東海エリア出身・在住のメンバーで構成されたエンターテイメント集団のBOYS AND MENが10月10日に、新曲「友ありて・・」を配信リリース。日本を代表する作詞家の阿久悠さんが活動50年、没後10年、生誕80年を迎えるにあたり、9月6日に「阿久悠プロジェクト」が始動。同プロジェクトに賛同したアーティストとのコラボでは元宝塚歌劇団の香寿たつき、元ピンク・レディーの増田惠子らが名を連ねる。「阿久悠の歌詞を未来へ歌い継いで欲しい」という想いに応え、BOYS AND MENが阿久悠の未発表歌詞を曲にした「友ありて・・」を歌う。作曲を、阿久悠の盟友であり、ともに数々の名曲を生み出した、作曲家の都倉俊一氏が担当し「阿久悠×都倉俊一」という黄金コンビによるシングルが完成。曲について、メンバーの辻本達規(26)は「こういう歌を、今度は僕らがこの時代の中に残していきたい」と意気込む。今回は新曲について、これまでの活動と歌詞を照らし合わせながら、辻本と小林豊(28)に話を聞いた。

何が起きても10人で共有し続けてきた

小林豊

小林豊

――BOYS AND MENの2010年の結成以来、メンバー同士の付き合いもだいぶ長くなりましたよね。

小林豊 メンバーとの付き合いも7年になり、今やメンバーそれぞれの様子を見れば、一人ひとりのコンディションや精神状態までわかるくらいです。

辻本達規 この7年間においては、間違いなく家族以上に長い時間をともに過ごしているので、とくに会話をしなくともわかることは多いです。かと言ってしゃべらないわけでもなく、たくさん話もしています。それでも、会話を超えたところで互いのことを理解出来ている関係というか。仲はとても深まっています。

小林豊 基本、楽屋ではそれぞれ自由に過ごしているんですね。スマホで動画を観ている人もいれば、本を読んでいる人もいる…辻本と本田のように同じ話を何度も繰り返しながら、ずーっとテンション高くしゃべっている人もいて(笑)。そこは互いに干渉しあうことなく、それぞれのペースを大切にしています。

辻本達規 何度も同じことって言うけど、同じ話はしていないです(笑)。まわりがBGM感覚で僕らの会話を耳にしていたら、そう聞こえるのかも知れないけど、僕らは毎回密度の濃い話をしていて、とても生産性の高い会話を繰り広げていますから。

――今回、「阿久悠×都倉俊一」という黄金コンビによる「友ありて・・」をBOYS AND MENが歌うことになりました。最初に楽曲を聴いたとき、どんな印象を覚えました?

小林豊 この歌は、すごく心に染みますね。「ずっと聞いていたい曲だな」って思いました。

――歌詞に、<いたみを分け与えてくれ 半分このぼくにくれ>と記してあります。みなさんも、痛みを分け合ってきた間柄ですよね。

辻本達規 そうです。僕ら、始めから用意された道やスター街道を歩んできたわけじゃない。むしろ、ずっと苦難をともにしてきたメンバーたちなので。チラシを配っても誰も受け取ってくれなかったり、活動している姿を鼻で笑われたり…。そういう痛みをともに感じ続けてきた仲間たちだからこそ、「友ありて・・」の歌詞に重なる想いはたくさんあります。

小林豊 何が起きても10人で共有し続けてきました。それこそ、1人の痛みも10人で共有していたり。まさに僕らも、痛みを分け合った関係ですからね。

――もはや有り得ないと思っていた「阿久悠×都倉俊一」コンビの楽曲を歌えるのも、奇跡的なことですよね。

小林豊 僕らにとって、今回のチャンスは嬉しい衝撃でした。

辻本達規 まさかBOYS AND MENが、昭和歌謡の名曲の数々を作りあげたこのコンビの曲を…しかも、新作を歌える日が来るなんて思ってもいなかったことでした。

――曲調にも、ありし日の昭和の香りを感じてしまいます。

辻本達規 僕ら自身、昭和の時代を彩った歌謡曲が好きなんです。おっしゃられたように「友ありて・・」は良い意味で現代っぽくはなくて、そういう歌を、今度は僕らがこの時代の中に残していきたいなと思っています。

小林豊 メンバー全員が平成生まれなんですけど、みんな「心落ち着いてゆったり聞ける昭和の歌たち」が大好きなんです。

辻本達規 歌詞がすごく真っ直ぐですよね。正直、口に出すと恥ずかしい言葉も投影しているけど、そこが現代にはなくなりつつある価値観だからこそ、僕はそこが好きなんです。

小林豊 歌詞に、斜に構えたところがないよね。純粋に想いを伝えているというか。そこがいいね。

辻本達規 今の時代だからこそ、「友ありて・・」のようなダイレクトに胸へ響く、まさにストレートな歌詞に魅力を感じるんだと思います。

大事なことは口ではなく行動で

辻本達規

辻本達規

――それぞれ、特に気に入った箇所などありますか?

