんはいますし、やっぱり映画などは人が作るものだから、「この人は面白い、この人が出ているから面白い」と思って頂けるような女優としての信頼を得たいです。

――そうなると個性も大事ですね。演じるキャラクターに自分のカラーが自然と出るような雰囲気や演技が求められます。

 そうです。私も常に、台本のなかでどこに自分が投影できるのか、自分らしさがだせるのか毎回探します。でもなかなかそれを現場で体現するのはそう簡単なことではなくて、自分の不甲斐なさに泣きながら帰ることもあります。でもどこで、何がきっかけで新しい自分に出会えるかは分かりませんから、毎回しっかりと演じていこうと思っています。

柳ゆり菜

柳ゆり菜

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柳ゆり菜
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場面写真(C)2018映画『東京アディオス』製作委員会

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