来年メジャーデビュー20周年を迎えるシンガーのCrystal Kay(クリスタル ケイ)が、前作『Shine』から約2年半ぶりとなるニューアルバム(タイトル未発表)の発売を6月13日に控え、収録曲である「幸せって。」を4月19日に先行配信する。同曲はNHKドラマ10『デイジー・ラック』の主題歌で、現代社会のリアリティも詰まった1曲になっている。「探してゲットするようなものでもない」と話す幸せについての考え方、さらに「シンプルに歌って人を感動させられたら…」と語る歌の表現方法についてなど、キャリアを重ねてきた今の彼女に話を聞いた。【取材=村上順一/撮影=冨田味我】

幸せは探してゲットするようなものでもない

――今作「幸せって。」は、NHKドラマ10『デイジー・ラック』主題歌となっていますが、今までも数多くの主題歌を担当されてきたケイさんにとって、ドラマ主題歌というのはどのように捉えていますか?

 とても嬉しいです。たくさんの人がドラマ見ながら自分の曲が耳に入ってくるというのは最強のプロモーションだと思うし(笑)。ストーリーに合わせて楽曲制作をするのは凄く楽しいです。

Crystal Kay

Crystal Kay(撮影=冨田味我)

――ドラマはいかがでしたか?

 台本を読ませて頂いたんですが、現代のアラサーの女性のリアリティが描かれていて凄く面白いなと思いました。初回放送を観た関係者、特にアラサー女子はみんな面白いって言っていましたから。

――「幸せって。」というタイトルが考えさせられますが、ケイさんにとって「幸せ」とは?

 自分が一番のハッピーを感じる瞬間は、歌っているときもそうですし、お客さんと一体になっているときも幸せだし、家族とか大好きな人達と一緒においしいご飯を食べているときも幸せを感じます。

――ステージ上という特別な場所から日常のシーンでも幸せを感じるのですね。

 あと、アメリカのラウンジやクラブ、バーなどの女子トイレで少し酔っぱらっている女子同士が凄くピースなんです(笑)。全然見知らぬ人に「その服カワイイね!」とか言ったりして。女子同士のそういったやりとりを見かけると、私は小さな幸せを感じます。

――幸せって、探しに行く人もいると思うのですが、それを求めに行くことは正解?

 それだと絶対見つからない気がします(笑)。幸せは探してゲットするようなものでもないから。4つ葉のクローバーとかそういうのはあると思いますが、それだけに集中していたら見つけられないんじゃないかと思います。日々「自分がやるべきこと」「パッションを感じられること」を常に自分なりに頑張っていれば幸せってやって来ると思います。

――まずは自分がパッションを感じること、好きなことを探すことが大事?

 はい。あとは普通に、幸せな気分や笑顔とか優しい一言などを人にあげれば良いのはないでしょうか。例えば、髪型とか服装とかを一言褒めるとか、「人に幸せをあげる」というのもアリだと思います。それで知らないうちに自分に返ってくると思いますし。

Crystal Kay

Crystal Kay(撮影=冨田味我)

――確かにさりげない一言だけでも世界が変わりますよね。

 変わると思いますよ。その一言で、その人の最悪の一日だったことが変わるかもしれないので。

――歌詞についてですが、シンガーソングライターの坂詰美紗子さんの作詞ですが、今回歌ってみて印象に残ったことは?

 オープニングから、<友達へのいいね!が出来ない こんな自分が嫌になっちゃう>という部分が今っぽいなと思いました。SNSとか色々見て、自分と比べちゃうことってたくさんあると思います。そこに今のリアリティを感じられました。なかなかそういうのって素直に言えないじゃないですか? それを前面に出しちゃうのもいいなって思ったし、<幸せは競うモノじゃなくて 幸せに正しいはないから>というのもグッときました。

――何が幸せかは確かに人それぞれですからね。

 みんな違うし、感じ方や価値観もそれぞれ違うから、人と比べないで自分が「これをやっているとき凄く幸せだな」とか、自分に持っていない良さだったり、「自分なりの幸せはみんな形が違うからそれでいいんだよ」というメッセージが入っているので凄く好きです。

――<友達へのいいね!が出来ない>という部分は、先ほどケイさんが仰ったことにも繋がるんですけど、“いいね”を押しただけでもその人に幸せをあげることができますよね。

 できますね。

――でも、そこになかなか踏み出せないというのが興味深いです。Instagramでよくご飯の写真をアップいる方がいますが、あれも何かを競っているのでしょうか?

 たぶん競っていると思います。私もInstagramをやっているんですけど、自分の場合は「美味いかったから撮る」という感じなんですけど(笑)。それが生き甲斐になっているという人もいると思いますし。でも、写真を撮るためだけに注文している人もいるという話を聞いて、この先どうなっていくのか不安です。あまり変な方向には行って欲しくないです…。

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