BURNOUT SYNDROMES、密着取材で垣間見えたそれぞれの意識の変化
INTERVIEW

BURNOUT SYNDROMES、密着取材で垣間見えたそれぞれの意識の変化


記者:村上順一

撮影:

掲載:19年04月05日

読了時間:約15分

熊谷の変化

ツアーリハーサルのもよう

 このライブから遡ること約1カ月前。記者はツアーの最終リハーサルを取材した。熊谷は「完璧を求めてしまって今まで純粋にライブを楽しめたことがなかったんです。でも前回のツアーの映像を観て、『このバンドカッコいいな』と思えて、そこから少しずつ楽しみになってきました」と、普段はあまり見てこなかったライブ映像で感覚が変わったという。さらにダメ押しで「今まで自分が抱えていた違和感や矛盾、闇をアルバム『明星』で出し切れました。すごくスッキリしているのでライブが楽しみなんです」と、完璧を求めるよりも、その相乗効果でライブが楽しめるようになったと明かした。それが先のライブに表れていたということになる。

 曲を作るのが熊谷であれば、ライブを構築するのは石川だ。熊谷の意思を読み取り、それをライブとして形にしていく。この14年間で自然と話し合わなくてもテーマなどは擦りあっていく理想的なスタイルが出来上がっているという。

 熊谷にとってはこのアルバムは転機とも言える。理想を形に出来たからだ。アルバムが完成した時に熊谷の意識は変わった。そして、それはおのずと石川に反映されていく。右脳と左脳の関係性に近いのかもしれない。

 そうした変化は本人だけでなく、関係者も感じている。デビュー前から3人の演奏を見てきた、バンドのサウンドを支えるPAの安藤氏、そして、楽器テックの阿部氏は彼らの成長の様子をこう語った。

 「5年前と比べると熊ちゃんが楽しくライブをやるようになったと感じています。以前は音楽、ライブに対して外から見ると悩んでいる様子もありました」。徐々にライブへの向き合い方が変わり、今では180度変わった、阿部氏は「すごくタフになりましたね」と熊谷のメンタル面での変化が大きいと話す。

 理想の曲が出来たことにより、熊谷にライブを楽しむ余裕が生まれた。その変化がバンドに与える影響は大きい。

石川の思い

ツアーリハーサルのもよう

 このライブイメージの一片には名作映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の影響もあるという。これを考えた石川は、ライブの評価基準として減点方式を取り入れているという。

 彼によれば、ライブは120点を目指し、最終的に100点を取る。それはどうしても本番で20点は落ちてしまうと考えているからだという。それは並大抵のことではないが、普段から計算しながら物事を考える石川らしいスタイル。

 その石川は昨年、MCカワタイとして「商売繁盛」というラップナンバーを作詞・作曲。それを作ったことによって、より熊谷の大変さがわかったという。それもありセットリストの考え方にも変化があったようだ。

 音源とライブでパラレルワールドを表現したかったと話す。それはセットリストを見ても明確で、季節にあわせ選曲した「燃え尽きメドレー」など過去曲で構成した、アルバムとはまた違ったライブならではの魅せ方、セクションを作りあげていたのが印象的だった。

廣瀬の変化

ツアーリハーサルのもよう

 廣瀬は今回、今までよりもしっかりと作り上げられた世界観もあって、それによって余裕も生まれた。「ほどよい緊張感の中、ツアーでは熱い中にも冷静な自分がいる、良いバランス感覚でライブが出来ています。気持ちの切り替えが上手くできるようになりました」と自身を分析。

 本ツアーでのアンケートを見ると初めてのお客さんも多かったという。「それは演奏しながら、みんなの表情などで気づきました」と、実際のことと感じていることがマッチしてきている、それは俯瞰して全体を見られている証拠だろう。

 さらに開場から本番までの待ち時間も楽しめるように特設サイトも廣瀬が制作。お客さんの様々な声を聞き、それらをしっかりとフィードバックした結果、音楽だけではなく最初から最後まで楽しめる要素を盛り込んだ。

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