ロックバンドのPOLYSICSが、14日に東京・TSUTAYA O-EASTで『POLYMPIC 2017 FINAL!!!!』をおこなった。ゲストにグループ魂とCHAIが駆けつけて結成20周年をお祝いしたライブ。POLYSICSも新メンバーのナカムラリョウ(Gt&Vo&Syn)をお披露目し、ニューアルバム『That’s Fantastic!』のリリースと来年初頭に始まるツアーの開催を発表。おしゃれで個性的なガールズバンドのCHAI、会場を笑いの渦に叩き込んだグループ魂、そして新たなスタイルで新曲も披露したPOLYSICS。熱気と笑いと興奮に満ちたライブで、20周年ツアーを大盛況の内に終えた。【取材=榑林史章】

ロックバンドとライブの既成概念を覆したCHAI

CHAI【撮影=Viola Kam (V'z Twinkle)】

トップバッターは、双子のマナ(Vo&Key)とカナ(Vo&G)、そしてユウキ(B&Cho)、ユナ(Dr&Cho)の4人組“NEO・エキサイト・オンナバンド”のCHAI。「20周年おめでトイス。呼んでくれてありがトイス」と、気持ちを表してライブはスタートした。

ルーズだがとてもグルーヴを感じるビート、チャカチャカとしたギター、そしてどこかイッテしまってるラップ。歌詞もシュールで、シニカルさがあり、ユーモアもたっぷり。何じゃこりゃ? と思った瞬間、ズルズルとその世界に引き込まれてしまった。

MCは「最近のウィーアーCHAIは、ドラマ『ソーリーラブしてる』、つまり『ごめん、愛してる』にハマってるんだけど、みんなウォッチングティービーした?ラブが重くてクライングベイビーだよね!」と、英語混じりのカタコト日本語。そこにデタラメな通訳が入り、もはや何が何だか。話は最終的に「格好いい男はだいたいセコイ」とまとまり、間髪入れず「ボーイズ・セコ・メン」に突入した。

「ボーイズ・セコ・メン」は、60年代が宇宙に行ったようなサウンドに、フワフワしたコーラスがクセになる。アッパーの「N.E.O.」はファンクっぽいガレージサウンドで、間奏はいろんな要素が入り乱れたカオス。「ぎゃらんぶー」では、POLYSICSに敬意を表して全員サングラスで演奏した。

親指を下に向けて<ブーブー>とブーイングするコール&レスポンスも独特。「嫌いな人を思い浮かべて」と観客をさらに盛り上げて、会場が一体となって<ブーブー>とやる様子は、ロックバンドとかライブの既成概念を覆すほどのシュールさと楽しさだった。

下ネタ放題、安定の面白さのグループ魂

グループ魂【撮影=Viola Kam (V'z Twinkle)】

二番手は、グループ魂。まずは港カヲルが登場して、「女はPOLYSICSである」と、お馴染みの前説が始まる。相変わらずむちゃくちゃなことを好き放題にしゃべって会場を一気に引き込み、最後の「おっぱい元気!?」で、会場は大歓声に沸いた。

少年時代の衝動をそのまま曲にしたような、下ネタ放題の楽曲に男も女も関係なく大騒ぎとなった会場。次々と曲を繰り出すと観客も体を揺らして盛り上がり、熱気が2階席まで上がってくるほど。

 MCでは「POLYSICSさん20周年おめでとうございます」としおらしく話し始めた破壊。ここからいつもの中村屋のネタに突入する。「POLYSICSさんとはレーベルが同じで、40歳過ぎたらバンドは助け合いで」と、マジメに話す横からどんどん関係ない言葉が飛んで来て、最後は何を言ってるのかめちゃくちゃに。そんな安定の面白さに、会場は大爆笑になった。

 「盛り上がる曲をやりましょう」と、人気ナンバー「君にジュースを買ってあげる■」も演奏された。観客は、ポップなサウンドとキャッチーなメロディに身を委ね、手拍子をしながら<アンアンアン>と一緒に歌って楽しんだ。(編注=■は黒塗りつぶしハートマーク)