小林豊 まず衝撃を受けたのが冒頭ですよね。<いたみを分け与えてくれ 半分このぼくにくれ>という歌詞は、自分じゃまったく想像がつかなかったというか。もちろん、その言葉を読めば意味は理解出来るし、そういう想いも無意識の中で、普段の活動でも感じてはいるけど、この歌詞を通して改めて強く胸に突き刺さってきたというか…。

 きっと、この歌詞を今風にすると、「俺を頼れ」とか「いつでも側にいるよ」となるんだろうけど。こういう言葉の表現に昭和らしさを感じつつ。その情緒を持った歌詞こそ、聴いた瞬間耳に、心に残る強さを持っていると感じました。

辻本達規 じつは、僕もそこの歌詞が一番胸に響きました。あえて、他の部分としてなら<言葉が空(むな)しいのならば 黙って手を出せばいい>の部分。そこの歌詞に昭和の男の人たちが持っていた不器用な生き方というか、口先だけじゃない男らしさを僕は覚えました。その想いこそまさに、BOYS AND MENにも共通する面なんです。

――みなさんも、言葉よりも行動で示すタイプ?

辻本達規 いや、余計なことばっかりしゃべっています(笑)。でも、大事なことは口ではなく行動でみんな示しています。やはりそこは、みんな漢なんで。

小林豊 「友ありて・・」に記された想いは、今の僕らのみならず、現代の人たちには無いような想いだと思う。だからこそ、この歌に惹かれていたのだと思います。

辻本達規 言葉には出さないからこそ、格好いいみたいな、ね。

――お二人の中で印象に残っている「阿久悠×都倉俊一」コンビによる曲はありますか?

小林豊 僕はピンクレディーさんの「S・O・S」が大好きなんです。小さい頃耳にして衝撃を受けて以来、ずっと頭の中に残り続けています。

辻本達規 僕もピンクレディーさんの「UFO」や「ウォンテッド(指名手配)」ですね。今回「阿久悠×都倉俊一」ナンバーを歌うことになって、いろいろ調べたときに驚いたのが、和田アキ子さんの歌っていた「あの鐘を鳴らすのはあなた」も黄金コンビが作っていたことを知ったこと。この関係が繋がったときの衝撃はとても大きかったですからね。

小林豊 そこは、僕も同じく衝撃だった。

辻本達規 「阿久悠×都倉俊一」コンビの曲って、どの歌も世代を超えて愛されているじゃないですか。BOYS AND MENの歌う「友ありて・・」も、そういう歌の仲間に成長させていけたらなと思っています。

――名曲を歌い繋いでいく気持ちが素敵だと思います。

辻本達規 むしろ、世代を超えて親しまれていく。この曲は、これから先もずっと愛される楽曲。だからこそ僕らが、「阿久悠×都倉俊一」コンビの名に相応しい姿を残していかなきゃなと思っています。

ただ信じた道をひたすら歩み続けていく

辻本達規と小林豊

辻本達規と小林豊

――具体的に「友ありて・・」の魅力はどこにあると思いますか?

辻本達規 最近の音楽にはない、BOYS AND MENだからこそ歌える“男どうしの熱い友情”を歌った楽曲が出来たと思います。最近は、SNSなどを通したコミュニケーションが一般的になっていますが、ここにはそういう形態とは異なる、古き良き友情の形を示しています。

 それをわかってもらえる楽曲だなとも思っています。とくに若い子たちには、こういう友達との付き合いや繋がりの大切さを知って欲しい。ましてBOYS AND MENは、それを若い人たちに発信していける立場にもいる。だからこそ、BOYS AND MENがこの曲を歌うことにも意味があるんだなと思っています。

――BOYS AND MENのメンバーたちも、ネットを通したコミュニケーションではなく、ガチンコで思いをぶつけあう関係?

