ロックバンド9mm Parabellum Bulletのフロントマン・菅原卓郎が6月27日、東京・渋谷CLUB QUATTROで東名阪ソロツアー『菅原卓郎コンサートツアー 2018〜夜のメカニズム〜』の東京公演を開催。同ツアーは、13日に発売したコンセプトアルバム『今夜だけ俺を』を引っ提げ23日の愛知・名古屋CLUB QUATTRO公演から始まり、30日の大阪・味園ユニバース公演まで3公演をおこなうもの。アルバム収録曲はもちろん、「ルビーの指環」や「東京砂漠」など歌謡曲のカバーも披露。菅原が、いしわたり淳治の言葉を引用し歌謡曲について「感じたものをそっと収められる棚の様なもの」と語ったように、観客一人ひとりに心の棚の存在を改めて感じさせる、歌謡曲の魅力を再認識させるライブとなった。【取材=松尾模糊】

ただの豪華なカラオケではございません

 会場が暗転し、SEとともにバックバンドメンバーが登場し、スーツ姿の菅原が手拍子を煽りながら登場。ワウ(ギターエフェクター)の効いたギターサウンドが印象的な「今夜だけ俺を」でこの日のステージを開始。この日は、ギターに滝 善充(9mm Parabellum Bullet)、伊東真一(HINTO/SPARTA LOCALS)、為川裕也(folca)、ベースに壱(ゆーの)、ドラムスに渡部宏生(heaven in her arms)、そしてコーラスに椎葉央志というアルバムのレコーディングにも参加しているメンバーでステージを展開。

ステージの様子(撮影=西槇太一)

 菅原は「今宵はご来場ありがとうございます。これから起こることは、ただの豪華なカラオケではございません。ただ、平成最後のオルタナ歌謡曲集、6曲しか入ってません(笑)。それで今回はカバーをやろうと思いまして。(ソロ作の)作曲を手掛けた滝(善充)先生が作曲の為に、イメージソースとした曲が何曲かあるんですけど、その中から」と語り、寺尾聰の「ルビーの指環」のカバーを披露。

 そして、ギターリフから「ボタンにかけた指先が」を演奏。サビでは観客から手拍子が起き、会場のボルテージが上がる。さらに、久保田早紀の「異邦人」をロックテイストにカバー。さらに、3月にリリースされた、エレファントカシマシのトリビュートアルバム『カヴァーアルバム3〜A Tribute to The Elephant Kashimashi〜』でソロ名義で参加している楽曲「風に吹かれて」を披露し、観客も盛り上がる。

歌謡曲の定義

 ライブ中盤では、菅原がアコースティックギター1本の弾き語りスタイルでステージを展開。「ジュリー(沢田研二)は大好きなんですよ」と言う、菅原は「勝手にしやがれ」をカバー。

アコギで弾き語る菅原卓郎(撮影=西槇太一)

 さらに、内山田洋とクール・ファイブの「東京砂漠」を静かな歌い出しから、サビでテンポアップするというアレンジで届けた。菅原は「すごい曲ですよね。この曲はずっとコードが一緒なんですよ。こんなにドラマチックなのに…。そんな曲はチャットモンチーの『恋愛スピリッツ』くらいですよ」と楽曲を解説。

 井上陽水のライブを訪れたという、菅原は「ライブが前半と後半で別れていて、休憩明けに陽水さんが『ライブでとりわけ人気なのがこの休憩時間なんですよ』って言っていて(笑)。俺このままでいいんだなって」とレジェンドの気さくな雰囲気に感銘を受けた様子。そして、中島みゆきの「糸」を情感豊かに歌い上げた。

 ここからはバンドメンバーが戻り、菅原も「また盛り上がりましょうかね」と呼びかけ切ない女心を歌った「ドレスを脱がせて」を披露し、続けて安室奈美恵の「Don't wanna cry」をカバー。観客は手を挙げて大きな盛り上がりを見せた。

 さらに、9mmが栗山千明に提供した楽曲「ルーレットでくちづけを」をセルフカバー。滝がステージ前方でギターソロを披露し、歓声が上がった。菅原は「心にしみ込ませて帰って下さい」と呼びかけ、ミディアムナンバー「捨て台詞」で本編を終了。

 アンコールでは、菅原とバンドメンバーがTシャツ姿に着替え再び登場。菅原は「新作で作詞を担当してくれた、いしわたり淳治さんが歌謡曲の定義を『曲の世界観が棚のようになっていて、曲を聴いた人がその棚に感じたものをそっと収められるもの』と言っていて、俺もその通りだと思いました」と歌謡曲について述べた。

 最後は、9mmの「Black Market Blues」を披露し、観客も最高潮の盛り上がりを見せて大団円の中、ステージは幕を閉じた。