アジアを中心に活動する男性ダンスボーカルグループのEXOが1月28日に、さいたまスーパーアリーナ(スタジアムモード)で4度目のワールドツアー日本公演『EXO PLANET #4ーThe ElyXiOnー in JAPAN』を開催。31日に、日本における1stアルバム『COUNTDOWN』を発売した彼らは昨年12月から同ツアーを開催。日本では福岡、埼玉、大阪の3会場を舞台に累計17万人を動員予定の全7公演をおこなう。この日はアンコール含め30曲以上を披露。訪れた日本のファンに新作からの日本語曲もいち早く届けた。会場がダンスホールの様に熱気に満ちたこの日のステージを以下にレポートする。【取材=長澤智典】

EXOの人気を物語る光景

EXO

 会場を埋めつくした人、人、人…まさに、EXOの人気を物語る光景がそこには広がっていた。いや、そこは驚くべきことではない。もはや、EXOにとっては常識とも言える風景と言うべきだろう。それだけ数多くの人たちが、EXOの動きに熱い視線を注いでいる。

 日本デビュー前にも関わらず、ドームクラスでライブをおこなう人気ぶり。何より応援する年齢層が、10歳にも満たないような子供から相応に年齢を重ねた人たちまでと幅広い。 そのアーティストたちが、どれだけ心を虜にし、夢中にさせる夢を与えてくれるかが大事。人は、憧れの対象に熱い声援を贈る。EXOに触れたら、彼らがその対象になる理由も納得だ。

 今回のライブは、3時間強、アンコールを含め全部で30曲以上を届けてくれた。気づいたら、そんなにも多くの楽曲たちに熱狂していたと言ったほうが正しいだろう。EXOのライブは、「映像」+「演出」+「物語を彩る楽曲」×「ライブパフォーマンス」を組み合わせた、いくつものブロックにより構築していく。

 それぞれのセクションごとに、先に映し出された映像に意識を刺激され、その物語を語り継ぐように、ときには映像に込めた想いを紐解きながら、EXOのメンバーたちのライブパフォーマンスと、そのシーンに相応しい楽曲たちや演出を組み合わせながら進んでいく。

男の色気を解き放ちダンディに迫るメンバー

会場の様子

 冒頭を飾った、メンバーそれぞれの役割を担う姿を映した映像。その物語の続きを成すように、EXOのメンバーたちは雄々しき声を重ね合わせ「前夜(The Eve)」を歌いながら、ファンたちの前へ姿を現した。

 序盤のブロックでは「Growl」など、生まれ出る魂の叫びを響かせるような力強い歌声と、凛々しくもクールに歌い踊る姿を魅力にファンの心に迫ってきた。アタックの強い楽曲を武器にせまれば、雄々しい歌声のハーモニーや一糸乱れぬ鮮やかなパフォーマンスに、誰もが神々しさと強い憧憬を抱いていた。胸をギュッと熱くしながらも、存在感に圧倒されるステージングに、気持ちは早くもグングン吸い寄せられていく。

 「Battle Scene」では、センターステージを舞台にベクヒョンとシウミンが、拳交わす激しいダンスバトルを展開。その熱さを受け継ぐ形で流れ出した映像。そこに描かれた物語を受け継ぐように切ない心の声を響かせながら、カイが「I See You」を、躍動的かつダイナミックなダンスも組み込み熱唱していった。

 EXOのライブの魅力は、長大な物語の合間に、各メンバーのソロコーナーを組み込み、展開する中でフックとなる見出しのようなストーリーを組み込んでいくところにある。しかも、それぞれのソロ/デュオパートが、映像と同じく、次なる物語への序章や終章の役割も担っていく。

 別のシーンでは、メンバー全員がスーツ姿になり、大きなレストランバーを舞台に、アフターファイブを気ままに過ごす様を描き出していた。そのブロックでは、スタイリッシュでソウフルフルな楽曲たちを通し、夜の帳が降りた都会の街を舞台にした恋の駆け引きを繰り広げていた。どの楽曲でも、男の色気を解き放ちダンディに迫るメンバーたち。EXOが繰り広げるナイトパーティに、心痺れる女性たちが後を絶たなかったのも納得だ。

 物語の展開を受け継ぐように、チャンヨルのピアノ演奏に乗せ、ディオがエモーショナルな歌声で魅力的にバラードナンバー「For Life(ENG Ver.)」を歌唱。なんて、胸をキュンとさせる歌だったことか…。