辻本達規 そうです。ここへ至るまでに、何度も男同士、掴み合いの喧嘩を重ねながらきています。そこはきっと、最近の若い男の子たちの友情のスタイルとは違うのかなと思う。だからこそ、この曲のような熱い気持ちを歌えるのが僕らであるということは嬉しいんです。むしろ、僕らにしかこういう気持ちを詰め込んだ歌は歌えないんじゃないかな。

――今の時代、そこまで友情を深めることはないと?

辻本達規 そこはどうなんでしょう? 僕ら、今でもたまに掴み合いの喧嘩をしては友情を深め合っているけど、今の若い子たちは、なかなかそこまでして友情を深めることはないのかなと、僕は何となくそんな風に感じたりもしています。

小林豊 辻本も言っていますが、「友ありて・・」は今の僕たちにしか歌えない楽曲だと思う。だからこそ、この歌詞に込めた想いを、どれだけ触れた人たちの胸にしっかり届けられるか。僕らが本気で気持ちを込めて歌い続けていけば、その想いは絶対に人の心へ伝わっていくはず。「友ありて・・」はそういう楽曲だからこそ、僕たちはそこをしっかりやっていきたいなと思って。

――お二人が「友情を感じる瞬間」はどんなときですか?

辻本達規 壁にぶち当たるごとに団結してゆく、その瞬間に一番友情を感じるかな? でも一番は、ライブ前にみんなで円陣を組んだときですね。あの瞬間、不思議と一体感が高まって、みんなの気持ちが一つに溶け合っていく。あの瞬間こそ、友情というか、僕らは一つになっているなと感じれてるときだよな。

小林豊 そうだね。僕も、そこは同じです。

辻本達規 僕らBOYS AND MENは「夢はあきらめなければ必ず叶う」という合い言葉を胸にここまで活動してきたし、これからもその言葉を信じて突き進みます。これからもBOYS AND MENは、その夢が大きかろうと小さかろうと、一つずつしっかりとその夢を叶えながら進んでいきますから。

――歌詞に<すべてを見せ合って生きた 短い青春の日々>と記してあります。この言葉にも、今のBOYS AND MENらしさを感じます。

辻本達規 うちのメンバーはみんな、昔からそうだよね。

小林豊 BOYS AND MENのメンバーって、もはや家族なんですよね。互いのことを何でも知っているし、何でもわかりあえている。いや、「分かり合いたい」とみんなが無意識の中で思ってるから、自然とそうなっていくんでしょうね。

 僕らよく、「おじいちゃんになっても、こうやって10人で歌い続けていたいよね」という話をするんです。そう考えたら、活動を始めてから7年間なんて、まだまだ青春の日々の中では短い期間でしかない。まして「友ありて・・」は、何十年と歌い紡いでいきたい歌。この曲を歌い続けている間、僕らはずっと青春の日々でいれるんだとも思っていて。

辻本達規 いくつになっても、青春って終わることがないんですよ。こからも、いくら人に笑われようが、信じた道を僕らは突き進んでいくのみなので。

――昔は、理解されなかったという話もありましたよね。

辻本達規 今でも、よく笑われていますよ。BOYS AND MENって、もともと100人くらいメンバーがいたんです。まわりに笑われたり、バカにされるのが嫌で、次々と辞めていった。だけど、BOYS AND MENとしてやっていることを本気で信じてきた10人が、結果的に今残って活動をしている感じです。

――今回、日本武道館公演で披露した「男は歌舞いて花となれ」のライブ曲も配信になります。

小林豊 この曲は、ライブで扇子を使ったパフォーマンスを見せている楽曲です。和の要素や男らしさなど、BOYS AND MENの持つ魅力を全部詰め込んだ楽曲に仕上がっています。

辻本達規 BOYS AND MEN自体が歌舞伎者って言えば、そういう存在ですからね。とにかく男気の詰まったすごくいい曲なので、ぜひこちらも聞いてください。

【取材=長澤智典/撮影=大西 基】

2017.10.10 配信リリース「友ありて・・」
2017.10.4〜 iTunes予約受付中
URL http://po.st/it_bm_tomo
iTunesの予約特典には、今年、8月5日に名古屋センチュリーホールでのライブで披露した「GO!! 世侍塾 GO!! ~ 帆を上げろメドレー」の映像をプレゼント。