結成10周年を迎えた3MC+1トラックメイカーのシクラメンが11月29日に、移籍第一弾アルバム『SHIKURAMEN』をリリース。メンバーはDEppa、肉だんご、桃紅茶、電球の4人組。今年は4月にベストアルバム『スルメBEST』をリリースし、33公演を廻った全国ツアーも開催。さらに9月にはエステーのドライペットのCMに楽曲とともに自身たちも出演するなど精力的に活動。新たな一歩となるグループ名を冠したアルバムを完成させた。この10年を振り返ってもらうとともに、CDの盤を手に取ってもらいたいと強く願う思いや、10年経った今でも僕らは三流だと話す4人に話を聞いた。【取材=村上順一/撮影=片山 拓】

三流残留決定です(笑)

――みなさんは蒲田出身なんですよね。

DEppa(撮影=片山 拓)

DEppa 僕と肉だんごと桃紅茶は蒲田です。電球は東京の外れの出身なので全員ではないんですけど(笑)。

――そうでしたか。蒲田は有名なミュージシャンの方は多い街なのでしょうか。

DEppa 僕らの近くでいうとDef TechのMicroさんとか、あと、蒲田の隣の大森には鈴木雅之さんや桑野正博さんが出身ですね。そんなに多くはないかもしれません。あと、大田区にはSEKAI NO OWARIがいますよね。割と中学が近かった。

――でも凄い人たちばかりですね! そして、今や蒲田を代表するシクラメンも今年は結成10周年というアニバーサリーな年な訳ですが、改めてこの10年を振り返るといかがですか。

DEppa 言ってみれば電球くんと出会って10年ですね。それまでは僕と肉だんごと桃紅茶の3人で遊び感覚でやっていた感じなんです。電球くんと出会って本格的に活動するようになって、1人1人ファンが増えていって、本当に10年も続けてこれるとは思っていなかったです。でも、僕らが頑張ったから続けてこられたわけではなく、繋がってくれた人だったり、支えてくれるファンだったり、関係者の方々がいて10年続けてこれたと思っています。感謝と人と人との繋がりしかないなと感じています。

――電球さんありきで始まった感覚もありますね。

DEppa 本当にそうです。電球くんがいない時代はブラック・アイド・ピーズのインストを流してラップをやってましたから(笑)。でもだんだんファンが増えてくるとやっぱりオリジナルじゃないとやっていけないと思って。そこで電球くんを紹介してもらってインディーズでCDを出したりして、きちんとした活動が始まっていきましたから。

――キーマンとなった電球さんのこの10年間はいかがでしょうか。

電球 キーマンですね(笑)。僕もサラリーマンをやりながら、いろんな方にトラックを提供したりという活動をしていて、シクラメンの活動と同時にサラリーマンを辞めたました。第2の人生と言ったら大げさかもしれないですけど、リスタートを切った感覚はありました。もうサラリーマン時代よりもシクラメンの活動の方が長いので、大人になってからの全てが今ここにあります。考えてみるとこれh凄いことです。

桃紅茶 僕はもともと夢もなくて、「どうしようかな」と考えていた20歳ぐらいの時に、DEppaが「音楽を一緒にやらないか?」と誘ってくれました。そこから、こんなに素敵で濃密な10年が待っていたんだなと思うと感慨深いです。でも僕はこの10年間は長いようですごく短く感じています。

――桃紅茶さんは誘われてすぐに500人ぐらいの観客の前で歌わされたと聞きました。

DEppa そうそう、Def TechのMicroさんも出ていたイベントに参加してもらって。

桃紅茶 そうなんです。もともとシクラメンのファンだった自分が、いきなりそんな大舞台で。もうライブ中は下しか見てませんでしたから(笑)。

肉だんご シンデレラストーリーだよね(笑)。僕はもう山あり谷ありだったんですけど、この4人で乗り越えてきたというところが一番大きいです。3人でやっているときは学芸会の延長で、電球が入って真剣に活動するようになって、そこからの10年はあっという間でしたね。「波に乗らなきゃ」という必死な感じで気づいたら10年経っていたという感覚です。

桃紅茶(撮影=片山 拓)

桃紅茶(撮影=片山 拓)

――個人的に気になっていたのですが、メジャーデビューした当時、僕らは3流だというお話をされていたのですが、現在はいかがですか。

肉だんご 今でも三流ですね(笑)。そこはまだ変わらないです。

DEppa 年数はきっと関係ないんです。やっぱり一流を知っているからこそ、そう思ってしまいます。周りにいる先輩方、例えばゆずさんとか超一流なので、比べてしまうと僕らはどんなに背伸びをしても三流なんです。10年活動してきた今でもそう思います。

