中島美嘉が2017年12月22日、東京・日本青年館ホールで全国ツアー『MIKA NAKASHIMA FULL COURSE TOUR 2017〜YOU WON'T LOSE〜』の東京公演をおこなった。このツアーは11月から始まり、12月29日の東京・Bunkamuraオーチャードホールまで計12カ所をまわる。10カ所目となる本公演では、ツアータイトルに相応しく、過去のヒット曲をはじめ、「曲に恵まれていて、ジャンル問わず歌ってきた」と自身も語った2017年の楽曲までフルコースな内容となった。そして、アンコールでは「私は歌う意味を見つけた。皆の泣く場所を作るのが私の仕事」と話した彼女が届けたステージのもようを以下にレポートする。【取材=小池直也】

まさに『FULL COURSE TOUR』

中島美嘉

 幻想的な映像に続き、不意に黒幕が落ちる。すると、そこにはロックな装いの中島を始め、バックバンドの面々。ギターのカッティングとともに中島が歌い出した。『FULL COURSE TOUR』というタイトルに相応しく、1曲目からヒット曲「GLAMOROUS SKY」を披露。パワフルなこの曲でスタートダッシュしていく。一気に観客は総立ちになった。

 「一色」はメロウなサウンドの中で早口なメロディを歌い上げる。印象的な高い声でエンディング後、「今日をすごく楽しみにしていました。1曲1曲心を込めて歌いたいと思います。最後まで中島美嘉ワールドを楽しんでください」と告げて、「雪の華」へ。イントロが鳴った瞬間に、観客が反応したのがわかった。ピアノと歌が絡み合いながら曲が進行し、段々とバンドが合流していく。先ほどのMCの通り、中島は丁寧にエンディングの音まで歌い上げていった。

 続く「Forget Me Not」を演奏して、ここからはメドレーへ。「ALWAYS」、「ORION」、「初恋」、「WILL」、「愛してる」、「STARS」と彼女の名曲が一口サイズに並べられていった。覆面ダンサーのひとりできるもんも雰囲気を盛り上げていく。

 ここで中島は一度退場。バックバンドの演奏に続いて、セクシーな衣装に装いを変えて中島が再登場。ディストーションギターが効いた「Fighter」をロックに歌った。ポニーテールを振り乱しながら歌う。

 「TOUGH」の歌からは情念を感じさせた。そして「I DON'T KNOW」はファンキーに。オーディエンスとのコール&レスポンスが繰り返される。会場中がタオルを回す光景に中島も笑顔を見せていた。続いて、赤い紐を回しながら歌う姿が印象的な「BLOOD」、豪快なギターのリフが特徴の「LOVE IS ECSTASY」もパワフルに演じた。

様々な曲調を歌った2017年

 さらに今年前半のツアーでも取り組んでいたアコースティック編成で、4曲を披露。「蜘蛛の糸」、「明日世界が終わるなら」、「声」と続けて「僕が死のうと思ったのは」では、歌詞が後ろに表示され視覚的にも心に迫る。最後は激しい振付けを中島自らが演じてエンディング。

 続いてチャイコフスキー「白鳥の湖」のテーマとともにバレエダンサー2人が、優美に舞う。そして、赤いスカートの衣装に着替えた中島が現れた。ここまで衣裳が変わる毎にバラード、ロック、エモーショナル、という様な世界観をMC無しで提示してきた。果たして、ここから何が飛び出すのか、会場の期待が高まっていく。

 衣裳に合わせ、曲調が先程までとは一転。キラキラした「恋をする」でキュートな一面を覗かせた。続いて、MCへ。「今年は曲に恵まれていて、ジャンル問わず歌ってきたんです」と2017年を振り返った。度重なる衣装チェンジについては、「たまにはいいかな? こういうのも」と言い、「この中で好きな中島美嘉を見つけてもらえれば嬉しいです」と語った。

 そして「ここからもすっ飛ばしていきますけど、ついてこれますか?」とオーディエンスを煽ってから、「ベストフレンド」へ。ポップに振り切っていく中島は、間奏では観客に向かって笑顔を向けた。<I won't lose>と伸びやかに歌ってエンディングに着地してから「A or B」。R&B調の緩めなビートの中しっとり歌っていく。オーディエンスからはクラップが発生。バックバンドの演奏も後半にかけて熱を帯びていく。最後はキュートにお辞儀した。

私は歌う意味を見つけた

中島美嘉

 そして、ここからはメドレー。「LIFE」、「Over Load」、「CANDY GIRL」、「TRUE EYES」、「CRESCENT MOON」、と並べていき、「ONE SURVIVE」の終盤は<WOW WOW YEAH>の大合唱が起きた。「ALL HANDS TOGETHER」はモータウン調のビートにのせて、ファンキーな演奏を展開。メンバー紹介を挟んで、曲が終わると中島が退場。サポートメンバーが演奏を引き継いでいった。

 締めは黄色の衣装で登場、「次で最後の曲になります。皆さん本当にありがとうございました」と話して、セットリスト最後は「花束」。中島の透き通る様なファルセットが響いて始まった。切なく歌い上げていく。中島がバレリーナに挟まれる形でエンディングへ。会場からは大きな拍手が贈られた。

 中島はじめ、サポートメンバーがステージから去る。すると「美嘉ちゃん」コールに続き、髪をまとめたカジュアルな姿に着替えた中島がアンコールに応える。まずは玉置浩二の「メロディー」から。ピアノとウッドベースの伴奏が、艶やかな中島のビブラートが際立たせる。しっとりした質感で届けていった。

 「アンコールありがとうございます」と告げて、中島が語り出す。「大人になると家族がいたり、色々なものを背負って、泣く場所がなくない?」と会場に問いかけ、「私は歌う意味を見つけた。皆の泣く場所を作るのが私の仕事なんだ」と決意を明かした。その顔は真剣で、声は純粋だった。

 「今日は来てくれてありがとうございました」と告げ、この夜を締めくくるのは「JOY」。ゴスペル風3拍子の曲だ。<Thank You>というリリックにこのステージを通しての感謝の気持ちを込めて丁寧に歌いあっという間の2時間半は幕を下ろした。13年振りに中島美嘉×HYDEがタッグを組んだ新曲「KISS OF DEATH(Produced by HYDE)が1月20日より先行単曲配信されることが決定し、歌う意味を見つけた中島のこれからに期待が高まる。