今のメロフロートのベストアルバムとも言える名刺代わりの一枚となった『ON THE ROAD』

 関西出身 2Vo+1DJ3人組 J-POP グループのメロフロートが9月6日に、メジャー1stアルバム『ON THE ROAD』をリリース。2015年7月シングル「夢のカケラ」でメジャーデビュー。今作は路上など様々な場所でライブをおこなってきた彼らならではのタイトル。リーダーのKENTは「出会えた人達に対しての感謝の気持ち、これからも一緒に夢を叶えていきましょうという思いで届けたい」と話す。路上ライブでのハプニングや『ON THE ROAD』に込められた想いを3人に話を聞いた。

カウンセラーに転職できるんじゃないかな

Yu-ki

――前回のシングル「ミチシルベ」から4カ月が経ちました。活動も順調ですね。

Yu-Ki 「ミチシルベ」を出した経緯から繋がるものはありました。「ミチシルベ」は原点の曲だったので、改めて初心に還って、活動に対して打ち込むことができたと思います。5年前に歌っていた曲を今も歌えて、聴いてくれる人がいるありがたさに幸せを感じました。

――ファンの方からダイレクトに言葉をもらったりしましたか?

DJ KAZUMA 「ミチシルベ」は路上ライブでも歌うんですけど、まだ2人でやっていた頃の昔に見たことがあるという人が止まってくれて「この曲、昔歌っていませんでしたか?」と覚えてくれていて。新しい「ミチシルベ」で再会したり、そういう場に感動します。

――路上ではそういうこともあるんですね。

KENT 僕らは他のアーティストよりもお客さんとの距離感も近くて、接点が多いぶん、「今どういう状況?」という話もします。そんなときに「メロフロートと出会えたから、今こうして笑顔でいられる」とか、「今までの私はこんなに笑顔になれる瞬間はなかった」とか言ってくれます。そういう言葉は凄く印象に残っています。

――人生相談のようなことも?

Yu-Ki たぶんKENTやKAZUMAには相談はできないです(笑)。相談されるとしたら僕かな。僕はけっこうちゃんと思ったことも言いますし、「それはこうじゃない?」ということをアドバイスしますし、それをみんな知ってくれているんです。 

DJ KAZUMA しかもYu-Kiにはけっこう重いことを話したりするんです。

KENT カウンセラーに転職できるんじゃないかなというくらい(笑)。本気の悩みや相談はやっぱりYu-Kiですね。ただただ話を聞いてもらいたい人もいるじゃないですか。そのパターンだと僕は「うんうん、そうだな、キツイな。一緒に頑張ろう」みたいな。アドバイスというより聞く方に徹します(笑)。

――KENTさんは聞き上手なんですね。Yu-Kiさんはガンガン攻めると。

Yu-Ki 僕に話す人は恐らくアドバイスが欲しくて話してくるので。本当に顔を見ていれば一瞬で気付くんです。言葉のチョイスでも「あれ?この人はいつもそんな言葉を選んでいたかな?」という感じでわかります。

――敏感なんですね。先程のファンの方とのやりとりの中から歌詞が出来ることも。

Yu-Ki ありますね。自分一人の人生観では書けることは決まっていると思うので、誰かの人生を生きるということはできませんが、そういう話を聞いたりすれば、その人の感覚が僕の中に入る訳じゃないですか? それを体現していくという感じです。映画などを観ていても、その主人公の目線があるのでそういうことがあります。表面的なところはいらなくて、その奥のことを聞くことで「そういうのもあるんだ」と。

――いろんな方が相談にきそうですね。「無料でカウンセリング」してもらって、もしかしたら自分の話が歌詞になるかもと。

DJ KAZUMA 今回の記事を読んだ人がドッと押し寄せてくる(笑)。

――1stアルバム『ON THE ROAD』はまさしく路上での活動からここまで来た、という感じのタイトルですね。

Yu-Ki メジャーで初のアルバムで、自分達がやってきたことを歌える曲にしたら、アルバムとしてのコンセプトもできるんじゃないかと思いました。僕らがインディーズで出したアルバムが『MELOFROAD』『MELOFROAD2』というタイトルでした。だから『MELOFROAD3』でも良かったんですけど、インディーズでやってきたことと、メジャーでやっていくことは繋がっていますけど、スタートラインとして違うと思ったんです。

KENT メジャーとして1枚目に出すアルバムにしたいなと思って『ON THE ROAD』と、“ロード”というところをちゃんと引っ張りながら、意味合いとしては「路上ライブ」とか「旅の途中」ということもあります。それって47都道府県を路上ライブでまわっていた僕らにピッタリのタイトルだと思ったんです。

――これ以上のものはないというタイトルなんですね。

Yu-Ki そうなんです。じゃあ今までのことを振り返って書けるような歌詞にしようと思って、言葉を出していきました。<やっぱ誰も振り向いてくれへん>というところも、そういうことがありましたし。離れていても縮まるものがこの曲で伝わればいいなと思ったり。何で頑張っているのかわからなくなるときもあると思うんです。路上ライブって馬鹿にされることも多いですから。

――そんなことあるんですか?

