スピッツが9日、ZEPP DiverCity Tokyoで開催された『TOKYO FM&JFN Present EARTH×HEART LIVE 2018』に出演。同イベントには、ロックバンドのSUNNY CAR WASHとsumikaも出演し観客に熱いステージを届けた。スピッツ本人たちも「15年くらいやってないかも」と話す「仲良し」など新旧含む12曲を披露し、観客を魅了。テーマとして「ROCK THE FOREST」を掲げ、森林の大切さを呼びかけた同イベント。草野マサムネ(Vo、Gt)は「森に生かされているんですよね、人間は」と環境について考えることを呼びかけた。【取材=松尾模糊】

SUNNY CAR WASH

 『EARTH×HEART LIVE』は、TOKYO FMをはじめとするJFN(全国FM放送協議会)38局が、地球環境について考える日として提案された記念日「アースデイ」である4月22日に毎年、世界へ向けて放送している一夜限りのプレミアムライブ。

SUNNY CAR WASH

 第1回目の開催から今年で29回目を迎える今回は、テーマに「ROCK THE FOREST」を掲げ森林の大切さを呼びかけた。豊かな森をつくる為には、1種類だけではなく多種多様な木々を混植・密植しなければならない。人間も同様で、多種多様な人々が集まり文化や音楽が生まれることから「森に学び、森をつくる」という趣旨に賛同したスピッツ、SUNNY CAR WASH、sumikaが出演しそれぞれの想いをステージから音楽に乗せて届けた。

 この日のオープニングアクトは栃木出身の3ピースロックバンドSUNNY CAR WASH。今年は「CDショップ大賞」で「関東ブロック賞」を受賞するなど、今勢いのある若手バンドの一つ。

 岩崎優也(Vo、Gt)が「よろしくお願いします」と呼びかけて、「それだけ」でステージをスタート。いきなり畝狹怜汰(Dr)がシンバルを弾き飛ばすという、勢いの塊のような演奏で会場をヒートアップさせた。

 「ライブハウスには愛を、故郷には緑を」と岩崎が呼びかけ、「キルミー」など、長身の羽根田剛(Ba)の長い手足をステージ上で振り回すように繰り広げられる迫力あるベース演奏に、カッティングギターのサウンドが心地よく響くメロディアスなナンバーで十二分にフロアを温めてステージを去った。

sumika

 この日は、TOKYO FMのラジオ番組『SCHOOL OF LOCK!』のパーソナリティーであるとーやま校長とフリーアナウンサーの高橋万理恵がイベントのMCを務めた。2人によるトークのあとに登場したのは、4人組バンドのsumika。

sumika

 メインスクリーンにsumikaの文字が写し出され、管楽器や弦楽器のサウンドが陽気に響くSEで登場し、アップテンポのポップソング「MAGIC」でステージを開始。そのまま小川貴之(Key、Cho)のエレピサウンドから始まるナンバー「Lovers」で会場のボルテージを上げる。

 片岡健太(Vo、Gt)は「昨日は僕のハートが昂り過ぎて一睡もできませんでした」とこの日のステージへの並々ならぬ想いを明かし「ふっかつのじゅもん」を演奏。黒田隼之介(Gt、Cho)のオリエンタル感溢れるギターリフが印象的だ。

 「Summer Vacation」では、片岡がハンドマイクでステージを右から左へ動き回り歌唱。シティーポップ調のダンスナンバーで幅広い音楽性を見せた。片岡は「想像してないと感動できないなと思うんですよね。突然明日になってノーベル賞や金メダルもらっても『え?』ってなるし。でも、そこに向かって、それを想像して努力している人がその一瞬に感動するのかなと思います。今日僕は1ミリの嘘もなく感動しています!」と語る。

 そして、最後に『「伝言歌」』でその想いを乗せて観客へと届ける。<伝えたい 全部あなたに>とシンガロングで会場の一体感を演出してステージを終えた。

スピッツ

 トリを飾ったのは、昨年結成30周年を迎えたスピッツ。ファンファーレのようなSEが鳴り響き、観客の手拍子に迎えられ4人がステージに登場。﨑山龍男(Dr)のカウントから三輪テツヤ(Gt)のアルペジオで始まる「春の歌」を演奏。草野マサムネ(Vo、Gt)のハイトーンボイスが響き渡るサビでは、観客も手を挙げて応えた。

ハーモニカを奏でる草野マサムネ

 﨑山のドラミングから、田村明浩(Ba)がベースラインで曲の輪郭を描き出して始まる「醒めない」では、青い照明がステージを照らし幻想的な空気感が会場を包んだ。続く「初恋クレイジー」では草野がハーモニカを奏でて、曲にアクセントを加えた。

 草野は「ロケットペンシルってあるじゃないですか。新しい芯をいれたら、古い芯が抜け落ちていく仕組みの。SUNNY CAR WASHとsumikaという新しい芯が入って来て、スピッツという古い芯がポロって落ちる…一瞬の眠りの中でそんな夢を見てしまいました。いや、古い芯だってちゃんと書けるんだぞというのを見せていきたいと思いますのでよろしくお願いします」と意気込みを述べた。

 そして「チェリー」を演奏。いつまでも変わらず人々の心に響くメロディーに観客も体を揺らしながら聴き入っている姿が印象的だった。「愛のことば」では、三輪の馬のいななくようなギターソロが会場に響き渡った。

 草野は「森に生かされているんですよね、人間は。だから、ゴミの分別はちゃんとやろうね。あと、最近思うのはね、寒い時、お皿を洗うのに給湯で水からお湯に変わるまで結構時間かかるじゃないですか。あの水もったいないよね。あの水どうにかする方法考えてる」と独特の世界観で会場の雰囲気も和やかに。

 激しいバンドアンサンブルから「さわって・変わって」でステージを再開。そして「スパイダー」、「トンガリ’95」で畳みかけて本編を終了。鳴りやまない拍手はそのままアンコールの手拍子へと変わる。

 アンコールでは、草野が「15年、もっとやっていないかもしれない。存在を忘れていた曲をやろうと思います」と1997年11月のシングル「運命の人」のカップリング「仲良し」を披露。アコースティックギターから始まる牧歌的響きを持ったポップソングに、会場からも大きな歓声が上がった。

 最後にパワーポップ調の「Na・de・Na・de ボーイ」で、会場のボルテージを最高潮に上げてこの日のイベントを締めくくった。

 なお、この日の模様はTOKYO FMで22日夜7時から放送される。