<記者コラム:オトゴト>
 先日『日本政府が年度内に副業と兼業を解禁する』という内容のニュースが話題になりました。終身雇用が難しくなり、より柔軟な働き方を模索する時代がやってくるかもしれません。

 音楽シーンを見ても、そういう動向は既に現れています。例えばミュージシャンでありながら、俳優業、文筆業もおこなっている星野源さん。彼のカテゴリに縛られる事なく、自由な表現する姿は印象的です。しかも異ジャンルの1つ1つの仕事で、しっかり結果を残している事に驚きを禁じ得ません。

 また、複数のバンドを掛け持ちするアーティストもいます。川谷絵音さんは、ゲスの極み乙女。とindigo la Endを始め、最近はジェニーハイというバンドも結成しました。彼は1つのプロジェクトとして、それぞれのバンドを考えている様な気がします。この点に於いては、川谷さんが「浮気者」と揶揄される事はありません。ここに副業時代の空気感が表れているのではないでしょうか。

 さらにDISH//の様にお笑いにチャレンジをするバンドや、イラストレーターとしての面も持つ米津玄師さんの様なアーティストもいます。世界に目をやれば、1人で全ての楽器を高い次元でこなしパフォーマンスするジェイコブ・コリアーの様な若手アーティストも現れており、アーティストの活動も副業や兼業が当たり前になりつつあります。

 この流れを見ると、今後特定のバンドやユニット、ジャンルや楽器に縛られず、自由な活動をするアーティストがもっと増えていくと予想されます。ですから、現在の労働の多様化と音楽活動の多様化は無関係ではありません。いつでも音楽やアートには時代が大なり小なり反映されるものです。

 そして、副業や兼業が一般的になれば、より個人スキルや自立を求められる時代になる可能性があります。それは労働だけでなく音楽も同じ。この変化の中で音楽の在り方もさらに変化していきそうです。