スターダストプロモーションに所属する、ときめき宣伝部が4月11日に結成3周年を迎えた。もともとテレビ番組の企画で生まれたグループだったが番組卒業後も継続して活動することを決断。2016年11月9日には「ガンバ!!」でメジャーデビューも果たしている。この3年間でメンバーの卒業や新加入などもあり、濃い時間を過ごしてきた。結成記念日にリリースされた自身初のメジャーアルバム『ときおとめ』はその“激動”を象徴するかのように多種多様な楽曲が収められている。まさに「粒ぞろい」だ。3年間を経て実りの春を迎えた彼女達に心境を聞いた。【取材・撮影=木村陽仁】

 さて、今作『ときおとめ』には、80年代から現代まで多彩なロックサウンドを散りばめたユニークな作品となった。スタンダードからピアノやダンス、EDMなど取り込んでおりロック好きならサウンドだけでも十分に楽しめるが、そのうえで踊る歌詞も面白みの一つだ。だが、その歌詞だけにフォーカスすると女性目線で描かれている。それは様々な感情が交差する彼女達の年頃にある女性心の繊細さを歌詞で表現しているかのようだ。女心と秋の空というように、移り変わりが激しいこの年頃の心情を多彩なメロディで表現しているようにも感じる。「届ける」ことを大事にし、歌詞の意味を深くまで理解して歌い上げているという彼女達は今回の収録曲をどう見ているのだろうか。その点も踏まえて聴いた。(約1万字)

あっという間に過ぎた3年間

 メンバーは、辻野かなみ(つじの・かなみ=18)、藤本ばんび(ふじもと・ばんび=13)、坂井仁香(さかい・ひとか=16)、小泉遥香(こいずみ・はるか=17)、小高サラ(おだか・さら=14)、吉川ひより(よしかわ・ひより=16)。辻野は自身達を「6人になって新たなスタートを切って頑張っている最中です。ときめく何かを宣伝するために結成されたグループです」と紹介。

 最年少の藤本と小高は昨年6月に加入が発表され、同年7月に日比谷野音でおこなわれたワンマン『ときめき(ハートマーク)夏のびっちょり祭り2017』で初ステージに立った。それを踏まえて坂井は「私たちとにかく一人ひとり個性が豊かで。(藤本)ばんびと(小高)サラが新入部員として入ったんですけど、ばんびは、今はこう大人しいけど、ライブ中などは本当に面白くて。サラはとにかく大人っぽい歌声が魅力。でもしゃべると子供っぽくて。このギャップが可愛いと思います」と語った。そんな彼女達の魅力に迫る。

辻野かなみ

――結成3周年を迎えました。まずは、初期メンバーに振り返ってもらいたいと思います。

辻野かなみ J-COMチャンネルの番組『私立輝女学園 SEASON2』から生まれたグループなんですけど、その後にメジャーデビューが決まって。もともと5人で活動していて、その後に4人になって、それで(藤本ばんびと小高サラが加入して)6人になって。毎年、色々な出来事があって、あっという間に過ぎたという感じです。

坂井仁香 始まった当初は何も分からなくて。最初は楽しくてやっているという感じでした。ライブが終わっても「今日は楽しかったね、良かった、良かった」という感じで。でも活動していくにつれて、ファンの人たちに対しての気持ちだったり、ここの歌詞はこういう感情を込めて歌おうとか。楽しいだけじゃなくて、音楽に向き合い始めたり、そういうのはこの3年で変わったと思います。

――ターニングポイントを挙げるとしたら?

坂井仁香 やっぱりメジャーデビューです。当時は「メジャーデビューしたらどうなるんだろう」という感じで分かっていなかったんですけど、取材の回数が増えたり、曲を提供して下さる方が増えたり、レコーディングやたくさんの人から学んだり、いろんなフェスにも出させて頂いて、ほかのアーティストさんのライブも見る機会も多くなって。ライブを見て勉強して自分達にないものをどんどん吸収したり、そういう意識が変わったのがメジャーデビューしてからなので、ターニングポイントはメジャーデビューです。

小泉遥香 結成当初は何も分からないまま、ただただ突き進んでいくグループでした。何か起きるごとにとにかく嬉しくてピョンピョン跳び跳ねるうさぎのような、動物園のようなグループだったんですけど(笑)結成されて少し経ったあとにワンマンライブが決まって、でも「ワンマンライブってなんなんだろう」って。スタッフさんに「単独で自分達が箱でライブをすることだよ」と教えて頂いてやっとワンマンライブの凄さが分かったぐらい。ワンマンライブでもファンミーティングとかいろんな発表があって、そのファンミーティングでは次のワンマンライブが発表されたり。その発表自体もファンの方と同じタイミングで私達も知ったり。3年あったけど、一年一年が凄い濃くて。だからあっという間でした。

