息つく暇もない、一目見たらたちまち引き込まれていく迫力のパフォーマンスを繰り出し、オーディエンスを魅了してきたダンスボーカルユニットのLead。2017年7月にデビュー15周年を迎えた彼らの最新作は初恋をモチーフにした、さわやかでありながらどことなくセクシーさも漂うダンスナンバー「Bumblebee」だ。最近は俳優などソロでの活動もみせ、それらの経験がユニットにも活かされている彼ら。今作は良い意味での「意外性」を持った新たな可能性を秘めた作品でもある。高いスキルを持ちつつ、常にもう一歩上を目指し続け培ってきた。その経験から滲み出る包容力は今まさに熟れており、今後の活動が更に注目される。今回はそんな3人に今作、そしてこの15年を振り返ってもらった。【取材=桂泉晴名/撮影=冨田味我】

今の年齢だからできる、ヤンチャさと色気のバランス

谷内伸也(撮影=冨田味我)

――新曲「Bumblebee」は、とても粋な曲ですよね。

谷内伸也 本当に良い曲に巡り合えました。初めて聴いたときに「今だからできるヤンチャさと色気が混じった、良いバランス感だな」と思って。サビ後に入ってくるビートの変わり方とか、すごく新鮮だなと思います。ヒップホップの要素が入ってくる感じで、今っぽさなのかなと思いつつ懐かしさもあるし。Leadにとって原点回帰といえば原点回帰なんだけれど、新しさもあるんですよね。

古屋敬多 そうそう。音のテンションがガラッと一気に変わる、みたいな感じになっています。

――曲調的にはセクシーな方向にいきそうなのに、実際はみずみずしい恋心を歌っていて。こちらの詞は輝さんが担当されたそうですが。

鍵本輝 ええ。ここにくるまで、すごく考えましたね。真夜中の男女2人が大人の恋愛をしていくという感じのものはすぐ書けるし、「1回振り切ってみよう」ということで、最初はその方向性の歌詞を書いていたんです。そうしたなかで多方面から意見をいただき、「もうちょっと爽やかな方向が良いんじゃないか」となって。「じゃあ、爽やかさとはなんだろう?」と思ったときに、やっぱり初恋がピュアで爽やかかな? と思い、そちらにシフトチェンジして。ワード選びもかなり考えました。「女性をうまく引っ張っていきたい」という男像ですが、実は奥手で「どうしたらいいんだろう?」といったものも入れたくて。最終的にはうまく書けたと思っています。というのも「Bumblebee」は、英語でマルハナバチ(編注=ミツバチに似て丸みを帯びて毛深く、穏やかな性質をもつ)を意味していて、オスは針を持っていないですよ。

――なるほど。攻撃的ではないんですね。どちらかというと、Leadの皆さんもマルハナバチに似て積極的にはいかないタイプ?

鍵本輝 もしすごく好きな人が目の前にいたとしても、なかなか声をかけられないです。

古屋敬多 ミュージックビデオの方でも、初恋がテーマだったので女性とからむのもありなのかなと思ったんですけれど、3人はわりと奥手なところもあるから(笑)。

谷内伸也 あまり生々しくもなりたくない、というか。

古屋敬多 ガツガツもいけないな、というのがあったので。最終的には女性の方も登場していますけれど、そんなに直接的にからむことはなく、ちょっと映画っぽいというか。物語が見えればいいなと思いました。

――ミュージックビデオはすごくおしゃれですよね。

古屋敬多 3階建てのすごい場所で。

谷内伸也 どこを撮っても絵になりました。

鍵本輝 ワンカット回しがメインでした。当日入って振付をしたりとか、動き決めたりして。

谷内伸也 わりとその場その場で決めていき、どこをどうやって生かすか、みたいな感じでやっていきましたね。

古屋敬多 ミュージカル映画などは、たぶんこういうふうに作っているんだろうなと。僕らはRADIO FISHのShow-heyくんにいつもお世話なっているんですけど、今回の「Bumblebee」もShow-heyくんの振付です。だから現場に行って、たとえば途中のコップを使ったダンスは「テーブルがあるから、ここにダンサーが座って、コップでダンスをしよう」とその場で10分くらいの時間でバーッと振りをつけてもらったんです。

谷内伸也 Leadのライブでも芝居を入れたダンスコーナーを作ったりするので、「Leadらしさをこの曲で出せたら」といった感じで展開させました。

――ミュージックビデオの裏テーマはミュージカルだったそうですが、それはどういったところからアイデアが出たのでしょうか?