 場所で表してしまうとライブハウスをメインで活動しているのは三流で、ホールツアーが二流、アリーナーツアーが出来るようになったら一流かなと。もちろんライブハウスの良さもあるので、単純に規模で表した場合ですけど、そんな感覚があります。

 やっぱり一度ドームクラスを経験した人と喋ると人柄が違いますから。一流のオーラと余裕を感じます。でも、僕らはこのフレッシュな感じのまま超一流を目指しています。地元の兄ちゃん感が溢れているのに、「実は昨日ドームでした」みたいな感じです(笑)。

肉だんご とりあえず、10年経っても三流残留決定です(笑)。

――おそらく見据えている高さが高いんですよね。

DEppa 僕らはもともとアリーナクラスを簡単に回れちゃうようなアーティストを目指しているので、なかなか昇格はないですね。一個一個の目標をクリアーして「ヨシ!」という感覚はありますけど。

電球 一流の人たちもまだまだ自分が行けるという向上心を持って、活動しているのが伝わってきますから。

肉だんご 保守的な人なんかいないよね。

DEppa 一流の方たちには少し休んでもらいたいよね(笑)。同じ発売日にならなければちょっと上に行けるかもしれないし。みなさん僕らの何十倍も攻めていますから、本当に凄いですよ。

設計図段階が採用されたジャケ写

――今作のタイトルは『SHIKURAMEN』とグループ名を持ってきたところに、決意を感じます。リード曲も「ADVENTURE」と新たな幕開けを感じさせる楽曲ですし。

肉だんご(撮影=片山 拓)

肉だんご(撮影=片山 拓)

DEppa 僕らも聴いてくださる方々もそうだと思うのですが、人生は一生冒険なんです。私主婦だし、もう35歳だし、とかを理由に夢を諦めてしまった人ってたくさんいると思うんですよ。でもそれって違うと思っていて、40歳からだって夢は見れますし、「主婦だって冒険できる!」というところで「ADVENTURE」を作りました。これを聴いて自分の中で火がついてくれたら嬉しいです。

――確かに年齢や立場は良いわけですからね。過去には『スルメ』という作品がありましたが、今作にもスルメというコンセプトは生きていますか。

DEppa 人生は各々あって、その中で音楽を聴いたり、それが支えになったりあなたのおつまみ的な存在になって欲しいというものがあります。それは今でも変わっていなくて、『SHIKURAMEN』というタイトルでも、毎日の生活に寄り添えるような作品にはなっています。ライフミュージックになってくれたら嬉しいです。タイトルは変わっても気持ちは変わらないです。

――根本には常に“スルメ魂”があるわけですね。このアルバムを完成して今はどういった手応えがありますか。

肉だんご このアルバムが世に広がらなかったら、一体何が広がるんだという感じです。完成した時からずっと言ってまして、どうしても広がってほしい1枚になりました。僕らの真骨頂が全面に出ていると思います。

――今の心境でオススメの楽曲はありますか。

肉だんご 今ですと「カマンティーノ」ですね。今までは「kamataっ子」という曲を歌ってきたんですけど、今回ちょっとグレードアップしました。地元の大切さや熱さ忘れていない<変わらずに変わっていく>というDEppaが言った言葉が諸に出た曲です。

桃紅茶 今回レーベルを移籍して、全国ツアーも33公演と自身最大規模でやって、そのツアー中にレコーディングもしていて、10年目ということもあって、いろんな想いがこのアルバムに僕は詰まっていると思います。移籍して新しいシクラメン、だけど変わらないシクラメンも見せれたなと感じています。オススメの楽曲は「君は太陽」ですね。

――デモ段階から気に入っていたみたいですね。

桃紅茶 そうなんです。ずっと家で聴いてますから(笑)。

DEppa 桃はデモ段階から聴きこむタイプなんですよ。聴き込みすぎて本チャンに苦労するんです。デモを超えられないという(笑)。

電球 「デモの時の方が良かったでしょ!」みたいなことを言われますから。

桃紅茶 はは(笑)。そういうこともあるんですけど、今回はアレンジも完璧だし、後半の展開も素敵な感じでした。

DEppa 桃は一般的な目線で曲を聴けるので、“桃推し”の曲は是非みなさんに聴いて欲しいですね。そういえば電球くんの推し曲ってあまり聞いたことないね。

電球 僕も強いて言えば「君は太陽」か「メロディー」かな。ツアーの合間を縫ってギュっとしたスケジュールのなかで作ったアルバムは初めてに近かったです。タイトな中で最大パフォーマンスを出すという挑戦でもあったり、そこで形になって良かったという思いがまずあります。あと、CDショップに買いに行って欲しい一枚に仕上がりました。ジャケットやブックレットのなかのアートワークにも拘らせてもらいましたし、自分の顔がジャケットに出ているのが初めてなんです。

