乃木坂46の生田絵梨花(20)が25日、東京・豊洲PITでおこなわれた、MTV主催アンプラグドイベント『MTV Unplugged:Erika Ikuta from Nogizaka46』に登場、初のソロライブをおこなった。

 幼少より本格的にピアノに携わり、高い演奏技術と豊かな表現力で、乃木坂46のステージはもちろん、音楽番組やテレビドラマ、舞台などでも演奏を披露する実力を持つ生田は、今年は念願のミュージカルにチャレンジする機会を得ており、大作『ロミオ&ジュリエット』、『レ・ミゼラブル』で重要な役に抜擢されるなど、その才能は大いに認められ、一人のアーティストとしての実力も注目されている。

生田絵梨花

生田絵梨花

 また『MTV Unplugged』といえば、アコースティックな手法とオーディエンスとの親密な距離にこだわったライブ空間を実現する、MTVの大人気企画。1989年にニューヨークで初めて実施されて以来、エリック・クラプトンやマライヤ・キャリー、オアシスといった世界的スーパースターが出演を果たしたことでもよく知られるイベントであり、一方では「出演できるのは一流の証し」とさえいわれることもある。

 日本でも宇多田ヒカル、平井堅、布袋寅泰、KREVA、絢香ら錚々たるメンツがその出演に名を連ねており、そこに生田の名が加わることで、大きな注目を集めている。さらにこの日はMTV史上初の生放送ライブを敢行ということもあり、多くの関心が、この日の彼女のステージに集中した。

「今自分にあることを表現できれば」豊かな実力で披露された歌

 いつもより心なしか静かな会場。ステージスタートの直前は、用意された弦楽四重奏、2人のバイオリンとビオラ、チェロの4人が一堂にAの音を合わせ始め、幕開けの緊張感をさらに引き立てていた。そして定刻、会場の照明は一気に落とされた。ステージには照明がともされ、鈴の音が。その音をリズムに四重奏がハーモニーを奏で始める。するとステージに設置された櫓の情報から生田が登場。正面の階段からゆっくりと下りてくるとともにアコースティック楽器の演奏が始まり、ステージはいよいよ始まりの時を迎えた。

生田絵梨花

生田絵梨花

 1曲目は乃木坂46のナンバー「私、起きる。」。グルーヴィーな16ビートのリズムに乗せて、アコ-スティックのシンプルかつ豊かな音色がハーモニーを形成し、生田の伸びやかな歌を引き立てる。乃木坂46で披露される歌は、複数人数で歌われるフレーズも多く、どちらかというとフラットな歌い方ではあるが、この時、生田はミュージカルの舞台を彷彿する伸びやかで表現力豊かな歌声を披露。曲自体が新鮮に感じられる上に、生田自身の実力の程も発揮され、聴きごたえのあるステージを展開する。

 一方で「初めてのソロに、いろいろあり過ぎて追いついていないですが、今自分にあることを表現できれば」と若干緊張した面持ちを見せながらも、前向きな気持ちでステージに立ったことを明かしている。続いた「君は僕と会わない方がよかったのかな」「ないものねだり」は「卒業」をテーマとし、乃木坂46の同期の卒業生を思って歌ったことを明かしている。

 中盤は趣向を変え、生田の好きな楽曲、歌いたい楽曲がセレクトされた。前田敦子がオリジナルを歌った「右肩」は、生田が特に歌いたいと思っていたという楽曲。欅坂46の「二人セゾン」も同様だが、歌を自分のものにするにあたり「もともと歌詞の解釈が難しくて、何度も読み込んで、ようやく自分なりに思えてきた」と苦労したエピソードを告白。逆に歌詞の意味をきっちりと解釈することが必要と考えることに、生田の歌に対する真摯な意向、プロ意識がうかがえるところだ。曲に真剣に向き合った結果は、その歌で見せた豊かな表現力に現れ、聴く者に強いイマジネーションを引き起こさせていた。

 一方、ミュージカルに深い造詣を持つ生田だけに、ディズニー作品の楽曲は外せないと、選んだのは、アニメ映画『塔の上のラプンツェル』の「輝く未来」と『アナと雪の女王』「生まれてはじめて」。アニメ作品自体にも強い思い入れを持つという生田だが、その強い思いが深く感じられるような歌声を披露。特にミュージカル的な歌い方の映える楽曲だけに、ここは生田の本領発揮とばかりに伸びやかな歌を披露した。

「どんな現場にいても、乃木坂46が私のホーム」改めて乃木坂46愛を告白

 そして終盤。改めて歌、音楽で大きく躍進した今年1年を振り返り、様々な出会いや機会に感謝しながら「どんな現場にいても、乃木坂46が私のホーム」と改めて宣言、観衆から改めて温かい拍手を受ける。そのありったけの思いを込めて、最後は乃木坂46の楽曲へ。

生田絵梨花

生田絵梨花

 アルバム人気曲「きっかけ」から、自身がセンターを務めた10枚目のシングル「何度目の青空か?」へと続き、ラストに「乃木坂46にとって大事なのはもちろん、私にとってもかけがえのない曲」という「君の名は希望」を披露。かつて『AKB48紅白対抗歌合戦』でAKB48の渡辺麻友とコラボしたり、亡き音楽プロデューサーの佐久間正英さんとデュエットしたことなどを振り返りながら、この日は生田自身のピアノの弾き語りにて披露、その艶やかな歌声で、しっかりと思いを込めこの日のステージを締めくくった。

 さらにアンコールに応え登場した生田は、この日のステージを無事に終えたことにほっとした様子を見せながら「自分にできることはいっぱいあると思うので、皆さんの目に、耳に届くように精一杯頑張って行けたらと思います」と改めて自身の可能性への挑戦に向けた意気込みを語る。

 そして“ここからは普段の私”とばかりに“Plugged”サウンドによる「低体温のキス」「オフショアガール」、そして文字通り感謝の気持ちを込めた「ダンケシェーン」へ。本ステージから一気に趣向を変えたステージから見える“絵梨花!”“絵梨花!”と一色に彩られた歓声、黄色一色のサイリウム、そして生田の名が刷られたタオル。ある意味また新鮮な雰囲気を感じた生田は、観衆とのステージを楽しむ。そして終焉、去る直線にこの日がクリスマスであったことをふと思い出したという生田は「みんな、メリークリスマス! 素敵な夜を過ごすんだぞ! よいお年を!」とラストメッセージを残し、感謝の気持ちとともにステージを去った。【取材・撮影=桂 伸也】

セットリスト

『MTV Unplugged:Erika Ikuta from Nogizaka46』
2017年12月25 @東京・豊洲PIT

01. 私、起きる。
02. 僕が行かなきゃ誰が行くんだ?
03. 君は僕と会わない方がよかったのかな
04. ないものねだり
05. 右肩(cover:前田敦子)
06. 二人セゾン(cover:欅坂46)
07. 輝く未来(ディズニーアニメ映画『塔の上のラプンツェル』より)
08. 生まれてはじめて(ディズニーアニメ映画『アナと雪の女王』より)
09. きっかけ
10. 何度目の青空か?
11. 君の名は希望

encore
E01. 低体温のキス
E02. オフショアガール
E03. ダンケシェーン