『あの夏のルカ』(C)2021 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

 『トイ・ストーリー』の“おもちゃたちの秘密と友情”、『モンスターズ・インク』の“モンスターたちの秘密と友情”、『リメンバー・ミー』の“家族の秘密と絆”など、数々の驚きと感動的な物語を観客に贈り届けてきたディズニー&ピクサー。そんな彼らの最新作は、シーモンスターの2人の少年の“最高の夏”を描く『あの夏のルカ』。

 ピクサーはこれまで数多くの感動作を贈り出してきたが、世界中の観客が共感し、物語に感動させる裏には“徹底的なリサーチ”へのこだわりがある。新型コロナウイルスのパンデミック前に制作チームでイタリアへリサーチトリップしたことを明かした本作の監督エンリコ・カサローザは「観た人がその場所にいるような感覚になることを目指している」と語るように、物語によりリアリティを生み出すため、キャラクターたちが活躍する舞台を描く前に“徹底的なリサーチ”を行っているのだ。

『リメンバー・ミー』ディズニープラスで配信中
(C)2021 Disney/Pixar

 2018年に公開された『リメンバー・ミー』は、心にしみる歌とカラフルで綺麗な世界観で紡がれる物語に多くの観客が感動したが、本作ではメキシコの3つのスポットが舞台とされており、文化や伝統を尊重する内容が丁寧に描かれた。監督のリー・アンクリッチは作品に対して“信憑性を持たせること”が大事だと語っており、アニメーションはファンタジーでありフィクションだからこそ観る人が“置いてきぼり”にならないように細部のリアリティにこだわっていたことを明かしている。そのため制作チームは実際にメキシコへリサーチトリップに何度も行っており、映画を作る前にはまだ知らなかった伝統の深みや豊かさを知ることで、細かい部分まで忠実に映画に反映した。その結果観る人に実写では描くことのできないアニメーションならではの感動を与え、舞台となったメキシコでは歴代の興行収入1位を獲得し、アカデミー賞では長編アニメ映画賞と主題歌賞を受賞、また“アニメ界のアカデミー賞”と呼ばれるアニー賞では最多の11部門に輝く結果となった。

『カールじいさんの空飛ぶ家』ディズニープラスで配信中
(C)2021 Disney/Pixar

 『カールじいさんの空飛ぶ家』でも、作中の壮大な滝のシーンにリアリティを出すため、実際にベネズエラにあるロライマ山へ登頂するリサーチトリップを、『ファインディング・ドリー』ではアメリカのモントレーベイ水族館でスタッフしか入ることのできない展示の裏側までも徹底的にリサーチし、作中でドリーやニモたちが大冒険する魅力的な水族館を作り出した。

『ファインディング・ドリー』ディズニープラスで配信中
(C)2021 Disney/Pixar

 またアメリカで大人気のモータースポーツ統括団体である“NASCAR”が、より現実味を出すために監修として参加した『カーズ/クロスロード』では、制作チームがNASCAR の聖地であるアメリカのシャーロットまでリサーチトリップをし、カーレースに関する様々なアドバイスを受け作品に反映したことで、“もはや実写かと思ってしまう”という声が挙がるほどのカーレースを表現し話題となった。

『カーズ/クロスロード』ディズニープラスで配信中
(C)2021 Disney/Pixar

 『リメンバー・ミー』や『カールじいさんの空飛ぶ家』でストーリー・アーティストの経験もあるエンリコ監督が、夏の太陽が照り付ける北イタリアの港町を舞台に2人のシーモンスターの冒険と感動を描く『あの夏のルカ』でも、制作チームは監督の故郷でもあるイタリアへ2016年、2019年(新型コロナウイルスのパンデミック前)とリサーチトリップを重ねている。

 監督と一緒に参加したプロダクションデザイナーのダニエラは「イタリア料理をたくさん食べたり、海に潜ったり、いろんな場面で映画に入れたいデティールを記憶するためにスケッチしたりしました。海に潜ることは、この作品で描く地中海の独特な色味を理解するのに、とても大事なことでした」と語り、作中では街中にある看板、食べ物、人物の動きなどに舞台であるイタリアの港町が魅力的に描かれた。徹底的なリーチによってインスピレーションを受け描かれる舞台だからこそ観る人によりリアリティを感じさせ、実際にイタリアの夏を体験したような気分にさせる、そんな最新作となっている。シーモンスターのルカとアルベルトの冒険の舞台にも是非注目してほしい。

(C)2021 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

 第84回アカデミー賞短編アニメーション賞にノミネートされたピクサーの短編アニメーション『月と少年』を手掛け、アカデミー賞受賞作品『カールじいさんの空飛ぶ家』のストーリー・アーティストを始め、『リメンバー・ミー』『トイ・ストーリー4』など様々な作品に参加し、高い評価を得ているエンリコ・カサローザ監督。監督が「子供の頃に自分とは全く違う世界に住む少年と夏に出会ったんだ。その夏の思い出から、少年が大人へと成長する物語を作りたいと思ったんだ」と明かすように、自身の経験からインスピレー
ションを受け、大人の心をも揺さぶる物語となっている。

 『あの夏のルカ』は6月18日からディズニープラスで独占配信開始される。

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