新しい地図からの楽曲「KISS is my life.」が注目を集めている。「KISS is my life.」は香取慎吾と草なぎ剛による新ユニット・SingTuyoとして発表された楽曲で、香取がかねてからファンだと公言している20歳のシンガーソングライター・ぼくのりりっくのぼうよみが作詞作曲を担当。14日付オリコン週間デジタルシングルランキングでは、週間5.8万DLを売り上げ、初登場1位を獲得した。本作は竹内結子出演、草なぎ剛の愛犬“クルミちゃん”がCMデビューしているキヤノンのミラーレスカメラ「EOS Kiss M」のCMソングとしてオンエアされ、4月6日から全国でCMが放映されると「この歌声はあの二人では?」とSNSを中心に話題を呼んでいた。新しい地図は常にサプライズを含んだアプローチで“新たな挑戦”を展開している。

“SMAP感”を残しつつの新境地

 それにしても、SingTuyoが歌うこの楽曲のキラキラした“SMAP感”はどうだろう。元・SMAPの香取と草なぎが歌うのだから当たり前と言えばそうだが、これまで新しい地図が発表してきた楽曲からもやはりSMAP感は存分に放たれている。なおかつ、新しい展望を楽曲から感じさせてくれるあたりは、「新しい地図」と銘打つ彼らの活動に相応しく、ワクワクとさせてくれる新境地が感じられる。

 新しい地図からの今回の楽曲は、香取&草なぎの新ユニット・SingTuyoという新たなアプローチ。そして、コンポーザーには20歳の新鋭シンガーソングライター・ぼくのりりっくのぼうよみという、これまた新たな挑戦である。注目したいのは、「元・SMAPの2人」がぼくのりりっくのぼうよみというアーティスト作の楽曲を食ってしまうことはなく、逆に、ぼくのりりっくのぼうよみの楽曲が一人歩きするということもなく、互いが寄り添う形で“SingTuyo”という新ユニットの楽曲として開花しているところだ。

 楽曲の作者とメンバーの持ち味が巧みにフィットする、ということはなかなか難しいことではないかと思う。どこかで、どちらかが濃い色を伺わせ、例えば「今回の作曲者っぽい」という部分に偏ること、あるいは歌い手のクセに染まってしまう、ということは少なくない。それはそれで個性が滲んで味わい深いのだが、ことSMAPや新しい地図、そして今回のSingTuyoの場合は、楽曲がそのグループなりユニットのカラーとして聴き手に定着するということが見られ、この点には目を見張る部分があるように思える。

 新しい地図として3月19日にリリースされたチャリティーソング「雨上がりのステップ」は、アニメ、ゲーム、CM、ドラマ、映画の音楽も手掛けている菅野よう子氏の作曲。音の色合い・旋律にポピュラリティが溢れるこの曲は、新しい地図のフレッシュな展望と新たなチャレンジ精神が混ざり合い、稲垣・草なぎ・香取の3人にこの上なく“似合っている”楽曲として完成され、大勢のリスナーに受け入れられた。

 そして「雨上がりのステップ」の前、昨年12月発表の『72時間ホンネテレビ』のテーマ曲である「72」は、元・ピチカート・ファイヴで音楽プロデューサーの小西康陽氏がコンポーザーだ。感度敏感なリスナーが聴いたら「小西康陽の曲!」と、察してしまいそうなほど“小西康陽節”が溢れんばかりの楽曲だが、そこにはしっかり“SMAP感”も溢れている。それを稲垣・草なぎ・香取の3人が歌うことで、紛れもない新しいステージ「新しい地図の楽曲」として、3人の新グループとしての活動をスタートさせた。

ネットTV、『クソ野郎―』、 ユーチューバーとたたみ込む3人

 新しい地図は、インターネットテレビ、YouTube、ユーチューバー(ユーチューバー 草なぎチャンネル)、3人が出演する映画『クソ野郎と美しき世界』公開など、「新しい地図」の名前に似つかわしい新たなチャレンジに次々と挑み、稲垣・草なぎ・香取の新境地を展開している。そして今回の新曲「KISS is my life.」では、“香取×草なぎ×ぼくのりりっくのぼうよみ=SingTuyo”という新たな方程式を提示してくれた。

 “国民的アイドル”として大勢のファンを生んだSMAPから派生した新しい地図のこれからの活動、そして「72」「雨上がりのステップ」「KISS is my life.」とコンスタントに発表される楽曲の数々。どれも受け手の期待を綺麗なかたちで裏切り、新たなバラエティーとエンターテイメント、そしてドラマを展開している。次は一体どんな楽曲で楽しませてくれるのか、期待と共に常にワクワク感を持たせてくれるのは、新しい地図の3人の、エンターティナーとしての宿命なのだろうか。アルバムの発表はあるのだろうか。今後の3人の新境地からは目が離せない。【平吉賢治】