<記者コラム:オトゴト>
 16日に、2017年度末に行われる『第68回NHK紅白歌合戦』の出場者が発表、リトグリことLittle Glee Monsterの名前が上がっていたことが印象的だった。

 あまり深くは考えていなかったが、思えば今年はリトグリに始まり、リトグリに終わりそうな一年となりそうだ。今年初めにおこなわれた、初の武道館公演は「一年の始まりに、すでに今年のベストライブが決まってしまった」と、自分の中でショックを感じる程、素晴らしい公演だった。

 寸分たがわぬハーモニーの上に、若さとその思いが導いた情熱が溢れるライブ。正直ボーカルグループには疎い私であるが、そんな自分ですら引き込んでしまった彼女たち。このライブの半年前に、とある番組収録の現場で初めて見た彼女たちは、その歌声以外は、どこにでもいそうな女子高生、そんな印象にとどまっていた。が、次の瞬間に発したハーモニー一発で、すっかりやられてしまった。

 ネット社会と言われたり、様々な表現が溢れている現在、一つのことを極めるということは逆に地味と思われ、ニッチな方面でないと持ち上げられない傾向もみられる。音楽にしてもしかりで、命懸けで美しい音を求める音楽家より、奇抜でインパクトのあるパフォーマンスの方がもてはやされ、改めて「音楽って、何だろう…?」などと考えさせられる。当然メディアや世の注目を集めるのは、大々的なプロモーションによる効果もあるだろう。

 彼女たちにしても、その効力によるシーンの台頭という構図は、完全には否めない。しかし、やはり彼女たちの芯にあるのは、彼女たち自身の“歌”にあるように思える。彼女たちの武器は、その完璧なまでの精度を誇りながらも、伸びやかに響くハーモニー。実はそれ以外に何かあるのかと言えば、私にはわからない。しかし“ただそれ一本”でここまで大きな注目を浴びていることを高く評価したい。

 年末まで1カ月ちょっとだが、この一年はあちこちで彼女たちの名を聞いた。そしてこの紅白出場。しかし武道館でのライブのタイトル「はじまりのうた」のとおり、これがピークでなく、この一年が始まりだったと思いたい。純粋なものが良いと思われる流れ、そういうものをリトグリの動向には感じられるからだ。【桂 伸也】