――絵ですけどね(笑)。でもこの初回盤ジャケットのデフォルメ具合には悪意を感じますね…。

一同 (笑)。

DEppa これはツアー中の車のなかでiPadで描いたのでこんな感じに(笑)。後で綺麗に描きなおしたんですけど、これを越せなかったんです。実はジャケット裏面の写真を説明するのに描いた設計図だったのですが、これが面白くて(笑)。一回iTunesのアートワークにも入れて見てたら、これがすごく良かったんです。

電球 このアートワークを見せられた瞬間、作品の方向性が見えましたからね。

――これがCDショップに並んでいたら手に取りますよ。割と衝撃的な事実でしたが(笑)。

電球 確かにジャケットでデモが採用されるということはあまりないかもしれないです。これを受け入れてくれたレーベルの懐の大きさを感じます(笑)。

肉だんご 相思相愛だからね。

――DEppaさんのオススメ曲は?

DEppa 僕はやっぱり苦労したということもあり「メロディー」ですね。過去に「MUSIC」という曲があってそれをずっと歌い続けてきて、音楽の持つ力をまざまざと感じてきて、音楽の力で人と繋がって支えたいという思いがあります。その原点に帰って作った曲なので、「メロディー」はこの先10年は歌い続けていきたいです。

電球(撮影=片山 拓)

電球(撮影=片山 拓)

――今回のDVDには「メロディー (10th Anniversary Special)」としてライブ映像をはめ込んでいますよね。

DEppa そうなんです。いつもだったらツアーが終わって、映像化するんですけど、今回は規模感のこともあって作らなかったんです。ファンにとってはライブ映像があって、そこに「メロディー」が乗っているというスペシャル感があるものになったんじゃないかなと思います。

――映像といえば「ADVENTURE」のMVも収録されています。そっくりさんですけど、ラストのメンツにびっくりしたのですが(笑)。

DEppa もう今回は何をやっても良いということだったので(笑)。僕らはいつもオチをつけるのが好きで、それを理解してもらえたというのもすごく嬉しかったです。シクラメンの良いところを引き出してもらったMVでした。これを観たら今までのファンの方はもちろん、初めて観る人にも楽しさは伝わると思います。

――なかなかCDを手に取るという僕らの時代では当たり前だったことが、当たり前じゃなくなってきたのは寂しいですね。

DEppa そうなんです。僕なんか学校行く途中でCDを買って、学校で開けて帰りの電車で歌詞を眺めながらワクワクして帰ってましたから。GLAYさんの歌詞カードにHISASHIさんの写真があるとかで感動して(笑)。

――あのフィルムを剥がすところから楽しかったですから。

DEppa それを伝えたくて僕らもたくさんライブやって、サイン会などで直接手にとってもらえるような活動をしています。

電球 ちょうど僕ツアー中にHi-STANDARDさんのアルバムがリリースされて、リハの合間に買いに行って手にとった瞬間にすごく懐かしかったんです。久しぶりに新譜をワクワクした気持ちで買えたなと。今回のアルバムもみんなにこういった気持ちになってほしいなと強く思いました。

DEppa この気持ちは買わないとわからないんだよね。もらったCDではちょっと難しくて。3000円出して買ったCDってすごく大事にしますから。配信も便利でいいんですけど、やっぱりパッケージも含めて手にとってもらいたいという思いがあります。

――今作はジャケ買いもあり得ますよね。

電球 ありますね(笑)。僕も8センチシングル時代はジャケ買いしてましたし。

――ジャケ買いで失敗するのも良い思い出なんですよね。

DEppa 全曲バラードだった時の絶望感とか。

桃紅茶 ある(笑)。選曲で選んでオルゴールバージョンだったとか。

肉だんご でも、僕らのCDは失敗させないぞという思いはありますよ! 