谷内伸也 もともと「Bumblebee」の制作時期に、敬多がミュージカル『私のホストちゃん』に出ていたので、そういう影響もあって。敬太から案が出てきて、「演技要素を入れて、ダンスと織り交ぜたらいいよね」といったところから膨らませました。

――サビの後<Ring Ding Dong Ring Ding Dong>の振付はキャッチーな動きで、観ている人も真似できそうですよね。

谷内伸也 今のファンクラブツアーでも、結構みんな参加してくれています。

――「Bumblebee」はなかなか積極的になれない男性からも共感を呼ぶのでは、と感じました。女性だけでなく、ボーイズダンス&ボーカルグループに興味のある男性は最近増えている印象があります。

谷内伸也 そうですよね。Leadのライブでもちらほらいらっしゃいますし。ただ、ライブまで行くという方は、まだ少ないかもしれないですね。

鍵本輝 僕たちに関して言えることは、とりあえず来てくれたらいいかな。自分たちもどちらかと言うと女性に囲まれているので、同じかなと思います。

谷内伸也 しっかり見つけてフォローするので(笑)。ぜひ来てほしいですね。

――心強い(笑)。

谷内伸也 それに日常生活において、そんなに女性に囲まれることはなかなかないじゃないですか。会場はすごいいい匂いがしますよ。

鍵本輝 花の香りがします。それがちょっと恥ずかしくて怖いという方もいると思いますけれど、僕らがいるので大丈夫です(笑)。ライブは僕たちだけが良くても、お客さんをおいていっていたら本当に意味がないと思っていて。時間をかけて、最後にはすごく距離を縮めて仲良くなった感じで、いつも終われたらいいな、と思っているので。さらに「Bumblebee」は振りがあって楽しめるとこもあるし。ほかにもぐっとくるようなメッセージ性のある曲も結構やっているし。ライブはいろいろな刺激にもなると思います。

――Leadはこれまでさわやかなイメージが強かったのですが、今回すごく大人っぽいというか、余裕感があるような気がして。皆さんの中では、どのようにこの曲を届けていきたいと思われましたか?

古屋敬多 若い頃は顔にも必死さがすぐに出ていましたから。「それがいい」と思っていた時もあったんですけれど。

谷内伸也 時と場合によるよね。

鍵本輝 自分たちも15年以上活動してきたので、その中で余裕を出そうとしているつもりはなくて。自分たちができる音楽やパフォーマンスを信じて踊っているからこそ、それが余裕感のようなものにつながるというか。「毎回進化しなきゃ」というつもりでパフォーマンスは作っているんですけど、「着いてきてよ」みたいなくらいの感じもある種のかっこよさかなとは思っているので。曲ごとにいろいろ相談しながら、その時その時で見せ方は変えていけたら。15年やっているからこそ、できるパフォーマンスがあると思っているので。

古屋敬多 今回、演技の部分などがあるのですが、個人活動でそれぞれ挑戦しているところなので、力を発揮できたとは思いますね。

――ちなみにミュージックビデオを撮る時、それぞれ気をつけていることはありますか?

鍵本輝 どの仕事にも必死なんですけれど、一番自分がベストの状態で映像に残ってほしいので、とてもライトなところでいくと、僕は美顔器を持っていきます。ラジオ波が出て、むくみをとるんですよ。

谷内伸也 ソロのリップシンクなどは結構フリーでとるので、どういう動きをやったら指し込めるかな、というのはイメージしながら撮りますね。もちろん実際には、はまらない時もありますが、それはそれで楽しいですね。

古屋敬多 僕は必ずどこかで寝ますね。朝の5時起きとか3時起きとかたまにあったりするので、寝ないともたないんですよね。10代の頃は全然いけていたんですけれど、今はそういうわけにもいかないので(笑)。スイッチのオンとオフをやって、直前にオンに入れないと良いパフォーマンスが出せない体質なんです。

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