Dragon AshやAAA、西野カナなど様々なアーティストのライブやレコーディングに参加し、2014年『Neo Nostalgia』でメジャーデビューしたバイオリニストの岡部磨知。兄の影響で3歳の頃にバイオリンを始め、桐朋女子高等学校音楽科に在学中からその端正なルックスからモデルの仕事まで幅広く活動を開始。4月18日には『Neo Nostalgia』から約3年振りとなるフルアルバム『プリズミラクル』をリリース。全曲自身の作曲による意欲作で、アレンジからミックスダウンまで妥協のない作品に仕上がったと話す岡部。前作からの3年間の全てが集約されたという新譜、そしてこだわりについて話を聞いた。【取材=村上順一/撮影=片山 拓】

楽曲それぞれにキャストが存在

――バイオリンを始めたのはお兄さんの影響みたいで。

 はい。兄がやっていなかったらバイオリンをやってなかったと思います。母親がクラシック楽器に憧れがあったみたいで。それで兄がバイオリンをやらされて(笑)。それを見ていると妹としては真似したいから「やりたい」と。教えてくれる時間は親が付きっきりで面倒を見てくれるんです。4人兄妹だから母親の奪い合いというところが私の中にあって、それもあったのかもしれません。

――3歳頃から始められて、音はすぐに出せましたか?

岡部磨知

岡部磨知

 ほとんど記憶にはないんですよね…。物心ついた時には、何となく弾けているところからでした。

――もう言葉みたいな感覚ですね。さて、岡部さんは演奏者以外にモデルもやられています。岡部さんもそうですが、バイオリニストの方は容姿端麗の方が多いイメージがあって...。何故なのか疑問が浮かびまして。

 ありがとうございます! 音大にはかわいい子が多いんですけど、一説によると、音大はある程度お金がかかるので、お父様の経済力が高いが故に美人な奥さんをもらえている、という説があります(笑)。なので授業参観とかでお母さんが来ると美人な方が多いです。

――なるほど、面白い説です。3歳頃から始められていると絶対音感も身につきますよね? 絶対音感がある方ならではの苦悩もあると良くお聞きしますが、岡部さんも例に漏れず?

 絶対音感はあります。カラオケで原曲キーでないと気持ち悪いんです。雑音などは気にすれば気になるけど、気にならないようにすれば気にならないです。でも、何かしらの音は人よりは気になる方かもしれません。例えばエアコンなど部屋のちょっとした音は気になったり…。「何の音なのかな?」という意識は高いかもしれないです。楽器をやっている人は音に対してはどうしても敏感になってしまうので。

――オフに出来るというのは面白いです。さて、今作『プリズミラクル』は3年振りの作品ですね。前作『Neo Nostalgia』では3曲ほどオリジナルが入っていましたが、今作では全曲オリジナルで。

 そうなんです。気付いたら3年経っていて…。もともとオリジナルの曲を作るのが好きなので、どんな曲をどういうアレンジにしようかとか。このアルバムのために書いた曲もいくつかあるので、他のバランスと考えて、こんな曲があったら楽しいかなとか、その作業が凄く楽しかったです。

岡部磨知

岡部磨知

――どういった流れから作曲のモードに入りますか?

 色々なんですけど、例えば漫画からインスピレーションを受けることもあるし。「g」は、大人の女性達がバイオリンを習う話の漫画『G線上のあなたと私』で、色々な悩みを共有したり、色んな人と繋がったりする作品です。それを読んで嬉しかったこともあって、このバイオリン教室でバイオリンを始めた人達が、「この曲を弾きたい」と思ってくれるようなイメージとか、そこから広がって書いた曲です。タイトルは「G線上のアリア」、音楽的にもその要素を散りばめてあるので、このタイトルを付けました。

――タイトルを付けるのは早い段階で? インストのタイトルを付けるのは難しいそうです。

 タイトルは割と最後の方が多いです。今回もほとんどの作品が最後まで悩みました。「ユメミゴイ」はバイオリンとピアノだけのバラードなんですけど、この曲は私のなかでは映画や連続ドラマのイメージがありました。恋愛ものの若者達のストーリーで、これをどういうタイトルにすればいいのかというのは悩みました。安易なタイトルも付けたくないし...。

――「ユメミゴイ」は切ない曲調ですけど、それに続くアルバムのラストを飾る『オーケストラの魔法』はビッグバンドっぽい感じになるという流れがあります。

 全体的にストーリーや私の作った理由の背景はあるんですけど、どちらかというと私はパフォーマンス側ではあるんだけど、一曲一曲に何かしらの主人公がいて、私がそれをプロデュースしているという意識もあります。『オーケストラの魔法』は全員のパフォーマンスが終わって、最後にみんなが出て来てフィナーレを迎えているという意味を込めて「みなさんお疲れさまでした!」という感じを想定して書いています。

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