長崎出身4人組ロックバンドのLAMP IN TERRENが11月26日に、東京・渋谷CLUB QUATTROでツーマンライブ『LAMP IN TERREN TOUR 「FOR TRUTH」』のツアーファイナル公演をおこなった。9月29日の福岡・BEAT STATIONを皮切りに、11月26日の東京・渋谷CLUB QUATTROまで13公演をおこなうというもの。この日のゲストはGOOD ON THE REEL。お互いのポテンシャルを引き出すようなステージで会場を盛り上げた。この日、LAMP IN TERRENの大屋真太郎(Gt)が体調不良により出演が危ぶまれたが、無事に復帰しファンを安堵させた。アンコールでは松本大(Vo、Gt)と千野隆尋(Vo)の2人でGOOD ON THE REELの楽曲「せい歌」を歌うなど、ツーマンならではのコラボも見られた。【取材=村上順一】

GOOD ON THE REEL「僕らの色を添えさせてください」

ライブのもよう(撮影=(C)浜野カズシ)

 開演時刻になるとLAMP IN TERRENの松本大(Vo、Gt)がステージに。ここで大事な話があると切り出した。それはギタリストの大屋真太郎(Gt)がリハで体調を崩し、現在病院で診察中とのことだった。不安がよぎる会場。大屋が戻ってくることを信じライブの幕は開けた。

 トップバッターは、GOOD ON THE REEL。SEに乗って5人がステージに登場。幻想的なシンセのパッドサウンドから「ペトリコール」でライブはスタート。まずは徐々に内面から熱を誘発させるような始まり。そして、一気に爆発させるかのように「雨天決行」へと流れ込んだ。暑いバンドサウンドに後押しされ、千野隆尋(Vo)の歌はガムシャラ感満載の熱いエネルギーを放つ。繊細さと荒々しさが同居したパフォーマンスで一気にGood On The Reelの世界観に惹き込んでいく。

 千野は大屋の事態を受けて「この時間に何が起きるかはわからない。でも、僕らは全力でやらせてもらいたい」と意気込みを話し、「さよならポラリス」を披露。ミラーボールが回転するなか、空間に絵を描くようなサウンドスケープ。情景が目の前に広がるミディアムナンバーでオーディエンスを扇情させていく。

 宇佐美友啓(Ba)は「三年前にLAMP IN TERRENとここで対バンした。その時から『PORTAL HEART』を聞き込んでいたから嬉しかった。ツーマンは特別で、好きな人から告白されたみたい」と照れくさそうに話す。

 ライブは後半戦へ突入。浮遊感漂うサウンドに、その風に乗ってユラユラと揺れるように踊る千野。届けられたのは「シャボン玉」。続いての「ゴースト」では宇佐美と高橋誠(Dr)によるリズム隊の密度の濃いエネルギー、伊丸岡亮太(Gt)と岡崎広平(Gt)によるツインギターによるコントラストと、そのバンドの放つパワーに触発されるかのように、フロアから多くの手がステージに向かい掲げられた。その光景を見て、千野は笑顔を見せる。

 ここで、大屋がこの場所に向かっていることが告げられ、会場は歓喜のエネルギーに満ちた。千野は「ファイナルに僕らの色を添えさせてください」と投げかけ、一筋の光が希望を照らし出してくれるような感覚を与えてくれた「銀河鉄道の朝」を届けた。間奏中にフロアを見渡す千野の姿が印象的であった。

 「未来は自分で作っていくもの。自分たちらしく楽しんで、そして、感動して帰ってください」と投げかけ、ラストは代表曲「ハッピーエンド」。彼らの放つ、ポジティブなエネルギーに触発され、会場はこれまでにないほどの一体感に包まれた。<ハッピーエンド待ってるの♪>その言葉がリアリティを帯びるかのように、LAMP IN TERRENへと繋いだ。

LAMP IN TERREN「終わりという名の始まり」

ライブのもよう(撮影=(C)浜野カズシ)

 ステージにはひし形のオブジェの中に、赤、青、黄、緑のランプが灯る。SEが流れると、メンバーステージに登場。間一髪本番に間に合った大屋真太郎(Gt)の姿が確認できると大きな歓声で迎えられた。会場全体に緊張感が走る中奏でられたのは新曲「NEW CLOTHES」でスタート。混沌とした空気感が醸し出す、彼らにとっても新境地とも言えるサウンドスケープを見せる。様々な感情が渦巻くような音は、静かに我々を扇情させていく。

