フィギュアスケート男子の羽生結弦選手が17日に、平昌五輪で66年ぶりに2連覇を達成した。この日は同種目で宇野昌磨選手も銀メダルを獲得し、ワンツーフィニッシュ。日本中がその快挙に沸いた。

 フィギュアスケートで欠かせないのが、選手たちの華麗な演技を色とりどりに彩る音楽だ。種目の採点には「曲の解釈(Interpretation)」という項目もしっかりと組み込まれている。

 ヴァイオリニストの石川綾子は今月1日に、フィギュアスケート選手たちのプログラムで使用する楽曲を選曲したアルバム『FIGURE CLASSIC』をリリース。小媒体でも彼女にインタビューをおこなった。

自分を信じて突き進む、石川綾子 平昌五輪フィギュア選手に捧ぐ

 この中で、石川は「フィギュアスケートにはクラシック音楽が使われていることが多いのですが、その曲たちが本当に素晴らしい曲ばかりなので、是非演奏してみたいなと思いました」と同作の制作に至った理由を語っている。

 『FIGURE CLASSIC』の冒頭に収録されている、C.プッチーニの『トゥーランドットより「誰も寝てはならぬ」』は、宇野選手がフリーで使用した曲だ。壮大な楽曲と力強い歌唱の中で、宇野が見せた4回転ジャンプには鳥肌が立った。

 そして、羽生選手が今回の五輪で披露したプログラムは、ショートプログラム(SP)がショパンの「バラード第1番ト短調」、そしてフリーに映画『陰陽師(おんみょうじ)』の劇中曲をアレンジした「SEIMEI」だった。篠笛が氷上に鳴り響き、普段の温厚で柔和な彼の表情が一気に感情豊かな激しいものに変わったその瞬間は、世界中の人々が息をのんだのではないだろうか。

 2015~2016年シーズンに滑った「SEIMEI」で、羽生選手は219.48点で自らの世界歴代最高スコア更新している。羽生選手のあの衣装も陰陽師のイメージを取り込んだデザインとなっていて、今回の彼の演技、まるで平安時代の伝説的陰陽師・安倍晴明が時空を超えて平昌のリンクに降臨したかのような圧倒的な存在感は、後世語り継がれるだろう。

 日本男子の最高の結果に続きたい日本女子選手が出場するフィギュアスケート女子シングル戦は21日に、SPがおこなわれる。メダルの期待がかかる“ミス・パーフェクト”こと、宮原知子選手はSPに映画『SAYURI』の楽曲、フリーに歌劇『蝶々夫人』の楽曲で挑む。

 また1月に台湾でおこなわれた、『2018年四大陸フィギュアスケート選手権』で金メダルを獲得した期待の新鋭、坂本花織選手はSPにベートーヴェンの『ピアノソナタ第14番「月光」』、フリーでは映画『アメリ』の楽曲で演技をおこなう。

 宮原選手のSPは、米作家のアーサー・ゴールデンによる第二次世界大戦前後にかけて京都で活躍した芸者の姿を描いた原作を映画化した『SAYURI』の楽曲だ。「SEIMEI」と同じく日本を舞台にした映画の曲だが、こちらはより無国籍感の強いオリエンタルな雰囲気の楽曲となっている。

 21日から始まる女子のプログラムでは、演技とともに楽曲やそのストーリー性にも注目して楽しんでみてはいかがだろうか。【松尾模糊】