ロックバンドのTHE COLLECTORS(ザ・コレクターズ)が3日に、東京・中野サンプラザホールでデビュー30周年を記念したライブツアー『THE COLLECTORS 30th Anniversary TOUR “Roll Up The Collectors”』のファイナル公演をおこなった。この日はライブ中、ギターの古市コータローから中野サンプラザホールでのライブステージが実に22年振りのライブであることが伝えられ、ツアーファイナルであることも重なり、感慨深さを感じさせるステージとなった。【取材=桂 伸也】

ザ・コレクターズというバンドの色が、はっきりと現れたステージ

(撮影=柴田恵理)

 ボーカルであり、コンポーザーの加藤ひさしを中心に、1986年に結成されたザ・コレクターズ。結成後ほどなくしてギターの古市コータローが加入、その後ベーシストとドラマーの幾度かのメンバーチェンジを経て、現在の山森“JEFF”正之、古沢“cozi”岳之が加入し現在の体制として活動を続ける。時に危機的状況を迎えながらも、ザ・コレクターズは30年という長きにわたり歩みを止めなかった。

昨年末には22枚目のアルバム『Roll Up The Collectors』をリリース。さらに3月には初の日本武道館ワンマンライブをおこない6月より本ライブツアーを開始させ、精力的に活動。さらにこの日は来年1月から、これまでライブDVDなどを度々リリースしてきた、彼らと深い関係を持つライブハウス・渋谷CLUB QUATTROでのマンスリーのワンマンライブを、12カ月連続でおこなうことを発表と、まだまだその勢いが止まる様子はない。

 ステージは、2011年に発表された18枚目のアルバムのタイトルナンバー「地球の歩き方」でスタートした。ステージ背面に電飾で彩られた「THE COLLECTORS」の文字が、躍動するリズムと相まって、会場の観客の気持ちを一気にアゲていく。

<地球の上を歩く時には 知らない道を歩いてみるのさ 見知らぬ街で 知らない自分に出会えるかも>と“ひょっとしたら険しい道のりになるかもしれない、しかし前に進まなければ何も始まらない”彼らなりの応援歌を、のっけからこの日訪れた人々へぶつけていく。まるで“待ってました!”と言わんばかりに反応する観客。そのやり取りは、まさしく彼らの歩んできた30年の積み重ねの結果を示しているようでもあった。

 前半は気持ちがどんどん上向いてきそうな、アクティブな8ビートを中心に、会場の熱を上げていく。最新アルバム『Roll Up The Collectors』の「ロマンチック・プラネット」から、2001年の2月アルバム『SUPERSONIC SUNRISE』の「MILLION CROSSROADS ROCK」、さらに1997年の11thシングル「TOUGH(all the boy gotta be tough)」と、セットが進む中で、ザ・コレクターズのタイムトラベルが始まる。堅実にラインを刻む山森のベースに、派手なフィルが小気味いい味を醸し出す古沢のドラム、そしてロック魂全開の古市のギター。一見シンプルながら、バンドサウンドとしてザ・コレクターズというバンドの色を、加藤のメロディラインとともにはっきりと表現していく。

 加藤こそ派手なデザインのスーツを着て登場したが、そのデザインすらもバンドが必要としているビジュアルの1ピースを埋める一片と見えるほどに、作り上げられた姿。彼らは、極端に飛び回ったりするなどの奇抜なパフォーマンスもない一方で、そのサウンドと完成されたビジュアルでザ・コレクターズらしさを表現し、それを欲する観客の思いに応えていた。

「最高のライブができた。ありがとう!」集大成を飾る

(撮影=柴田恵理)

 中盤では「カラス」のようなスローバラードもしっかりと聴かせる加藤。妙な緊張感があるわけでもなく、MCではおどけた様子を見せるが、彼らは見せどころ、聴かせどころを決して外さない。さらに、この日唯一、古市が歌う「マネー」では観客も大きな声を上げ、バンド、観客がお互いを触発しステージを盛り上げる。そしてスリーコードのブルースのインストナンバーを3人で披露した後は、ラストナンバーの「がんばれG・I・Joe!」まで一気に駆け抜けるようにステージを進行させていった。

 そして、ここまでのステージに飽き足らない観客からのアンコールに応え、登場した古市、山森、古沢の3人は、いきなり強制ウォーミングアップとばかりにディープ・パープルの「Burn」のイントロをたたきつけるようにお見舞い。そして再び登場した加藤とともにアンコールを実施。

 彼らの代表曲である「僕はコレクター」を披露し、加藤が最後のメッセージ。多くは語らなかったが「最高のライブができた。ありがとう!」と感謝の言葉を告げながら、掛け合いもおこない、さらに観客との距離を近づけていく。そして迎えたエンディングには、当初予定されていたアンコール曲からさらに臨時で一曲「恋はヒートウェーブ」を追加披露し、観客からの絶賛の声を集めていた。

 ロックならではの、気持ちがワクワクしてくるようなリズム、“サイケデリック”な雰囲気を多く感じさせるハーモニーと、彼らのメッセージを存分に込めた詞、曲と、どこを切ってもザ・コレクターズの魅力が満載であったこの日のステージは、今後も自身のスタイルを確立した上で、新たな目線を吸収していこうとする姿勢も垣間見られた、充実したものとなった。

セットリスト

『THE COLLECTORS 30thAnniversary TOUR “Roll Up The Collectors”』
2017/11/3 @東京・中野サンプラザホール

01. 地球の歩き方
02. ロマンチック・プラネット
03. MILLION CROSSROADS ROCK
04. TOUGH(all the boy gotta be tough)
05. 孤独な素数たち
06. 悪の天使と正義の悪魔
07. That's Great Future 〜近未来の景色〜
08. Stay Cool! Stay Hip! Stay Young!
09. 問題児
10. カラス
11. 希望の舟
12. マネー
13. (インストナンバー)
14. 東京虫バグズ
15. NICK! NICK! NICK!
16. ノビシロマックス
17. がんばれG・I・Joe!

encore

EN01. 世界を止めて
EN02. 僕はコレクター
EN03. 恋はヒートウェーブ