5人組アイドルグループのミラクルミラクルの子供人気がすごい。2017年4月からテレビ東京系6局ネットで放送されている女児向け特撮ドラマ『アイドル×戦士 ミラクルちゅーんず!』。劇中で悪と戦うアイドル5人がテレビから飛び出して活動するのが彼女たちだが、全国のショッピングモールでのイベントでは数千人規模の観客を押し寄せるという。その人気を確かめるべく、福岡でのイベントを取材。多くの観客のなかで夢中になっている親子の姿を目の当たりにした。

ショッピングモールに3000人も

ミラクルミラクルのイベントの様子

 イベントの模様を届ける前に、彼女たちとそのドラマを説明したい。『アイドル×戦士 ミラクルちゅーんず!』は、人間界とは異なる世界「音楽の国」を舞台に、持つ者に不思議な力を与える『サウンドジュエル』と呼ばれる宝物を巡り、世界征服を企む魔王と手下である毒毒団ら魔の手から「音楽の国」を救おうとする妖精「リズムズ」と、ミラクルミラクルが結成したアイドル戦士 ミラクルちゅーんず!が戦うという物語。総監督を『無限の住人』『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』『ラプラスの魔女』など代表作に持つ三池崇史氏が務める。

 そのミラクルミラクルがテレビから飛び出し、実在のアイドルグループとして活動。今年6月に一ノ瀬カノン、神咲マイ、橘フウカの3人でドラマオープニング曲「Catch Me!」でデビュー。9月に発売した2ndシングル「JUMP!」では、劇中で3人のライバルとして登場したアイドルユニット「カリカリ」の白鳥アカリと、白鳥ヒカリが加入。現在は5人体制になっている。

 そして、彼女たちの人気ぶりは数字に表れている。先の「JUMP!」は、オリコン週間ランキング初登場7位を記録。Amazonのキッズカテゴリー、童謡カテゴリーでは1位を獲得。

ありそうでなかった女児向け特撮

チェキ会に応じるミラクルミラクル

 実際に彼女たちの人気を確かめるべく、直近の今月10日におこなわれた、福岡県のイオンモール大牟田のイベント会場を取材した。取材に先立ち、人気の理由をいくつか考察を立ててみた。

 魔法少女もののストーリーと言えば、70年代の赤塚不二夫氏による『ひみつのアッコちゃん』や90年代の武内直子女史による『美少女戦士セーラームーン』、最近では『プリキュアシリーズ』などの漫画やアニメのイメージが強い。

 実際に女児向けの特撮実写ドラマは、1993年に放送された『有言実行三姉妹シュシュトリアン』以来、この『アイドル×戦士 ミラクルちゅーんず!』が実に24年ぶりだ。アニメの世界ではなく、AKB48以降の「会えるアイドル」ならぬ「現実世界で会えるヒロイン」として彼女たちの人気に火が付いたという側面は大きいと考えられる。テレビで観ていたアイドルが実際に目の前に現れて、ふれあえるということは夢の様であることは間違いない。

 そして、彼女たちは、視聴者である子供たちと年齢が近いという点もある。ドラマの設定では小学6年生から中学2年生で構成されているが、実在の彼女たちも同世代。子供たちと年齢が近い彼女たちが、大人顔負けの本格的なダンスと歌によって、「彼女たちのようになりたい」という憧れを強くしていると思われる。

 さらに、親世代も幼少期に観た『有言実行三姉妹シュシュトリアン』などと、彼女たちを重ね合わせ懐かしさを感じている部分もあるだろうし、子供が見ているうちに、親がはまってしまうことも考えられる。

タレントの木下優樹菜は自身のインスタグラムでミラクルミラクルとの記念撮影写真をアップし「長女がどハマりしわたしも一緒にどハマりしている」とファンを公言している。

福岡での反響

ミラクルミラクルの会場に訪れていた子どもたち

 さて、今回わざわざ福岡を訪れたのは、直近で開催されたのがこのイベントであったことと、一定数の集客が見込める東京とは異なる別の地域での反響をみることで真の人気を計るためだ。

