<記者コラム:オトゴト>
 実はつい先日知ったばかりの話なのだが、現在放送されている『テレビでハングル講座』(NHK Eテレ)で、今期は乃木坂46のキャプテン、桜井玲香がレギュラー出演を果たしている。

 少し失礼かもしれないが、彼女はキャプテンという役割があるが、私はあまり頭に残る印象を感じたことがなかった。以前放送された、乃木坂46のメンバーによるドラマ『初森ベマーズ』(テレビ東京)で、彼女がニックネームを“ブナン”と名付けられたことが、妙にしっくりくる気もしており…しかしこの番組に登場した彼女からは、台本ベースで番組が進められる前提はあれど、乃木坂46の一メンバーというスタンスとはまた違った、自分が印象付けられることのなかった別の一面が見られて、語学教育プログラムという観点を加えたこともあるかもしれないが、関心をもてるところでもあった。

 語学講座は、もちろん語学習得という面でも練り上げられたものでもあるのだが、出演者陣はなかなか侮れないものだ。俳優をはじめお笑い、落語家、カメラマン、そしてミュージシャン、アイドルなど様々なフィールドの、ベテランから注目のホープまで様々な出演者がキャスティングされているのが面白い。そんな人たちの、普段の活躍フィールドやバラエティで見せる一面とはまた違った面を見られる意味でも、この番組は非常に興味深いものでもある。

 音楽関連では、2012年に放送の「テレビでフランス語」にギタリストの村治佳織が登場した。近日では現在放送されている「旅するイタリア語」に雅楽師の東儀秀樹が出演、そして後期からはバイオリニストの古澤巌にバトンタッチする。またクラッシック・エスニックだけでなく、1999年に放送された「中国語会話」には元爆風スランプのドラマー、ファンキー末吉が登場。2007年に放送された英語の講座「3か月トピック英会話 『ジュークボックス英会話』」には、ロックギタリストのマーティー・フリードマンが講師の一人として登場したこともある。

 アイドルとしては桜井の例のほかに、元9nineの川島海荷が2016年に放送された「テレビで中国語」に登場していたこともあった。その他グラビアアイドルなども多く出演している。語学を習得するということは、ある面トレンドを意識する必要もある。その意味では、芸能の現状を知る一つの目安的な存在としても、興味深いものではないだろうか。

 ちなみに講座によっては、その国毎のトレンド情報を紹介するコーナーもあり、音楽情報が紹介されることも多い。2003年に放送された「ドイツ語会話」にて、80年代を席巻したアーティストの一人であるNENAが取り上げられたことがあったが、バンド解散後に日本でははなかなか情報を得られることも少なかったアーティストだけに、この機会に再び彼女らを見るタイミングがあったことを、私は嬉しく感じたこともあった。

 こんな風に、意外な人が、意外な形で登場するプログラムでもある。“えっ?次はこの人が出てくるの?”と新たな出演者のキャスティングを驚く楽しみもある。皆さんも機会があれば、是非気軽にご覧になってみてはいかがだろうか。
【桂 伸也】