今年4月にメジャーデビューしたレゲエシーン期待の星・寿君が23日、東京・代官山UNITで東名阪ツーマンツアー『not Alone tour〜一人じゃない〜』のツアーファイナル公演をおこなった。デビューシングル「一人じゃない」を引っさげて、12日の名古屋ではAK-69、19日の大阪ではHAN-KUN、23日の東京はAPOLLOとGuest SoundにRED SPIDERを招きおこなうというもの。レゲエの楽しさを存分に打ち出したツーマンは、お互いを高めあうかのように展開。寿君は7月18日にリリースされる1stアルバム『ニューレベ』から「あー夏休み」などを披露し、この日の雨を吹き飛ばす熱い空間を作り上げた。【取材=村上順一】

APOLLO

APOLLO(撮影=Real☆Shot MASATO)

 この日は雨模様。レゲエのイメージとは相反する天気だが、幅広い年齢層のオーディエンスの表情からはこれから始まるショーへの期待感で満たされていた。開演時刻になり暗転。トップバッターのAPOLLOがステージに登場。1曲目の「Gonna fire」からアクセル全開のステージ。レゲエ界屈指の早口ラッパーの異名を持つ、彼ならではのアグレッシブなフロウをぶつけ、会場を盛り上げていく。寿君のメジャーデビューを祝福するかのように、緩急をつけたセットリストで魅了していく。スマホのカメラでフロアを映しながらのパフォーマンスとなった「メーデー」ではオーディエンスとシンガロングし、心地よい一体感を与えてくれた。

 「人生やる人とやらない人がいる、寿君はやる側の人間、俺もやる側の人間になりたい!」と力強く宣言。歓声が上がるなか、熱いナンバーを次々と投下。オーディエンスに支えられながら歌い上げる姿に扇情。黄色い声援に混じって、男性からの野太い声援も。そして、マシンガンのように畳み掛けるリリックは、テンポを5、10と上げ尋常じゃないスピードでのラップを披露。それにオーディエンスも挑戦し、会場全体で楽しんだ。

 続いて、仲が悪くなってしまった友人へ向けて作ったという「おでん 」をフルコーラスを全身全霊の歌で紡ぐ。そして、オーディエンスの掲げたスマホのライトを浴びながら「Solar man」を熱演。その幻想的な空間に「夢のような世界だ」と感動を言葉に表しステージを去ったかと思いきや、「しんみり終わるわけないだろ!」とステージに舞い戻り、ラストはアップチューン「GET BUSY」で盛り上げ、大阪を拠点に活動するレゲエサウンドマン・RED SPIDERへ繋いだ。RED SPIDERはコンプライアンスギリギリの言葉を浴びせながら、会場を盛り上げていくパフォーマンスとサウンドで熱狂の空間へ。これ以上ないほど会場を温め、寿君へと繋いだ。

寿君

寿君(撮影=Real☆Shot MASATO)

 そして、今日の主役である寿君が颯爽とステージに登場。オープニングナンバーは「オレトオレバ」で、寿君の人間性が強く反映した、絆を感じさせる歌でハッピーな空感を序盤から作り出していく。「WINNER」ではオーディエンスも体を弾ませ、寿君が放つ躍動的な歌に合わせ手をかざす。「俺を、レゲエをサポートしてくれる人全員が一つになれる空間を作って行こうと思う」と宣言し「SING A SONG FOR YOU」へ。決めゼリフの「ありがたや〜」と天を仰ぐように感謝を告げ「LONG DISTANCE」と、メロウなナンバーでオーディエンスの感情を揺さぶっていく。「10年後もみんながいれば大丈夫。この道を行くだけ」と決意ともとれる言葉を浴びせ「ミチニイキル」と音楽の持つ力と言葉で魅了した。

 ここから常夏の空間をより強く打ち出した「SEASON IN SUMMER」「ENDLESS SUMMER」と2曲を立て続けに披露。寿君のエネルギーが存分にステージから放たれるなか、7月18日に1stアルバム『ニューレベ』のリリースを発表。そのなかのリード曲になると話す大胆サンプリングしたTUBEの「あー夏休み」を披露。“寿君流”の熱いパフォーマンスでフロアを煽り、会場の気温を上げていく。そして、365日レゲエの良さを伝えたいとメロウな「SUMMER LOVE」をしっとりと歌い上げ、夏の終わり、そして、秋の始まりを演出するかのよう。

 続いて、APOLLOをステージに招き「マンマ・ミーア feat.APOLLO」を披露。今日の雨を吹き飛ばすような2人の熱いパフォーマンス。オーディエンスもビートに合わせクラップで一体感。絆を感じさせたパフォーマンスからニューアルバムに収録予定の「TOUCH INNA JAMAICA」。アンビエントミュージックのような広がりを見せるサウンドの中を泳ぐようにメロディを紡ぐ寿君。

寿君&APOLLO(撮影=Real☆Shot MASATO)

 「メジャーへの迷いは一切ない。仲間がいて俺は一人じゃないって綺麗事抜きで言えた。中学時代に気づかなかったこともこうやって音楽をやって、一皮も二皮も剥けてきたと思う。このツーマンツアーを経て、次はクワトロ、1000人2000人規模でやりたい。このステージに立って思うことはこの気持ちだけ...」と、その想いを音に乗せたデビューシングル「一人じゃない」を届ける。迷いはない、やるべきことは見えているという決意が歌に乗ってフロアに降り注ぐ。もっと大きなところで、それを実現させるべく突き進んでいく寿君。

 続いて一緒に歩いて行こうと「自由に舞う」では、オーディエンスの掲げたピースサインでフロアが埋めつくされる光景。「オレガヤレバ」では、オーディエンスも一緒に歌い上げ、ライブならではの臨場感と一体感で包まれた。動画サイトで観ているのとは違うライブの魅力を存分に放ち、ラストは「SPECIAL THANX」で感謝を届け、ステージを後にした。

 アンコールに応えて、寿君がリズムにのって再びステージに登場。「BELIEVE IN MYSELF」を笑顔で届ける。そして、「ONE LIFE」。「俺の音楽をみんなの人生においてくれてありがとう! こんな日がずっと続けばいいのに」と、キラキラとしたエネルギーに満ちたライブは「またみんな、最高の笑顔で会いましょう! ラブ&ピース」の言葉を残しツアーの幕を閉じた。