Yu-Ki ありますよ!「まだやってるわ〜」とか。その“まだ”というのは、僕らがまだやっているという意味ではなく、路上ライブをたくさんやっている人達を見て「こういう、まだ夢を持っている人の気持ちがわからんわ」という感じなんです。イライラしたりはしないんですけど、まあ、そういう人もいるんだなと。「邪魔じゃあ!」と言われたりすることもあります。確かに、聴きたくもない音楽が耳に入ってくる人達にすれば、歩いていて聴かされる訳ですから。わからなくもないんですけど。

――路上ライブでは誰しも体験することなのでしょうか。

『ON THE ROAD』ジャケ写

Yu-Ki 19歳の頃とかは、梅田の路上でケンカしたこともありました。キャッチのお兄さんなどが突っかかってきて、胸ぐらの掴み合いですよ(笑)。そういうことも含めて全部振り返ったんです。「見下した言葉に頬を殴られた」とか。マジでそうだなと思って。19歳の頃なんかは僕らも猛っていましたから。

――KENTさんはリーダーとして、そういうシーンのときはどうしていましたか?

KENT そのときは、僕が入っても無駄ですけど行きますよ。一応、間には入ります。何の力にもなれないですけど(笑)。

Yu-Ki 僕らに言ってくるのはまだいいんです。僕らが耐えればいい話なので。でも、ファンの子が嫌がることを言ったら聞き捨てならないです。僕らがやっていることを良いと思って、人生の支えだと思って、一生懸命になっている子達の気持ちを踏みにじることを言われたら...。

KENT でも、最近は足を止めてくれる人自体が増えてきているので、1人2人が突っかかってくることは少なくなりましたけど、最初の頃は本当に多かったです。酔っぱらいが転がってきたときもあって。交差点をでんぐり返しで進んできた人がいて。CDとか並んでいるのメチャクチャにされてしまって。

――とんでもないアクシデントですね。

KENT 路上ライブをやっていると色々あります(笑)。

――歌詞はメロフロート名義ですが、基本的にはYu-Kiさんが書いて、みなさんで話し合って完成させるんですよね。KENTさんとKAZUMAさんはどういった形で参加されてるのですか?

KENT 自分が歌うバースなどです。エピソードを出し合ったりします。

DJ KAZUMA 僕は「ON THE ROAD」の歌詞作りとレコーディングをしている間、実は倒れていて、体調不良で療養中でした。そのときにレコーディングをしていて、初めて『ON THE ROAD』の音を聴いたのは布団の上だったんです。だから僕は、メロフロートであり、応援してくれているメロフローター(ファンの名称)としての立場としてもこのアルバムを聴きました。

 そのときにデビューをして今まで出してきたCDの中でも、一番メロフロートのことを書いているなと感じました。歌詞を見たときに、より「頑張らないといけないな」と思いました。完全に応援している側の人間としてこれを聴いたんです。だから昔の2人を聴いていた時代に戻った感覚で「メロフロートっていいな」と思わせてくれました。

――メンバーがそういう気持ちになれるというのも凄いことですね。

DJ KAZUMA 本当は駄目なんですけどね。家で倒れていては(笑)。そういったこともあって、凄く思い入れのある1枚なんです。

――MVも路上でやっているシーンが入っていますよね。しっかりこの楽曲にリンクしていて。

Yu-Ki みんなが路上ライブで撮った映像を集めました。トータルで400くらいは集まりまして、その中からチョイスしました。こんな頃もあったな、というのもあったり、最近のもあったりして。あとは47都道府県をまわっていた頃のもあったりするんです。僕らもこれを観ると色々なことを思い出します。この曲は色んな所で出会えて、距離を超えて伝わるものがあればいいなと思っています。

――一番古い映像は5年以上前のものでしょうか?

DJ KAZUMA 僕がアフロではない時代のものもあるんです。それが5年前くらいです。

――KAZUMAさんはけっこう髪型変わっていますよね。現在の髪型のモチーフは何でしょうか?

DJ KAZUMA 「クールビズ」です。伸びてきたので上でまとめているだけなんですけど(笑)。

計画的にという点では一緒

KENT

――「好きなんだ」についてお伺いします。<あと5センチ>というのがリアルですね。体験談でしょうか?

Yu-Ki この<5センチが 近くて遠い>というワードチョイスは他の曲でもしているんです。インディーズの頃の「片想いのまま」という曲があるんですけど、その落ちサビのところで<夕暮れの街で君と二人あと5センチが近くて遠い>というのがあって、それは片想いのままで、まだ気持ちを伝えるというところまで行っていないんです。片想いをしているということを歌った曲なんです。テーマとして“告白”があるので、そこから一歩進んでいるんです。

――「片想いのまま」の続編?