 そして、その空気感を断ち切るかのように「涙星群の夜」、「キャラバン」とアップチューンによる躍動感で盛り上げていく。ここまでの楽曲の弾いている姿を見る限り、いらぬ心配だと思わせるほどのプレイで魅了する大屋。ここで、大屋からこの日、起きたことが説明された。リハ中に下半身の痛みを感じ、病院へ行ったことなど丁寧にオーディエンスに報告。戻ってこれるかわからなかったが、無事にツアーファイナルを迎えられたことに、涙ぐむ大屋の姿。

 ライブの起爆剤となる「林檎の理」から、静脈と動脈を彷彿とさせる2つのダイナミクスで聴かせる「heartbeat」、さらに“運命とは何か?”を問うシリアスでクールなナンバー「innocence」と、振り幅の大きな展開で盛り上げていく。中原健仁(Ba)と川口大喜(Dr)によるリズム隊がグイグイとオーディエンスを引っ張っていくような圧巻のグルーヴ。

 ここで松本はこの1年を振り返る。もう辞めてやろうかと思ったと話すぐらい昨年は追い込まれていたという。その中で、今まで自分じゃない誰かを目指していたということがわかったと告げ、アルバム『fantasia』のリリースからワンマンツアーを経て、自分以外の何者にもなれないことに気づいき、その答えは、みんなの前に立つときに胸を張って俺は俺だと言える自分になることだと話した。

 川口が語ったように「終わりという名の始まり」を感じさせる決意だった。「ぼくの歌はいつでも、この先に誰かが効いているという意識の中で生まれてきている。それしかないという気持ちをそのまま書きました」と、迷いを吹っ切った松本が作り上げた新曲「花の詩人」。儚さと優しさが混在した楽曲は、しっかりと会場にいる人たちの体に浸透。これからのバンドにマストとなる予感を感じさせた。

 迫真の歌と演奏を聴かせた「pellucid」と代表曲のひとつ「緑閃光」。迷いなどないその歌は以前よりも強く光り輝いているようだった。松本は「いつも以上に今の僕らの音を聴いてほしい」と想いを語る。それは現在への自分たちへの自信の表れだと感じた。そして、「メイ」へ。情感を込めた歌声が響き渡るなか、本編を終了した。

 アンコールでは、松本が一人でステージに登場。アコギを抱え、GOOD ON THE REELの千野を呼び込み、2人だけで1曲披露することに。選ばれた曲は千野が「この曲を選ぶとは思わなかった」と少し驚いたというGOOD ON THE REELの「せい歌」。松本は今の心境にあっていると話し、2人の歌声が混ざり合い、オーディエンスを包み込んでいくようだった。

千野隆尋と松本大(撮影=(C)浜野カズシ)

 千野がステージを後にすると、LAMP IN TERRENのメンバーがステージに。続いて届けられたのは、彼らの楽曲の中でも一際ダンサブルな「地球儀」を披露。ギターを持たず、ハンドマイクで歌い上げる松本は間奏で客席に降り、オーディエンスと体を弾ませながら、盛り上がる。さらに歌いながら奥へと進み、会場の後方で熱演。ボルテージは最高潮まで高まっていった。

 「自分たちに刻み付けるように歌います!」と宣言し、ラストは「L-R」を全身全霊で届ける。フロアには腕を高々と挙げるオーディエンスの姿。新たなバンドの門出を祝福しているかのような光景のなか、『TOUR “FOR TRUTH"』の幕は閉じた。

 葛藤の1年を乗り越えたLAMP IN TERREN。来年からは毎月26日に200人限定のワンマンライブを渋谷Star loungeで開催することを発表。そして、松本はさらなる挑戦もあると宣言。2018年の4人はどのような姿を見せてくれるのだろうか。

セットリスト

LAMP IN TERREN
01.NEW CLOTHES
02.涙星群の夜
03.キャラバン
04.林檎の理
05.heartbeat
06.innocence
07.花の詩人
08.pellucid
09.緑閃光
10.メイ

ENCORE

EN1.せい歌(GOOD ON THE REEL)
EN2.地球儀
EN3.L-R