GLAYのギタリストでコンポーザーであるTAKUROが11日に、Zepp Tokyoでソロワンマンライブ『GLAY TAKURO Solo Project 2nd Tour“Journey without a map 2017”』をおこなった。昨年リリースされたギターインストアルバム『Journey without a map』を引っさげて、2月の1stツアーに続き2回目の開催。11月21日の大阪・Zepp Nambaを皮切りに、12月28日の神奈川・Motion Blue yokohamaまで全7公演をおこなうというもの。アルバム曲以外の新曲も多数披露し、オーディエンスを魅了した。(取材=村上順一)

ミュージシャンとして最高の栄誉

TAKURO

 会場にはジャジーなBGMが流れ、大人の空間を演出、期待感が高まるなか、定刻になるとサポートメンバーとフォーマルなスーツ姿のTAKUROがステージに登場。オープニングナンバーは「流転」。川村ケン(Pf)によるシンセパッドの音が幻想的に会場を包み込む、そこにTAKUROのレスポールから奏でられる甘いトーン。

 このレスポール独特の“ウーマントーン”と呼ばれるセクシーな音色で、丁寧にメロディーを紡いでいく。サックス、グランドピアノなど生楽器による贅沢な空間。楽器と人間との対話が聞こえてきそうな静寂のセクションから、一気にアグレッシブなロックパートへと流れ、緩急をつけた流れで耳を引き寄せる。また、ギターとサックスのユニゾンはエナジーに満ちていた。

 「2月と同じメンバーで繰り広げていますが、回を重ねるごとに化学変化があって楽しい」とツアーの充実度を話すTAKURO。ここで新曲を投入。「Timeless Wonder」と名付けられた楽曲はTAKUROの、ジャジーな新たな引き出しを開けたかのような世界観を提示。作曲時のエピソードとして歌詞が一緒に降りてきてしまうと話す。その一部をユーモアを交え披露。<東京の街は〜♪>と東京を連想させる歌詞で、ダンディな低音が効いた歌声で会場を和ませ、アットホームな空気感を醸し出していた。バンドではなかなか聞けないトークも、このソロライブの魅力の一つだ。

  そして、つい先日発表された、GLAYの楽曲をブライダルで使用する際、著作隣接権を無償にするという件について語るTAKURO。人生のターニングポイントとなる結婚式や卒業式などで楽曲を使ってもらえることはミュージシャンとして最高の栄誉だと、音楽愛に溢れたMC。さらに今年他界されてしまった故・ムッシュかまやつさんとの思い出を話すTAKURO。「もっと音楽の話を聞いておけば良かった」と後悔の念もあることを告げ、ムッシュをイメージしたという新曲「ZUZU」をギターのみで披露。セミアコ1本で楽曲を奏で、円熟味を増していくその姿に、未来のTAKURO像が見えてくるような瞬間だった。

「あなたといきてゆく」を大合唱

ライブのもよう

 一際、アグレッシブな演奏で沸かせた「RIOT」。GLAYでもおなじみ永井利光(Dr)や岩永真奈(Ba)など凄腕のメンバーによる熱量の高いアンサンブルは、躍動感に満ち、TAKUROもそのメンバーから発せられる音を、楽しむかのようなパフォーマンス。その勢いのままファンキーなグルーヴが体を揺らす「SARA Funk」。サックス奏者・前田サラの血潮を感じ取れるようなサウンドとフレーズは、観客の感情を揺さぶり続ける。

 「ギタリストとして何かGLAYに貢献できないか、ということがきっかけでこのソロアルバムを制作。いろんなミュージシャンと出会って世界の広さを知ったし、自分の新たな目標、夢もできました」と語るTAKURO。本編ラストに披露されたのは、アルバムのタイトル曲でもある「Journey without a map」。TAKUROの過去、現在、未来が詰まっているかのようなギタープレイ。巧みにトーンを使い分け、ギタリスト・TAKUROとしてのアイデンティティを放つ。

 アンコールでは、クリスマスが近いということもあり、新曲として「Swingin'Christmas」披露。街中で流れるクリスマスソングの中の定番曲の一つになれたらと想いを馳せ、クリスマスベルの音色に導かれるように、軽快なスウィングしたリズムとメロディは、12月のきらびやかさを音で演出。

 そして、11月22日にリリースされたGLAYの55枚目となるシングル『WINTERDELICS.EP~あなたといきてゆく~』に収録の「あなたといきてゆく」を、TAKUROらの伴奏でオーディエンスがシンガロングするというスペシャル企画。前野サラのサックスのメロディをガイドに、美しい歌声が響き渡った。

 ラストは故郷を想う心情が曲と音色から存分に感じられた「函館日和」。丁寧にギターを奏でるTAKURO。哀愁漂う、人間性がにじみ出ている演奏は、オーディエンスの体に浸透していく。TAKUROのメロディが持つ力がZeppを特別な空間に変えていった。

 ギタリストとして新たなステージに立ったTAKUROの2回目のソロツアーは、インストライブという括りに縛られない、チャレンジ精神にも溢れていた。彼にしかできないステージをこれからも提示してくれるという期待感に満ちた旅は、12月28日まで続く。

(おわり)

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