 そして、訪れた10日のイオンモール大牟田のイベント会場。記者が目の当たりにしたのは、ステージを取り囲む観客が2階の通路にまで溢れていた光景だった。ステージから離れた場所では子どもに彼女たちを見せたいと必死になる親の姿も多く見られ、家族総出でのイベントとして盛り上がりを見せていた。とにかく、子供たちの多さに驚いた。

関係者によると、開店前から長蛇の列ができ、開店と同時にライブが見やすいように場所取りするためにダッシュする親が多く見られたという。イベントではステージ前に優先エリアが設けられている。この優先エリアへ入場するための、優先エリア入場チケットの為に長蛇の列ができるという。この日のイベントでも抽選式となっている入場チケットに関して、Twitterなどで「外れてしまった」などとの声が上がり、そのプレミアム感を物語っていた。

 彼女たちはどのようなパフォーマンスをして、そして、観客はどのように彼女たちをみたのか、イベントの様子をレポート形式でお伝えしたい。

熱狂する子供たち

ハイタッチ会に応じるミラクルミラクル

 イベント前には5人による公開リハーサルがおこなわれた。ステージ袖に彼女たちの姿を確認すると、子どもたちの歓声が会場に響く。リハーサルと言っても、本番さながらの歌唱とキレのあるダンス、統率されたフォーメーションを見せる彼女たちに否が応でも期待が高まる。

 イベントは会場の観衆が「ミラクルミラクル~!」と呼びかけるところからスタート。
アッパーチューンの2ndシングル「JUMP!」からデビュー曲の「Catch Me!」を立て続けに披露し、会場をヒートアップさせる。

 まだあどけなさの残る表情からは想像できないパフォーマンスで会場を盛り上げる5人。サビでは観衆の子供たちに「せーの!」と呼びかけ、一緒にジャンプするなど、一体感を演出した。

 リーダーのマイは「『JUMP!』は歌詞に合わせた振付になっているので、一緒に盛り上がってくれると嬉しいです」と、観衆に積極的に呼びかけていた。

「Catch Me!」ではカノンがインタビューでもお気に入りの曲にあげていたこともあり、ステージでも楽しそうに歌う姿が印象的だった。

 メンバーが「『アイドル×戦士 ミラクルちゅーんず!』を観てくれていますか?」と呼び掛けると子どもたちが「ハーイ!」と元気よく応じる。
3度目となるリリースイベント。今までイベントに来たことがあるかどうか尋ねると、観衆の半分以上が手を挙げた。リピート率の高さも彼女たちの人気を物語っている。

 そして、それぞれの自己紹介から第3期のエンディング曲となっている「Happy」を披露。アカリは「『Happy』は凄く可愛らしい曲になっていて、手で『L』を作って踊るサビの振付が、特に可愛くて大好きです」と話し、その後のパフォーマンス中では、観衆の子供たちとともに笑顔で踊っていた。

 そして、最後は12月20日にリリースされた新曲「天マデトドケ☆」のダンスレクチャーした後に同曲を歌唱。彼女たちのイベントではダンスレクチャーが毎回恒例となっており、この参加型のイベントも人気の要因だろう。

 「天マデトドケ☆」はビートの効いたダンサブルなナンバーだ。サビのダンスは難易度の高い激しい動きもあるが、子どもたちなりに楽しそうに身体を動かしていた様子が印象的だった。

 観衆のほとんどの子供が立ち上がり、両手を振り上げながら笑顔で踊っていた。直接言葉にしなくとも、彼女たちの「多くの人を笑顔に、幸せにしたい」という想いは子どもたちに十二分に伝わっている、そういうことを感じさせたステージだった。

メンバー5人はどう思っているのか、イベント前にインタビューをおこなった。

 子どもたちの心をつかんでいる彼女たち。本人はこの光景をどう思っているのか。直接話を聞いてみた。

――現在、すごく沢山のお客さんが観に来てくれていますよね。

神咲マイ はい。お父さんやお母さんも子供達と一緒に盛り上がってくれて本当に嬉しいです。沢山の人がイベントに来てくれている今の環境に感謝して、一つひとつのイベントを全力で頑張りたいです。

一ノ瀬カノン イベントで、手作りのうちわやお母さんが作ってくれたコスチュームなど着て応援してくれている姿を見ると、本当に嬉しいです!