DEppa その経験が生きている部分もあります。

電球 だから僕らはいろんなタイプの曲を入れてるというのもあります。曲順にもすごくこだわりますし。あと次の曲に行くまでの“曲間”と呼ばれるところも試行錯誤しますから。それが配信だと薄れてしまうんです。

アルバムを届けるのが最優先

――今年はドライペットのCMに今作に収録されている「あっぱれニッポン!! 」のドライペットバージョンが使用され、カッパとして出演したりと、活動の幅を広げられて。

シクラメン(撮影=片山 拓)

DEppa そうなんです。人と人との繋がりで頂いたご縁なので、CMに出れるなんて考えたこともありませんでしたから。反響もすごくて、やっぱり流れている数が違いますからね。

肉だんご LINEの友達が増えたよね。この反響はメジャーデビュー以来ですよ。

電球 有名になると親戚が増えるみたいな感じです(笑)。関係者の方から「CMに出ると一気に今の人になるよ」と言われた言葉を、実感している最中です。

――6年ぶりのインパクトがあったわけですね。それにしても、あのカッパの着ぐるみは暑そうですね。

DEppa 脱ぐとまた着るのが大変なので、10時間以上着っぱなしでした。

肉だんご 僕なんか足と手が圧迫されて紫色になってました(笑)。あれウェットスーツに塗料を塗っているのでかなりガチガチに硬くて...。

DEppa それと汗疹がすごくて、身体中が痒くて痒くて(笑)。手袋の中に体から伝った汗が溜まってましたから。背中のジッパーを開けるだけでめちゃくちゃ涼しいんですよ

――ということは肉だんごさん痩せちゃいました?

肉だんご それが全然(笑)。合間に美味しいご飯が出るので、それを食べていたので...
。でも、夏だったので過酷でしたね。本当に締め付けられているから、スーツを着ている間は細く見えましたし(笑)。

DEppa 本当にいい経験をさせて頂きました。蓄積されたパワーが発揮できそうな経験が多くて、僕ら的には今までにない1年でした。まだこれからワンマンもあるし、なんか今までにないくらい1年が長く感じています。

――様々な経験をされてきて、今掲げている目標はどこに置いていますか。

DEppa 来年は2000人、3000人クラスのホールを埋めたいというのがあります。その先は日本武道館、横浜アリーナというのが変わらずに描いているので、そこに行くために僕らが何ができるのかを考えてやって行くこれからになって行くと思います。でもまずはこのアルバムを届けるというのが最優先です。

肉だんご このアルバムが出てこれからもシクラメンは動き続けると思うので、常に活動をチェックしてもらいたいです。このアルバムをきっかけに世界へシクラメンを轟かせたいです。

桃紅茶 これからも勇気など背中を後押しするようなパワーを届けていけると思うので、2018年、19年、20年とシクラメンから目を離さないでいてほしいです。

電球 今日出てきた曲以外にも良い曲がたくさん入っているので、どの曲が良かったかツイッターでリプください(笑)。

DEppa “人生のおつまみ”というつもりで曲を作っていますけど、そのおつまみ感覚で好きになると人生になってしまう人が多いと思います。それぐらいになってしまって良いと思うので、一緒に楽しい季節を過ごしたり出来ることがシクラメンの良さだと思います。騙されたと思ってこのCDを聴いてもらえれば、毎日が変わって行くと思うので、是非手に取ってもらいたいと思います。

作品情報

[初回限定盤]
品番:    UICZ-9101 (CD+DVD 2枚組)
価格:    税込 4000円 税抜 3704円
レーベル:   USM

SHIKURAMEN [通常盤]
品番:    UICZ-4415
価格:    税込 3000円 税抜 2,778円
レーベル:   USM

発売日: 11月29日

【CD収録曲】
01. ADVENTURE (作詞:DEppa 作曲:DEppa、宮井英俊 編曲:宮井英俊)
02. メッセージ (作詞:DEppa 作曲:DEppa、電球 編曲:電球)
03. JUMPMAN (作詞:DEppa 作曲:DEppa、電球 編曲:電球)
04. mahalo (作詞:DEppa 作曲:DEppa、宮井英俊 編曲:宮井英俊)
05. おめでとう ありがとう (作詞:DEppa 作曲:DEppa 編曲:電球)
06. ずっとそばにいる (作詞:DEppa 作曲:DEppa、宮井英俊 編曲:宮井英俊)
07. その先の鳩オヤビン -skit- (Word:シクラメン)
08. あっぱれニッポン!! (作詞:DEppa 作曲:DEppa、宮井英俊 編曲:宮井英俊)
09. カマンティーノ (作詞:DEppa 作曲:DEppa、宮井英俊  編曲:宮井英俊)
10. オリジナルライフ (作詞:DEppa 作曲:DEppa、電球 編曲:電球)
11. 君は太陽 (作詞:DEppa 作曲:DEppa、電球 編曲:電球)
12. メロディー (作詞:DEppa 作曲:DEppa, 電球 編曲:電球)

【初回限定盤のDVD収録内容】

●ADVENTURE Music Video
●メロディー (10th Anniversary Special)
●エステー “ドライペット” TV CM
●エステー “ドライペット” TV CMメイキング映像