「不甲斐なさに泣いたことも」柳ゆり菜、役の中に探し続けている「らしさ」
INTERVIEW

「不甲斐なさに泣いたことも」柳ゆり菜、役の中に探し続けている「らしさ」


記者:木村武雄

撮影:

掲載:19年10月11日

読了時間:約10分

それぞれにあった生き方

――撮影現場はどうでしたか? 普段と異なることは?

 逆に横須賀さんが映画の世界に来たという印象なので、ほかの現場との違いはありませんでした。大真面目に撮っていましたよ(笑)。

――撮った後と撮る前とでは芸人さんへの印象は変わりましたか?

 もともと芸人さんへのリスペクトがありました。バラエティに出させて頂いた時もたくさん助けて頂きました。面白いことを言うのはとても難しいですから。直近で出させて頂いたドラマも芸人の役で、やってみてさらにその難しさが身にしみて分かって。

 地下で活動することやテレビに出て人気になるというのは、芸人の世界だけの話じゃなく、お芝居の世界でもあると思います。小さい劇場ばかり出て、地上波には出られない、とか、どこか繋がるなと。悶々とするというか、全然売れないし、生活もつらいけど、それでも好きだし、そこに対する創作欲は止められないから、ずっといい歳まで苦しみながらやっているというのは似ていると思う。私自身も苦しい時期はありました。「今調子いいな」と思っていても明日になったら分からない世界ですから。なので、改めてこの作品を観て「私もこの活動を続けたいな」という気持ちになりました。

 どの生き方が正解ということではないと思うんです。「ちゃんと安定した職に就きなさい」「固定給をもらいなさい」「人に顔向けできる仕事をしなさい」とか。でも、それぞれの人生にあった生き方というのがきっとあると思います。何が正しくて何が正しくない、という枠で決めてしまうと窮屈になると思うし、「そういう生き方は面白くないじゃん」と監督は思っていると思うので、ぜひ窮屈な固定概念で凝り固まっている人に見てもらいたいですね。

――横須賀さんから感じたことは?

 芸人さんって本当に演技が上手なんです。それは以前からずっと思っていて、経験がなくてもスッと入れる。きっとスイッチを持っているんだろうと思います。人を笑わせる、楽しませる、というのが芸人さんですけど、コントでも漫才でも、ネタを自分達で考えてそれをステージ上で演じる。ステージで演じて笑いを取る作業をずっとやってきている方々だから、結果から過程を結びつけることができると思うんです。目的がしっかりしている。撮影していてもこれがどう映っているか、完成したときにどういうシーンになっているかを想像できていると思うんです。今回の作品には横須賀さんなど芸人さんがたくさん出られていますが、役にすっと入れたのはたぶん常にそういう思考回路でやってきたからだと思います。尊敬しています。

場面写真。横須賀歌麻呂(C)2018映画『東京アディオス』製作委員会

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柳ゆり菜
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場面写真(C)2018映画『東京アディオス』製作委員会

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