シンガーソングライターのmajikoが4日にメジャー1stシングル「ひび割れた世界」をリリースした。タイトル曲は東海テレビ・フジテレビ系ドラマ『限界団地』(佐野史郎主演)の主題歌に起用され、映像のミステリアスな世界観を引き立てている。カップリングに収録された2楽曲も今のmajikoがどこを向いているかを感じ取れるものだった。3月のレーベル移籍後初ミニアルバム『AUBE』の発売以降、この新譜発売まで目まぐるしい活動を展開している彼女だが、新譜はもちろん「音楽はエフェクトだと思う」と生活の中の音楽や、癒しである猫についてまで語ってくれた。多忙の中でmajikoは何を思うのだろうか、話を聞いた。【取材=小池直也/撮影=冨田味我】

ドラマ主題歌で感じたこと

majiko(撮影=冨田味我)

——先日の新宿LOFTでおこなわれた『majiko presents acoustic live「ハツナツ夢物語 〜救世主、現ル〜」』はとても素敵でした。荒井岳史(the band apart)、ホリエアツシ(ストレイテナー)との共演も。

 ありがとうございます。私自身もとっても楽しかったですし、光栄でした。お客さんはお2人のファンの方が多かった気もしますよ。またやりたいですね。

——新作「ひび割れた世界」は東海テレビ・フジテレビ系ドラマ『限界団地』の主題歌に起用されましたが、オファーはどの様に?

 スタッフの方に「ドラマの主題歌に決定しました!」と最初に教えてもらったんです。オトナの土ドラという事で、同じ枠で放送していたユースケ・サンタマリアさん出演の『火の粉』(2016年)を観ていましたし、とても嬉しかったですね。驚きもありましたし。いずれできたらなと思ってはいたのですが、早くに叶いました。

 曲もドラマにピッタリだなと思いました。綺麗だけど、すごく不気味で、サイコパス感がある。『愛ゆえの狂気』というのがテーマだったんですけど、うまく形にできてよかったです。サビもそれをイメージして歌っています。本当にドラマの為の1曲になりました。

——リード曲は先日の荒井さんやホリエさんの様な関係性ではない、小倉しんこうさんからの楽曲提供ですね。その辺はいかがでしょうか。

 作家さんにタイアップありきで曲を書いてもらうというのは初めての経験でした。本当にプロだなと思う曲の仕上がりで、編曲の横山裕章さんも私の漠然とした要望をしっかり受け止めてアレンジしてくださって。例えばイントロの印象的なフレーズが小倉さんのデモの段階から入っていて「アレンジしてもそのまま残してほしい」と横山さんにお伝えしたり。

——実際に放送されたドラマもご覧になったとか。

 改めて自分の歌がテレビから流れるというのは慣れません(笑)。びっくりします。一番嬉しいのはファンのみんなも一緒に観てくれているということですね。同じ体験を同じ時間に共有しているが嬉しくて、ずっとTwitterを見ていました。ドラマは普段からHulu(動画配信サービス)やテレビでよく見ますが、『限界団地』は面白いです。演出もとにかく良いんですが、佐野史郎さんの迫真の演技が本当に素晴らしいです。最狂のおじいちゃん。

 お会いした時はすごい優しい方でした。役とは全然別人で俳優さんって本当にすごいなと。私の事を、主題歌を担当する前から知ってくださっていたんです。すごいびっくりしました。音楽が大好きみたいで、色々と音楽の話をしたり。「僕はmajikoさんが主題歌を歌ってくれて嬉しい」と話してくれて、こちらが本当に嬉しかったですね。

——自作されたという点では、カップリングの方が今のmajikoさんの世界観を感じさせるものだった様な気がしました。「パラノイア」もタイトルとは裏腹に明るい展開で。

 リード曲がリード曲なだけに頑張りました(笑)。作っていて楽しかったですね。ジャズ的な要素も入れたり、ブラスも初めて入れました。一緒にアレンジした、てっちゃん(木下哲)も手探りで。

 レコーディングではプレイヤーの方々が実際に色々意見をくださって「それでお願いします!」みたいな感じでしたよ。楽しいレコーディングでした。ブラスは「イントロでこういうのが入ったらな」と(デモで)不意にサックスの音を入れたら「そうしたら全部入れないとおかしいよね」という事で入れざるを得なくなったんです(笑)。

——歌詞もリズミカルで、<ぶん殴って終わらせてよ>という言葉にもしびれましたが、着想はどこから?

 ああいうジャズっぽい感じの曲が大好きなので、メロディに当てはめていった感じです。ただサビはとても難産だったんです。メロディもデモのものとは変わっていますし。歌詞もどうしよう、という感じでしたけど、やっとここに落ち着いて。

 <ぶん殴って終わらせてよ>という部分はどうしても入れたいなと思っていました。AメロとBメロだけを聴いているとすごく暗いんですけど、サビでは開き直って明るく攻めにいくというのが私としては新しいのかなと。前の私だったら暗い感じにしていたと思いますし。