来年9月に引退することを発表している歌手の安室奈美恵(40)が23日、NHKの特別番組「安室奈美恵『告白』」に出演。番組は「平成のヒロイン」「新しい自分」「引退」の3章で構成し、安室は息子への思いや歌手活動の中で抱えた葛藤、さらに、20代後半によぎったという“引退”について率直に語った。

この5年間はファンのため

 安室はこのなかで引退理由について言及した。決断の背景には様々な要素があったとしつつ、40歳・デビュー25周年というタイミングは「歌を歌う自分自身にピリオドを打つにはすごく良い節目の年なんじゃないかなと思いました」とし、この年が最適であると明かした。

 実は安室、35歳・デビュー20周年の時に、引退時期を決めていたという。この年、夢だった「大きな会場でのコンサート」を、5大ドーム8公演のドームツアーで実現させた。安室はこれよりも前、「リアルに引退が目の前に来たのは20周年の時だったので、これはもう、いまがそういう時期なのかもしれないな」と想い、マネージャーに、このドームツアーが終わった以降の「21年目、22年目も仕事をしていくかは考えさせてください」と伝えた。

 自分の気持ちを整理し、問いかける一年だった20周年だったが、この一年が終わっても引退は出来なかった。ただ、全てをやり尽くしたという気持ちがあったという。そのため、「どうすればいいんだろう。燃え尽きてしまっていたので、次、何をするのか考えられずにしばらくいて」という状況にあった。

 そうした心境のなかで、前を見ることが出来たのはファンのお蔭だったという。「こんなんじゃいけない、ファンの方が悲しんじゃうから、自分が今まで以上にワクワクしたり、ドキドキするにはどうしたらいいんだろう」と自身と向き合い、引退を25周年に定め、残りの5年間をファンにコンサートで楽しんでもらう期間に位置づけた。

 昨年から今年にかけて40都市100公演のホールツアーを実施した安室。その意図はファンへの感謝だったといい、「25周年の時にやってしまうと、しんみりして泣いてできない。自分だけのツアーのテーマ、お礼をするっていう」との気持ちで臨み、25周年のコンサートはいつものように「明るく、とにかく楽しみ切るコンサートにしたかった」とその胸の内を明かした。

20代後半で引退ちらつく

 また、安室は、20代後半に引退がちらついたことも明かした。手探りでの活動を続ける中で、「相談できないことが一番の大きな悩みでもあって、引退の文字がチラついた時ですら、誰かに相談するとか、言うことができず。どうしようかな」と苦悩を抱えた中で、「ふと、デビュー当時のことを思い返すことがあって」という。

 デビューできたことを喜ぶ一方で、「『でも一生続けていく仕事じゃないな』って、その時に思ってしまって、始まりがあれば終わりがある、デビューがあれば絶対的に引退が来るっていうのはニコイチのセットで考えていたので」と感じていたという。

 デビュー当時、「引退するときは、絶対絶対、大きなコンサート会場で引退コンサートをするんだ」との夢も抱いていた。それ苦悩の最中にあった20代後半の頃に思い出し、「とにかく必死な顔してもがけばいいじゃん」とポジティブに活動に打ち込んだことも明かした。
 引退まで10カ月と迫る中、「いつもの自分らしくやれればいい。みんなと一緒に楽しめる空間を作って、楽しい一年になれば私はうれしいなって思います」とコンサートでファンに会えることを楽しみにしている様子だ。【朝倉浩正】

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