<記者コラム:オトゴト>
 日暮れから深夜にかけて、東京・新宿駅周辺ではストリートミュージシャンが賑わっている。駅南口界隈のスペースは、日替わりで様々な音楽をフリースタイルで楽しめるスポットでもある。

 歌謡曲を弾き語りしているシンガーソングライターもいれば、インストバンド形態でスティービー・ワンダーの楽曲をセッションしているジャムバンドもいる。 

 Daft Punkの「One More Time」を地で歌って演奏するバンドや、謎のパイプ楽器をモジュレーターのように扱い演奏するドラマーもいる。

 スティールパンを軽快に叩き、緻密なビートのエレクトロミュージックに聴こえるサウンドを巧みに演奏している若者もいる。

 音楽ファンならきっと、海外へ赴いたときに現地ではどういった音楽が流行っているのか、という点は是非チェックしておきたい。そして、現地の音楽文化をリアルに体験して、その国の印象のサウンドトラックとして、海外での思い出とセットとなるのかもしれない。

 インドに行ったとしたら、シタールのサイケデリックな弾き語りなどを期待してしまうし、バリに行ったとしたら、ガムラン音楽のスピリチュアルなストリート演奏を期待してしまう。

 ときに外国人にとって、日本の音楽のイメージとは何なのだろう。新宿で足を止めたとき、「首都トーキョーのシンジュクでこんな音楽をやっているのを聴いたから、きっと日本ではこういうのがトレンドなのだろう」と感じるのだろうか。

 日本語でオリジナルの楽曲を演奏するミュージシャンが居つつ、世界中の音楽をカバーしたり、他国発祥の民族楽器をプレイする新宿のストリートミュージシャン。彼らを見ていると、自国文化も重宝しつつ、他国文化をミックスしてオリジナルアレンジにする日本独自の文化的風潮が垣間見える。

 東京・新宿に訪れた外国人にとって、日本の印象のサウンドトラックは、恐らく想像よりも独創的かつ、ワールドワイドなサウンドで鳴り響いているのかもしれない。【平吉賢治】