考える事もあるけど…でも誰の人生なんだ、という事を考えたらやっぱり自分の勘は信じたい――。そう語るのは歌手で女優の板野友美(26)だ。国民的アイドルからソロ歌手、そして現在は女優に挑戦するなど活躍の場を広げている。順風満帆に見える彼女だが平坦な道ではない、苦悩もあった。それでもソロデビュー7年を振り返った時に思えたのは「選択は間違っていなかった」ということ。昨年から楽曲や写真集などを通して変化が表れている板野は今作で、芸能人としてではなく一人の女性として向き合った。彼女が出した「自分らしさ」とは何か。【取材=木村陽仁/撮影=片山 拓】

一人の女性として向き合い見えたもの

 2月28日に発売した節目の10枚目シングル「Just as I am」は、4th写真集『Wanderer』と連動した作品だ。共通コンセプト「自分らしさ」を掲げ、彼女の今を、楽曲、そして写真集、MVで多角的に表現した。

板野友美

板野友美

 2月某日、都内でおこなわれたイベントに板野の姿があった。ステージ前には往年のファンだけでなく恋人や家族連れの姿も。海風が吹き抜ける野外会場。板野はステージに立つと「寒い中、有難うございます」と一礼して、新曲「Just as I am」などを歌い上げた。そのMCで板野は「今の心境と照らし合わせながら『自分らしさとは何か』という事を考えました」と新曲に寄せた思いを述べた。ファンの声援に笑顔で応える。その表情は穏やかでその雰囲気に誘われるように歓声が集まる。

 その日夕、板野はMusicVoiceの取材に応じ、作品に込めた想いなどを語った。

 板野には昨年から変化が見られる。同年5月に発売した9thシングル「#いいね!」ではこれまで多かったダンスミュージックから一転、日常を描いたポップな曲調に挑んだ。そして、7年ぶりとなる3rd写真集『release』(同年8月25日発売)では「新しい自分が見たかった」として、水着選びや写真のセレクトを含めて全てを委ね、ありのままの自分を出した。今回の作品の起点はその写真集にあるという。

 「次はもっと情感を出した写真集にしようという話があって、それって『自分らしさ』なんじゃないかと。『release』は26歳の等身大の私を知って頂く良い機会になったと思うんです。あの時はハワイで撮影して水着カットも多かったけど、今回は一人の女性としての心情にフォーカスを当てよう、芸能人の板野友美じゃなくて、一人の女性としての姿を出していきたいというのがあり、自分を探す旅、一人旅をして自分と向き合う瞬間が押さえられたらといいなと思いました」

板野友美

板野友美

 その「自分らしさ」を見つけるために、自身に手紙を宛てたという。

 「自分では『自分らしさ』はなかなか分からないと思うんです。どういうのが『自分らしさ』なのか。それで文字に起こしたら分かりやすいんじゃないかと思って自分に手紙を書きました。ソロデビューからの7年間、そして10作目シングル。これまでを振り返りつつも今の心境やこれからどうなりたいのかという事を文字にしたためて。文章が進むにつれて自分の気持ちが分かってきて、作品の全体像が掴めました。その手紙をもとに作詞して、この気持ちを表現するために楽曲を選んで、こういう気持ちだからロサンゼルスに行って、という流れです」

 芸能人・板野友美ではなく、一人の女性として向き合った。手紙をしたためて何が見えたのか。

 「女性だけでなく男性もそうだと思いますが、仕事を始めたばかりの頃は、ただただ、がむしゃらで、今が楽しければいいかな、という感覚もあったと思うんです。だけど仕事も私生活も充実してくると、『次はどこを目指すのか』という事を考えたり、女性なら出産が人生のテーマにも加わってきます。人生には色々な節目があって、その時にどれが自分にとっての幸せなんだろうかと選択に迷うことも多いと思うんです」

 「そういう”未来”の選択を“今”の自分がするのはなかなか難しい。将来の自分を想像しながら選択していくというのは決してマイナスな悩みではないけど。でも、今までの選択は自分がしてきて、その結果が今こうしてあるわけだから、これからの選択も不安にならずに自信をもっていこうという思いもあって。結果的に自分が決めたことが幸せにつながる道のような気もして。そういうところで自分自身も含めて背中を押せるような楽曲になったらいいなと思いました」

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