スタイリッシュなダンス&ボーカルで魅了する、田口 淳之介。今年1月から2月にかけて、ソロでは初となるワンマンツアー『JUNNOSUKE TAGUCHI LIVE TOUR 2018「DIMENSIONS」』をおこなった。その最終公演となった東京・Zepp Tokyo公演と、3月に台北で開催したファンミーティングの模様がライブBlu-ray/DVDとして6月6日にリリースされる。田口が「この一本を見たら今の田口 淳之介の表現が全てが分かると思う」と語ったことからも分かるように、ツアーの演出、構成、振付などは全て田口が主となって作り上げた。そんな彼に今回はそのライブを振り返ってもらった。会場の大きさで変わる演出やオープニングに懸ける思い、そして仕掛けなどなど。全てに携わる彼だからこそ話せるライブの裏側、そして思いはまさに目から鱗。その裏側を知ることでライブの醍醐味は一層増すことだろう。【取材=桂泉晴名/撮影=冨田味我】

ライブハウスはやる側からすると意外と大きい

田口 淳之介(撮影=冨田味我)

――ソロとして初のライブBlu-ray/DVD作品がリリースされます。

 ずっとツアーをやりたくて、やっとファーストツアーという形になりました。終わってから3カ月ぐらいになるので自分の中でもう区切りはついてはいるんです。でもこうやって Blu-ray/DVD化されることによって、残念ながら来られなかった方や、興味はあったけどライブに足を運べなかった方に、自分が今やっている活動やアーティストとしての表現について、この一本を見ていただけたらすべてわかるのではないかと思うので。こういう形になったことは非常にうれしいです。

――今回のツアーはどういうテーマを設定していましたか?

 根底にあったのは、「今の自分を見せていく」ことですね。また、ライブ制作をさかのぼればアルバム制作になるので。タイトル「DIMENSIONS」のとおり、自分自身いろいろな表情やカラーがあることを伝えられるライブにしたかったんです。今回全体の構成もブロックごとに分けてあって、ブロックによって「こういうこともやっているんだ」と純粋に見て理解できる、わかりやすい内容にしました。

――まず、オープニングの演出は大きなポイントですよね。田口さんのダイナミックなダンスがシルエットになって映し出され、迫力がありました。

 僕もほかのアーティストの方のライブを観に行って、一番気になるのはオープニングです。楽しみに待ってくださるお客さんのために、第一印象を強く与えたい、という部分はあって。今回はまず雨音から入り、雷の音と一緒にスタートしていくんですけれども、自分が嵐のようなものを経た上でこのステージに立っている、という表現をしたかったんです。そしてシルエットが浮かびあがる演出にしたのは、空間を大きく見せたかったから。すぐ生身で出てきたら、本当に等身大のままなので。もちろんそういう演出もあると思うんですけど、大きいシルエットに映したことによって、お客さんの期待もさらに一段階上まで上げることができたのかなと感じています。ギミック自体はすごく簡単でたいして手のこんだことはしていないんだけれど、そのフィルターを通した時に、登場までの期待感をあおりたいという思いはありました。

――前半はキラキラした複数のパネルを自在に使っています。

 今回のツアーは主にZeppでやりましたけれど、空間の性質上というか、やはり距離感を近くに感じる部分ではあったと思うんですね。熱気とかもダイレクトに伝わるし。ただ今回の「DIMENSIONS」に関しては、自分の中で少し近未来的な要素だったり、異次元、異空間のような表現にしようと考えて。幕が振り落とされた後も、パネルを使って宇宙にいるような浮遊感を演出したかったんです。これは『天空の城ラピュタ』の中で、ムスカがボックスに乗って直線的に移動していく、というところに着想を得ました。

――ライブハウスは距離が近いですが、そういった環境でステージを作るとき、どんなことに留意していますか?

 お客さんのイメージとしては、ライブハウスは「小さい」とか「狭い」と感じられるでしょうけれど、やっている側にとってはとても大きいんですよ。今回は素舞台でも良かったんですけど、パネルがあることによってしっかり遠近感が出せる。そして物体があることによって、そこに空間が存在していることがより明らかになる。だから空間を埋める演出に関しては、結構いろいろ考えてやりましたね。さすがにZeppサイズの会場でリハーサルできないので、実際行ってみて、「やっぱり大きいな」と思いました。

――いろいろなところから演出のアイデアを得ていると思うのですが、最近影響を受けたものはありますか?

 衣装に関しては、今回「GOEMON (feat.HIFANA&KIRA)」という楽曲の中で和柄の衣装を着ていますが、あれは実際、普通に洋物のトレンチコートの上に和柄の生地を買って縫い付けて、洋服っぽく作ったんです。このリメイクについては、それこそ紀里谷和明監督の『GOEMON』など和と洋が混在しているような雰囲気感を普段から見ていて、「ああ、いいな」と感じると、取り入れたりもしますね。

――ちなみに田口さんは思いついたものは頭で覚えているタイプですか? それとも書き留めるタイプですか?

 頭で覚えている感じですね。だから忘れちゃうものもあるし。でも忘れたら忘れただと思うんですよ。多分その時のものだったと思うし。本当に強く思っていることは、忘れないので。