<記者コラム:オトゴト>
 『第68回NHK紅白歌合戦』(2017年12月31日、NHKホール)のリハーサル取材をしました。私が初出演組で注目したのは、K-POPアイドルグループのTWICEさんと、エンターテイナーの三浦大知の2組です。

TWICE

リハーサル時のTWICE

 リハーサルでも彼女たちのパフォーマンスは見ましたが、実際の放送を観て感じたのは、TWICEが今年の『紅白』に開いたワームホールだったのではないかということでした。音楽的には、世界のトレンドが現れていたという点で、他の日本勢とは異なる一面が出ていました。現行のK-POPは、J-POPっぽいメロディと海外規格のリズムが上手く組み合わせられているのが特徴です。

 TWICEの「TT -Japanese ver.-」では、ビルボードのチャートインする楽曲らと同じ音色を使った、早すぎないダンサブルなビートが採用されています。それに加えて『気分逆撫で』というリリックを「kit-boon/sack-a/na-day」歌う様な英語ライクな歌唱と、可愛いダンスにも心を奪われました。

 世界トレンドを押さえたビートを鳴らしながらも、メロディはJ-POP的、歌唱は英語ライク、でも日本語歌詞、可愛いダンス。日本でも世界でも受け入れられる、現行のK-POP(≒洋楽)をTWICEさんは上手に『紅白』に持ち込んだと言えると思います。

三浦大知

三浦大知

 続いて、三浦大知さんです。素晴らしいパフォーマンスでした。バックダンサーは、三浦さん自身がスカウトしたというダンスチーム・s**t kingz(シットキングス)のメンバーを中心とした8人。世界でも評価されている、<1、2、3、4>というカウントではなく、音や歌に対して振付をする彼らの方法論については、以前当欄でも取り上げています。

三浦大知、「めちゃイケ」での姿勢にみたリズムへの細部の追及
http://www.musicvoice.jp/news/20171031078795/

 三浦さんのハイライトは本人を含めたダンサー9人が音無しでシンクロする『無音ダンス』と言えます。日本の『間』や『禅』に言及するのは深読みかもしれませんが、静寂の中で息を合わせながら同期する行為は、とても日本人らしい様に思われましたし、彼らのダンスパフォーマンスは「無音」でも音が聴こえてきそうな迫力がありました。

 TWICEさんと三浦大知さん。価値観の異なる先端パフォーマンスの『ダンス』は今回の紅白の見どころにもなったような気がします。そして、忘れてはいけません。E-Girlsさんのダンスパフォーマンスも大変、魅力的でした。【小池直也】