白鳥ヒカリ 私はイベントなどで踊っている時に、名前を呼んでくれることがとても嬉しいです。またファンレターに「将来は、ミラクルちゅーんず!になりたい」「ヒカリちゃんみたいになりたい」と書いてあって、そう思ってくれる子たちがいると思うと凄く嬉しいです。

――応援されるのはやっぱり嬉しいですよね。ダンスや歌の練習は大変ですか。

白鳥アカリ 1列のフォーメーションなどがなかなか揃わなくて大変ですが、みんなで心を1つにして練習をたくさん積み重ねて頑張っています。

――その甲斐もあって素晴らしいダンスですよね。みなさんがミラクルミラクルで特に好きな曲を教えてください。

橘フウカ 私は「天マデトドケ☆」がお気に入りです。サビの部分が簡単で真似しやすい振付になっているので、みんなで一緒に踊れたらと思います。間奏の部分も格好良い振付になっているので、その部分にも注目して欲しいなと思います。

一ノ瀬カノン 私は「Catch Me!」です。私たちのデビューシングルで、すごく思い入れがあります。聴くと改めて頑張らなきゃと思える楽曲なので、いつも聴いています。

――新曲の「天マデトドケ☆」はどういう風に聞いてもらえたら嬉しいですか。

一ノ瀬カノン 夢を追いかけているひとへの応援ソングになっていて、私自身も聴くと頑張ろうと思える楽曲です。皆さんには自分の夢を想像しながら聴いてもらえたら嬉しいです。

――間もなくリリースイベントが始まりますが、意気込みを聴かせてください。

橘フウカ 歌もダンスも全力で頑張るので、パフォーマンスに注目してほしいです。そして、会場に来てくれている皆さんに笑顔と元気を与えられるように、頑張りたいと思います。

神咲マイ 私たちのイベントは、みなさんと一緒に歌って踊って盛り上がれるというのが、1番の魅力だと思うので、今日も一緒に盛り上がりたいです。

白鳥ヒカリ ミラクルミラクルが好きな方はもちろん、私たちのことを知らない方たちにも興味を持って、大好きになってもらえるようなパフォーマンスをしたいと思います!

肌で感じた人気

会場に集まった人々

 活動からまだ1年も経っていないが、記者が取材した福岡では、多くの人々が朝から長蛇の列を成し、その姿を一目見ようとし、観ているだけで笑顔が溢れるといった、これほど人心を掴んで離さない彼女たちの姿を目の当たりにした。それぞれにこの活動を通し得られたものは大きい。

 イベント後にはハイタッチ会とチェキ会がおこなわれ、メンバーと観客が直接ふれあう。当然、長蛇の列ができる人気ぶりだ。ハイタッチには男の子や、大人も参加し老若男女問わず惹きつけられる魅力を持っていることが窺い知れた。チェキ会では泣いてしまった幼い子をメンバー全員であやす、彼女たちの“お姉さん”ぶりも垣間見えた。

 観客の中には、ドラマで彼女たちが変身した際に身に付けているコスチュームで訪れていた子どもたちや、メンバーの名前を張り付けた手作りのうちわなど、大人顔負けの熱狂ぶりを思わせるアイテムも数多く見られた。

 彼女たちとのハイタッチ、チェキでの撮影を終え、笑顔で駆け回る子どもたちの笑顔を見て、彼女たちがこの子どもたちに、もたらしたものの大きさを実感することができた。それは、どんな人にもヒーローやアイドルは存在していて、それらを観て抱いた憧れや正義感といったものは、大人になっても決して忘れることのない思い出だ。

 それは、子どもたちの両親もきっと感じていることだろう。そして、成長の実感と自信、ミラクルミラクルのメンバーがこの活動で得たものは、これから彼女たちがやがて大人になっても、大きく寄与するものになるだろう。彼女たちの人気の高さを肌で感じることができた取材となった。【取材・撮影=松尾模糊】

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