 そのなかでサラとばんびが入ってくれて。こうやってみんなで今頑張れている。サラとばんびが去年の7月に正式加入になって、6人でシングルも出して、そして今回アルバムを出す。「とき宣」の今が分かる一つのアルバムがリリースできる。濃い3年間だったけど一つにまとまったなという感じはします。

吉川ひより 結成当初は芸能界に入ってそんなに時間が経っていない頃で。周りは可愛いし「どうしよう!」みたいな(笑)あまり、なにも考えずにやっていたので、それがその時の「とき宣」の魅力だったのかなとも思うし、とにかくがむしゃらに笑顔で踊って「アイドルです!」みたいなのが「とき宣」なので、そういうところが愛されていたと思うんですけど、今はどんどんアイドルのフェスに出演させていただいて、間近でいろんなグループを見ることが多くなって自分達に足りないものも見つかって。

 そのなかでいろいろ自分達が知るアイドル生活をして培ってきたものがあるので、ポンっと入ってきたサラとばんびは今、私達の最初の頃の気持ちだと思うので、そこを教えられるのは私達だなと思っていて。私達がお姉さんとして今までの3年間のことを教えてあげたり、逆に初心の心を甦らせてくれたり。いろいろあったんですど、こうして6人で同じ方向に向いて活動できているので。そのなかでのこのアルバムは「とき宣」の初期からいる4人には濃いものが詰まっていると思います。

――本当に濃い3年ですよね。

坂井仁香 そうなんです。宣伝部員さんがいてくれたから頑張れたし、もしこれがメンバーだけだったら途中であきらめてしまったかもしれない。いろいろと考えるところはあります。凄いみんなに助けられて、宣伝部員さんと「とき宣」とで一緒に作ってきた3年間だなと思います。

藤本ばんび

――そのなかで新加入の“サラとばんび”はこの数カ月を振り返ってどうですか?

藤本ばんび 「成長していたらいいな」と思います。最初の「びっちょり祭り」のパフォーマンスはとにかくダンスやステージの立ち位置も頭に入れてと必死だったので…。今は歌やダンスの表現の仕方、歌い方とか気を配るところなど視野が広くなったと思うので、最初の頃よりは少しは成長しているはずだと思う。もっと視野を広げて、もっともっとお姉さん達に並べるようになりたい。

――藤本さんは独特の雰囲気がありますね。おっとりしていて人を引き付けますね。3人からみて成長されたと思いますか?

小泉遥香 声も凄く大人っぽくなったと思うし、私達自身もサラとばんびが入ってきてくれたことによってフレッシュな会話も増えて(笑)お弁当の争奪戦が起きたりと更に明るい楽屋になって。でもライブになると、みんなで揃える場所を決めたり、この歌ではこういう事を伝えたいからみんなでアイコンタクトをたくさん取るようにしようとか、そういう細かいところまで最近は決められるようになって、2人が成長してくれているからこそ6人でのパフォーマンスが生きたり、2人が成長しているからこそ引き立っている。凄く急激に成長しているなとは感じます。

吉川ひより 頼もしくなっています。ぜんぜん心配しないというか、初めての頃とかは、「あ、ここ、サラとばんびは大丈夫かな」とか、初めてのことで忘れたりすることもあったけど、もう同じぐらいのキャリア…。

坂井仁香 そう。ちょっと恐れてるもんね

吉川ひより 恐れてますよ! 怖いですよ!

小泉遥香 いつ追い抜かされるかわからない、というね。

吉川ひより それぐらい頼もしい。心配いらない。

――お姉さんは恐れを成しているようですが(笑)小高さんはこの期間を振り返ってどうですか?

小高サラ お姉さん達も「そうだった」って言っているんですけど、私もアイドルのことも知らないで入ったから、ライブの意味も分からないし、楽しいからいいやとやっていたけど、ライブをやる意味や歌を歌っている時にどういうことに気を付けるとか、良いライブや悪いライブとかも、お姉さん達の経験を聞いたり見たりして最近分かるようになってきたのが嬉しいです。

――良いライブと悪いライブの違いは?

小高サラ 言葉では表せないけど「今日掴めた!」とか。不思議なことに感じる時はみんな一緒なんですよ、毎回。

小泉遥香 お客さんと一つになれたというか、フェスとかでも「今日は掴めたね」と思った時は、次のライブには「あの時のフェスで見ていいなと思ったのできょう来ました」というお客さんの方もいて。自分達的にも「今日は良いライブの表現ができたね」とか「お客さんを引き込めた気がする」とか、そういう気持ちになった時は良いライブという感覚はあります。