2018年、出だしの音楽ヒットチャートはどのようなものかと各ランキングなどを見てみると、各アーティストの新曲よりも、昨年以前リリースの楽曲が目立っている。中でも紅白歌合戦で披露された楽曲が軒並みランクインしているような印象があった。

 例えば、iTunesの最新トップソングランキングを見てみると、ざっと100位圏内には、安室奈美恵、X JAPAN、ゆず、平井堅、椎名林檎とトータス松本、竹原ピストル、エレファントカシマシ、SHISHAMOなど、紅白出場組が番組内で披露した楽曲が相当数ランクインしている。それはCDでも同じで、15日付オリコン週間ランキングでも同様の動きを見せている。これは、リスナーが「紅白で観て、楽曲を気に入って購入した」という見方で、あながち見当はずれではない気がする。

 昨年の紅白の視聴率は40%割れ、歴代ワースト3位という、数字的には芳しくないような結果だったが、そのフィードバックがネットで膨らむという点を考慮すると、「国民の4割弱がTVで観た」という結果は、凄まじい影響力を持っていると思える。ネットがない時代の「視聴率5割強」よりも、ネットが普及している現在の「視聴率4割弱」の方が、実は世間的には影響があるのではないか? という風にも感じる程だ。

 TVの視聴率とネット閲覧率は、ある時期から反比例して推移し、年々ネット優勢という傾向にあるという感触がある。しかし、たとえば「TVで、YOSHIKIが…」といった主題のネットニュースなど、“TVでのアーティストの動向”そのものをネットで盛り上げるという、ある種の「トピックのカテゴリー」が定着しつつある昨今、TVというメディアの影響力というのは、いつの時代もやはり強力なものであると感じる。

 各種音楽ランキングを見ると、洋楽勢が少し元気がないなと感じるデータが散見される。そこで、紅白のように総括的な、洋楽アーティストのお祭りのような番組があったらどうなるだろう。

 年に一度のイベント的な感じでそれが開催されると、知れ渡っていないだけで国内では埋もれがちな、素晴らしい洋楽に出会える機会が飛躍的に増えるのでは、という希望観測であろうが、TVというメディアの影響を改めて考えてみると、そのように感じる節もある。【平吉賢治】

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