 アップテンポのパンクナンバーと、爆笑ネタのオンパレード。破壊の投げるスリッパも、O-EASTでは2階席まで余裕で届く勢い。暴動もギターをかき鳴らしながら、実に嬉しそうな表情を見せていた。「High School」では、女子高生姿になって登場してライブを盛り上げた港は、最後には赤のパンツ一丁でステージを転げ回り、巨体を揺らして嬉しさを全身で表現した。

新メンバー ナカムラとの息もぴったり

ナカムラリョウ【撮影=Viola Kam (V'z Twinkle)】

 最後に主役のPOLYSICSが登場すると、会場は割れんばかりの歓声に包まれた。出てきたのは4人。そう新メンバーが加わった。

 「とてもアクの強い、千鳥さん風に言うとクセがすごい2組が来てくれて。ファイナルに相応しいラインナップになったんじゃないかと思います。ご紹介しましょう、新メンバーナカムラリョウ」と名前を呼ばれ、手を挙げて丁寧にお辞儀をしたナカムラ。続けて「今年結成20周年、これからはこの4人で突っ走っていくので、応援よろしくお願いします」とハヤシ。

 この日は20周年記念アルバム『Replay!』収録曲を中心に、久しぶりにやる曲もあり、アンコール含めて全17曲を披露した。ライブは初期からのライブの定番曲「Buggie Technica」でスタート。「シーラカンス イズ アンドロイド」では、暴れまくるようにギターを弾きまくったハヤシ。「Digital Coffee」ではギターをナカムラに任せ、ハンドマイクを握ってステージを駆け回る。「Young OH!OH!」では、観客が一体となって<ウッハッ>とかけ声をかけながら、一緒に振り付けを楽しんだ。「カジャカジャグー」では「よーし全力で叫ぼうぜ」とうながして、<オイ!オイ!>とかけ声が会場に響き渡った。

POLYSICS【撮影=Viola Kam (V'z Twinkle)】

 お披露目ながらナカムラは、バンドとの息もぴったり。4人になればこそ出来るステージングも見せた。「I My Me Mine」ではハヤシがリコーダーを吹き、最後はギターとの二重奏を聴かせる。また「MEGA OVER DRIVE」では、ハヤシがショルダーキーボードを肩にかけて、動き回りながら演奏。「How are you?」ではベースのフミが歌い、ハヤシとナカムラはバトルするようにギターを聴かせる。アンコールではキーボードを弾くナカムラが手のひらサイズのシンセサイザーを差し出すと、ハヤシがすれ違いざまにそのボタンを押して音を出すというコンビネーションも見せた。

 MCでは、リハを兼ねてTHE TOISU!!!!という名前で、こっそりライブをおこなっていたことも暴露。SNSで拡散されることを期待したが、「質の良いコピバン」「すごくそっくりだった」と本人だとバラされなかったそうで、「良い意味で空気を読めすぎるお客さん」とハヤシは苦笑いしていた。

 また11月29日に15枚目のフルアルバム『That’s Fantastic!』をリリースすることと来年ツアーをおこなうことを発表。「ナカムラくんという新しい血が入ったことで、こんなことも出来るのか! と、思わせるアルバムになった」と話したハヤシ。そのアルバムから新曲の「That’s Fantastic!」も初お披露目された。20周年を迎えて尚も変化することを止まない、POLYSICSの貪欲さとますます上り調子のモチベーションが垣間見えたライブだった。

セットリスト

CHAI

01. Sound & Stomach
02. ヴィレヴァンの
03. 自己紹介
04. ボーイズ・セコ・メン
05. N.E.O.
06. ぎゃらんぶー
07. sayonara complex

グループ魂

01. ペニスJAPAN
02. パンチラ・オブ・ジョイトイ
03. 欧陽菲菲
04. High School
05. IN
06. 中村梅雀
07. 君にジュースを買ってあげる■
08. 彦摩呂
09. 押忍!てまん部
10. 高田文夫

POLYSICS

01. Introduction!
02. Buggie Technica
03. SUN ELECTRIC
04. シーラカンス イズ アンドロイド
05. Digital Coffee
06. Young OH! OH!
07. カジャカジャグー
08. I My Me Mine
09. each life each end
10. Tune Up!
11. MEGA OVER DRIVE
12. How are you?
13. URGE ON!!
14. Shout Aloud!

アンコール

15. That's Fantastic!
16. Let's ダバダバ
17. Electric Surfin' Go Go