衆議院が解散され、10月10日公示、22日開票の衆院選挙がおこなわれる。既に与野党の動きは活発になっており、事実上の選挙戦が本格化している。

 ところで選挙戦などで見られる公開演説会。その方法も多様化し、ヒップホップで訴えかける人もいる。ヒップホップは米国で生まれた音楽で、暴力に代わる主張方法として誕生したとも言われている。

 発端が「主張すること」ともあって、ヒップホップは、一般的なポップスと比べ、言葉数の制限は受けにくい。リズムや韻を踏むユニークさもあり、主張は伝えやすいとも。

 遡ること明治時代。政治運動の壮士が公開演説会で、演説代りにうたったされるのが「演説歌」だった。これは当局の監視が厳しくなったことを背景に、社会や政治を風刺するものとして誕生したと言われている。

 演歌の祖とも言われる演説歌はその後、役割を変えて大道芸化した。一方、歌謡曲は洋楽の影響を受けて西洋化していき、より民謡や日本伝統の要素が強くなったものが現代演歌の原型になったとされる。後に、演説歌とまとめて「演歌」というジャンルが確立したとも。

 これらの誕生経緯や変遷は諸説様々ある。日本におけるヒップホップによる訴えは、明治の演説歌のそれとはやや背景は異なるが、伝える手段として用いられたのは変わりはない。

 ヒップホップが大衆化されてきたとも言われている昨今。この先、様々な音楽や楽器と融合し、社会変化もあって、また新しい音楽のジャンル、文化が生まれるかもしれない。【木村陽仁】