<記者コラム:オトゴト>
 GACKT氏による本名公開は話題を集めたが、そこで率直に綴られた内容に私は驚いた。音楽産業は縮小傾向にあり、先行き不透明感が漂う。それは日本経済にも言えることだが、CD産業のバブル期と言われた時代から同氏は、産業界を俯瞰して見ていたという、

 GACKT氏は仮想通貨を、産業革命同等あるいはそれ以上のインパクトになるという趣旨で綴っている。そして、ピンと来ない人も来ている人もその流れに自然と飲み込まれるとも。また、GACKT氏は2020年以降の日本産業にも触れている。東京五輪以降の経済を不安視する声は以前からあるが、同氏も同様の見解を示し、それらを鑑みて仮想通貨事業に参画するとしている。

 興味深かったのは音楽産業について触れていることだ。その部分をGACKT氏のブログより抜粋して引用したい。

15年程前の話だ。
当時は、CDバブルの真っ只中だった。
売れ線の曲を出せばなんでも売れる、
そんな時代だった。
歌う人そのものより、いかに売れる路線の曲を出すかという時代。
当時のレコード会社の役員は、ボクのスタジオに何度も顔を出し、同じように世の中の売れ筋を書かせて、100万枚以上売れる曲を作ることを求めて来たが、ボクは頑なに拒否をした。

枚数を売るためだけに生産するアーティスト活動は、1年と持たない。
実際に翌年で消えるアーティストが山のようにいた。
たとえもっても2、3年で消えていく。

ボクは、30万枚ぐらいのコアなマーケットを丁寧にしっかりと作り上げ、それを20年やり続けることに意味があると言い続けマニアックだと言われても自分の音楽スタイルとボクにしかできない独自のステージを追求し続けた。

ボクのステージに関しては利益を度外視し、「アカが出なければ構わない」と徹底的にカネを突っ込んで制作し続けた。

内外より多くの反発はあったが、これにより、ボクは強固な独自のマーケットを作ることができた。

だが、浮かれてはいられなかった。

ボクが30歳を迎えた時、CDバブルもまた絶頂期を迎えていた。
もともと機械オタクのボクは、違法ダウンロードにもいち早く反応していたがそんなボクのアタマに突然、一つの考えがよぎった。

【このCDバブルは直に弾ける…】
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【CDはこの世から無くなる】
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【ミュージシャンは、CDで食べていけなくなる】
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【ステージ活動のみで、売り上げを立てるスタイルに変わる】

CDの売り上げで、思い通りにカネを突っ込んでいたボクGACKTのステージも今後いずれ出来なくなるという考えに辿り着く。

 音楽市場は世界的にも縮小傾向にある。そのなかで日本は世界2位の市場規模と言われている。しかし、実情は厳しい。GACKT氏の発言はなんだか、目を背けていた現実を突きつけられた気分だ。今回の発言でいよいよ考えなくてはならないのではないかと感じられたのは私だけだろうか。【木村陽仁】