楽園の証人があなたたちです

EXO

 MCコーナーでメンバーは「みなさん、今日のコンサートを楽しみにしてくれていましたか? 僕らも、早く逢いたかったです」「ElyXiOnの意味は楽園。ここはEXOの楽園です。その楽園の証人があなたたちです」など、それぞれが日本語で想いを届けた。

 異なるブロックでは、時にマイクスタンドを駆使したパフォーマンスも披露しつつ、「Ka-CHING!」などカラフルでアッパーな楽曲たちを次々と並べ、ステージの背景にギャンブルに挑む様を描きながら派手に騒ぐ場面を作り出したり、大切な人へ想いを馳せるようにじっくり歌う姿も見せていた。それにしても、「Ka-CHING!」を通してはしゃぐ様がなんて無邪気だったことか。

 切ないバラード曲を受け継ぐ形で、スホが、男の色気を振りまきながら「PlayBoy」を披露。歌声も魅力ながら、アダルトな香りも染み込ませたダイナミックなダンスパフォーマンスに、多くの女性たちの視線が釘付けになっていた。

 途中のブロックの映像では、メンバーたちの居住するビルが、火災などにより壊滅。次々と仲間たちを連れ出し、脱出を図るメンバーたちの姿が映し出されていく。手と手を取り合い、巨大なビルの中を走るメンバーたち。その映像から飛び出すように、扉を開けた先が、そのまま舞台へとシンクロした。

 扉の先から出てきたのは、チャンヨル。彼は、心の叫びを歌に乗せ、自らの気持ちを開放するように「手」を熱唱。後半に見せた高速ラップにも、胸をくすぐられた。

 白いタキシード姿で舞台に姿を現したブロックでは、メンバーたちはエモーショナルかつ心温まる歌たちを届けてくれた。途中、4台のトロッコにメンバーらが2人ずつ乗り込み、後方ステージへ移動し歌う場面も登場。

 移動中にメンバーらが客席へフリスビーやボールを投げれば、観客たちも、メンバーらが通るたびに一層高い声援をぶつけ熱狂していく様を見せていた。中でも、後方ステージで歌ったときには、メンバーもファンたちが手にしていたのと同じサイリウムを振っていたことも、ファンには嬉しかったこと。その白い姿は、彼らの優しさを示した姿のようにも見えていた。

巨大なダンスホールと化した会場

EXO

 今回のツアーは、日本でのファーストアルバムのリリースを前後に挟んだ形でおこなわれた。この日のライブでも、日本ファーストアルバム『COUNTDOWN』に収録した楽曲の中から、いち早く日本語ナンバー「Cosmic Railway」を披露。

 切ない気持ちを振り絞るように「Heaven」を歌ったチェン。神となったメンバーたちが地球を創造する様を見せた映像を挟み、クールにワイルドに「GO」を歌うセブンのソロステージと物語は描き出されてゆく。

 終盤では、『COUNTDOWN』に収録されている日本語曲「Electric Kiss」を皮切りに「Coming Over」「Run This」「Drop That」「Power」と徹底して盛り上がるダンスチューンをEXOは次々とぶつけていった。

 中でも、「Power」を通した満員の観客たちとの熱した声の掛け合いは、否が応でも魂を熱くさせるものがあった。何より、いつしかさいたまスーパーアリーナが、巨大なダンスホールと化していた。

 アンコールでもワイルドな一面を見せれば、彼らの温かい心模様の見える歌声も響かせながら、ふたたびメンバーはトロッコへ乗り、後方ステージへ移動。後ろのファンたちにも、しっかり想いと、その姿を示していった。

 MCでは、メンバーが口々に「みなさんのおかげで、今日は本当に幸せなライブになりました」「みなさんの歓声がとても力になりました」など、ファンたちへの感謝の想いを述べ、「またみなさんを笑顔や幸せにします」「みなさんが僕らのすべてです」「次も、さらにみなさんを幸せにしていきたいと思います」と、これからも一緒に歩んでいくことを誓い合っていた。

 最後にEXOは「Angel」を通し、会場を埋めつくした仲間たちと改めて繋がりあった意志を確認するように歌い、最後の映像も含め、この日の物語の幕を閉じていった。

 興奮と感動覚えるスペクタクル大作映画をリアルに味わってゆく気分で、自らもEXOの描いた映画を彩るキャストの一人となり、共に熱狂と笑顔と幸せを作りあげた、この日のライブ。まさに、この空間こそが求めなければ辿り着けない、最高の楽園だと実感。その楽園、まだまだ続きを見ていたい。