GLIM SPANKYが6日、東京・新木場STUDIO COASTで、ツアー『BIZARRE CARNIVAL Tour 2017-2018』のファイナル公演をおこなった。新譜『BIZARRE CARNIVAL』を引っ提げたツアー。松尾レミは「気張らずに格好良いロックのライブをやる!『ロックは生きているんだぞ』ということを伝えたい」と言い、亀本寛貴は「自由に楽しむのがロックのライブだから、今日も自由に楽しんでください」と述べたこの日の公演は彼らの言葉通り、ロックに彩られたものとなった。【取材=小池直也】

GLIM SPANKYのロック精神

 SEと共にバックバンドがステージイン。次いで亀本、松尾が両手を挙げて登場した。大きな拍手が彼らを迎える。この日のステージは「THE WALL」で開幕した。ハスキーで残響強めのメロディが響く。「新木場!」と叫ぶ松尾に引っ張られる様に演奏は熱を増す。

撮影=HAJIME KAMIIISAKA

 「こんばんは! GLIM SPANKYです」とだけ話して、ツアータイトルにもなった「BIZARRE CARNIVAL」へ。可愛らしいハミングの後ろで、亀本のギターが“饒舌”だった。シンセサイザーの“笛”の音でエンディングへ。続いて「The Trip」。ツアーの終わりに旅を薦める粋な計らいだ。

 そして松尾が「ツアーファイナル、やっとこの光景が見れました。皆さんありがとう。最高にイケてるロックな夜にしたいと思いますので、宜しくい願いします」とMC。その後、亀本がブルージーなソロギターを披露。オーディエンスから歓声が上がった。続いてファンキーな「ダミーロックとブルース」を始める。サビと質感と松尾の声がマッチしている。

 「いざメキシコへ」。ドラムの8ビートからオルガンとギターが合流し、楽曲がスタート。演奏は4つ打ちのダンサブルなものに変化し、フロアを揺らした。さらに「怒りをくれよ」では、疾走感溢れる展開で拳を突き上げる観客たち。パーカッション・朝倉真司がフィーチャーされた「END ROLL」は紫の照明がミステリアスな雰囲気を演出。ゆがんだベースも効果的に混ざる。松尾のブルーノートな歌唱に魅せられた。

 雰囲気は一転、メロウな「闇に目を凝らせば」へ。エモーショナルなサビが胸を撃つ。松尾がアコースティックギターを弾いた「Velvet Theater」はテンポが2倍になる展開を交え、緊張感を作り出した。そして「お月様の歌」になると、亀本がアコースティックギターで伴奏。松尾がハンドマイクで歌いあげていく。ハスキーさを押さえたクリア目の声で綺麗なメロディが紡がれていった。

 ここで松尾が「(皆さんに)出会えて嬉しいです。あけましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします」と新年の挨拶。さらに来年5月に決まった武道館公演についても言及してから「気張らずに格好良いロックのライブをやる。『ロックは生きているんだぞ』ということを伝えたいので」とも語った。亀本も「自由に楽しむのがロックのライブだから、今日も自由に楽しんでください」と松尾とは対照的な楽天的MCで良いコントラスト。

好きな物を好きなまま、キラキラした瞳で居続けたい

 「吹き抜く風のように」で演奏に戻る。低い声で歌う松尾がスポットライトを浴びて、キャッチーなサビに繋がる。照明との連携もばっちりだ。オーディエンスは手を挙げて、先ほどのMCの通り、自由に楽しんでいる様子。次の「Freeder」でも自由が強調される。爽やかな風を感じる様なサウンドが吹き抜けていった。

撮影=HAJIME KAMIIISAKA

 そしてメロディアスな歌の裏でドラムが激しく切り込む「美しい棘」、トライアングルを無邪気に叩きながら歌う松尾が可愛くて仕方がない「白昼夢」と並べていく。そして松尾が昨年末におこなったアムステルダムとパリの旅行について観客に話してから、ドイツ語で日曜日を意味する「Sonntag」を披露。ギターをかき鳴らしながら、気だるく歌った。

 ステージは佳境へ。ドラムが鳴らす8ビートの中、亀本がノイズを出して、タイミングよく全員がブレイク。そして提示されたのは「ビートニクス」のイントロだった。さらにこれだけ歌い続けても、松尾の声は力を失わない。「NEXT ONE」ではバンドの演奏に身を任せてから、ギターを弾き始める松尾。亀本も前方までせり出して、早口なソロでまくしたてた。

 セットリスト最後は「アイスタンドアローン」。速過ぎないテンポでもロックなグルーヴで魅了する。ワンコーラス歌って「ありがとう新木場!」と松尾が叫ぶと、フロアは大きな拍手で沸いた。サビでしゃくり上げる歌も絶妙なバランス。最後は全員で轟音を出して演奏が終わる。

 オーディエンスからはアンコールが。それに応えるGLIM SPANKY。再登場すると、まずサポートメンバーをスペシャル演奏付きで紹介していく。本日のメンバーはドラムス・かどしゅんたろう、ベース・栗原大、キーボード・中込陽大となっていた。

 そして「新曲やります」と松尾が話して、アンコールは「愚か者たち」から。アッパーなサビに向かってギアが上げるロックチューン。振り切ったギターソロからサビに戻る展開で心が踊る。

 続いて「大人になるってどういう事か、わからなかったんです。でも私が大人と言われる年齢になった時に好きな物を好きなまま、キラキラした瞳で居続けたいなと思って作った曲です」と松尾が説明して「大人になったら」を歌う。その彼女の想いが伝わってくるかの様なパフォーマンスだった。松尾と亀本が向かい合いながら演奏する姿も感動的だった。

 「次が本当に最後です! 皆、本当に最高!」と叫び、この日の締めは「褒めろよ」。オーディエンスとコールアンドレスポンスを繰り広げてから、突き抜けるサビ。アウトロではステージの両端でパフォーマンスする松尾と亀本。テンションを保ったまま完走した。フロアを埋め尽くしたオーディエンスからは“自由に”大きな歓声と拍手が贈られた。

セットリスト

撮影=HAJIME KAMIIISAKA

01.THE WALL
02.BIZARRE CARNIVAL
03.The Trip
04.ダミーロックとブルース
05.いざメキシコへ
06.怒りをくれよ
07.END ROLL
08.闇に目を凝らせば
09.Velvet Theater
10.お月様の歌
11.吹き抜く風のように
12.Freeder
13.美しい棘
14.白昼夢
15.Sonntag
16.ビートニクス
17.NEXT ONE
18.アイスタンドアローン

ENCORE
01.愚か者たち
02.大人になったら
03.褒めろよ