シンガーソングライターのましのみが2月7日に、1stアルバム『ぺっとぼとリテラシー』でメジャーデビューする。3年前にライブデビューし、2016年の3月にヤマハグループが開催する日本最大規模の音楽コンテスト『Music Revolution 第10回 東日本ファイナル』で約3000組の中からグランプリを獲得。キーボードでの弾き語りから“ましらっぷ”と呼ばれる独特なラップまで様々な表現方法と、個性ある楽曲で注目される。少しひねくれた歌詞の世界観や、楽曲にはどのような意図があるのか、彼女が音楽で伝えたいこととは何なのか、ましのみの内面に迫るべく話を聞いた。【取材・撮影=村上順一】

歌手の夢を抑制してきた幼少期

――ライブの時と同様に2リットルのペットボトルが常備されているのですね。ライブの時のみかと思っていました。(※机の上に2リットルのペットボトルが置かれている)

ましのみ『ぺっとぼとリテラシー』

 そうなんです。500ミリリットルを4本買うよりもコスパが良いのと、私はステージドリンクとして水をよく飲むんです。500ミリリットルだとすぐ無くなってしまって、何本も用意しないといけないのでエコにも繋がるんです。エコは後付けですけど(笑)。

――コスパはいいですよね。さて、ついに2月7日にメジャーデビューされます。3年前にライブデビューをされましたが、ここまで早かったですか。もしくは長かった?

 私からすると、この3年間は長かったです。特に始めたばかりの1年、2年ぐらいが特にそう感じました。自分ではトントン拍子にここまで来られた感覚はなくて…。

――経歴を拝見させていただくと、コンテストでグランプリを獲ったり、良いペースでここまで来られたという感じがしたのですが。音楽を始めたきっかけは、そもそもどういったきっかけだったのでしょうか。

 幼稚園ぐらいの頃から歌手になりたいということが根底にありました。単純に音楽と歌うことが好きだったと、先日、実家に帰省した時に親から聞きました。でも、小学生ぐらいからはそのことを人に言わなくなりましたし、自分でも歌手になりたいと思わないようにしました。

――それはなぜでしょうか。

 自分の育った環境が平凡な家庭だったということもあり、どこか歌手という職業がアウトローな職業に見えていました。就職して、結婚して子供を産んで暮らしていく…というのが幸せという環境で育ったので、勉強を頑張って世間一般的な普通を目指すようになったんだと思います。でも、もともと歌手になりたいというのは根底にずっとあったので、それが表面化したのが大学受験の終わったタイミングだったんです。

――10年以上その思いをどこかで押し殺しながら来たんですね。

 あわよくば何かのタイミングで歌手になれないかな、とは考えていたのですが。当時はネットで“歌手になる方法”とか検索したりもしましたから(笑)。

――そうだったんですね。現在はキーボードで弾き語りをしながら歌うわけですが、ピアノを始めたのはいつ頃から?

 3歳ぐらいからピアノには触れてはいまして、本格的にやり始めたのは小学校1年生ぐらいです。音楽は大好きだったので、学校でもブラスバンドとかもやってました。全部軽くですけどね(笑)。でも自分に自身がなくてその道に行くことをあきらめていました。

――常に音楽はそばにあったんですね。以前に受けていたインタビューを拝見して、そこで自信がないと仰っていたのが印象的でした。自信がないようには見えなかったので。

 たぶん自分の生活に自信がなかったんでしょうね…。ライブなどは観に来てくれる、聴いてくれる人がいるので、自信がないという姿は見せられないというのもあるかもしれません。覚悟みたいなものが出来ていると思います。

――本番前の楽屋ではどんな感じですか。

 話しかけられても、すごく素っ気ない返事になってたりします(笑)。繰り返し繰り返しイメージトレーニングをするタイプなんです。

――イメージトレーニングは重要ですよね。おそらくしっかりと理想やゴールが見えていないと出来ないと思いますし。

 昔はセットリストなど大まかなことだけ決めてステージに出ていた時もあったのですが、最善のものを届けるためには、私の場合は事前に準備が必要だなと感じました。楽しませたいイメージはあるので、そこにその場の雰囲気などで変わることも出てはきます。MCなどもその場で変わったりもしますが、元がないとダメですね。

――何を喋りたかったのかわからなくなるときなどありますよね。

 そうなんです! その経験があるから今のスタンスになったというのもあります。