Yu-Ki 続編という意味で書いた訳ではないんですけど、共通のワードがあったら気付く人は気付いて、「あっ」となったら、嬉しいです。それはみんなに伝わって欲しい部分でもあるんです。

――歌詞の中の<ビビってたんだ 本当は>という箇所は、ちょっとYu-Kiさんらしくないなと思いました。あまりビビらなそうなので。

DJ KAZUMA だからいいんですよね……そんなYu-Kiがというか。

Yu-Ki 僕はあまり弱さを見せないんですけど、やっぱり告白をするのをためらう瞬間ってあるじゃないですか? 今でこそすぐにできることなのかもしれないけど、状況やタイミングよってはあると思うんです。落差をつくりたかったということもありまして。

DJ KAZUMA 本気で伝えにかかっているんだなということが、ここでみんなに伝わるんじゃないかと。

Yu-Ki これは、今もビビっているよ、という意味ではないんです。ビビっていた自分がいたということと、ちゃんと向き合って、ここから伝えていくぞという感じが出ているので、ビビったままで終わるストーリーのパートだったら、僕は合っていなかったかもしれません。

――みなさん告白は得意ですか?

DJ KAZUMA 告白が得意って、チャラい奴みたいですね(笑)

KENT 僕は「当って砕ける」というタイプではなくて、確実性がないと告白はしないです。「これは付き合えるな」という感じでないと(笑)。石橋を叩いて渡ると言いますか。

Yu-Ki 僕はちゃんと決めますね。「この人いいな」と思って、好きになっている自分に気付いたら、誰かに取られたりするのって嫌じゃないですか? だから自分でスケジューリングします。終着点を決めるんです。「ここで俺は告白しよう」と決めて、そこに向けて進むんです。

――そのやり方はメロフロートとリンクしていますね。音楽活動と恋愛は同じとも言える?

KENT 計画的に、という点では一緒なんじゃないないかなと。

Yu-Ki うん。そこを決めておかないとずっとダラダラしちゃいますから。

――でもそのダラダラした期間も良かったりしませんか? 恋愛の方の話ですけど。

Yu-Ki でもね、そうなっていたら友達みたいな感じになって、結局そのままみたいな。ちゃんと異性として見てもらえる期間をつくっておかないと。

――男女の友情というのはあるのでしょうか?

Yu-Ki ありますよ!いや...でも友情ではないかな? 男同士の感じとは違うもんね?

KENT 確かに。

Yu-Ki 訂正します。男女間の友情、無いです(笑)。

DJ KAZUMA 一気に変わった(笑)

アルバムの曲順でも悩んだ

DJ KAZUMA

――「きれいになぁれ」は配信では出ていましたが、今回アルバム初収録ですね。

Yu-Ki この曲は難しかったです。擬音を使っていかないと小さい子はわからないし。でも小さい子だけわかるのではなく、大人の目線で聴いても「なるほどな」とわかるような歌詞も混ぜたりしています。洗濯物は洗えば色褪せていくけど、<おもいでは ずっと いろあせないんだ>とか。

 “洗濯物”というフレーズも絞り出したんです。小さい子も理解できて、お父さんお母さんも理解できるかと、「何を言ったら共通してリンクできるんだろう?」と考えたときに、家庭の中にあるものの中から探そうと思いました。それから“洗濯物”というワードがパッと出た瞬間からは、様々なワードが出てきました。日本語って、汚れも嫌なことも「洗い流す」と言うじゃないですか? それで「これは使えるかも」と思ったんです。

――この曲をライブで披露する予定は?セットリストに組み込むのが難しそうですが。

KENT そうなんですよ。この曲の前後感が読めないです。アルバムの曲順でも悩みましたし。他の曲の位置はスッと決まって、意味合いも持たせられたのですが。

Yu-Ki 「ON THE ROAD」は始まりのメッセージが込められていて、そこから「ひとつだけ」の決意表明のようなものが次にきて、「LIFE GOES ON」では、夢だけではなく歌えること、伝えられること、葛藤も書けたと思います。夢がない人でも刺さる曲をここに持ってきたいと思ったんです。<なりたい人になれてますか?>というメッセージは、誰もが思ってたりすることだと思うので、それを投げかけて「そうだなあ……」という感じになっている中での次曲「ミチシルベ」なんです。ここからラブソングゾーンなんです。「ミチシルベ」も僕らの始まりの曲なので、「僕のキモチ」「好きなんだ」と続いて行く感じになりました。

――そして7曲目の「きれいになぁれ」で一旦幕を引いて?

KENT そこで一旦きれいに洗い流して、「夢のカケラ」から第二部のスタートです。

Yu-Ki 「サマーデイ」「ノスタルジア」の流れも好きです。それで最後に「未来」が来ると。「ON THE ROAD」で始まって「未来」で終わるのが僕は好きです。悩みとか葛藤もあるけど、ということをちゃんとふまえたうえで、でも“旅の途中”という意味も含む「ON THE ROAD」という曲もあるので、そこからまだ続いて行くよと、そういうメッセージを残せたのは、かなり良い流れになったと思います。

――1stアルバムが出来た今の気持ちをお願いします。

DJ KAZUMA まずはメジャーでアルバムをリリースできたことがめちゃくちゃ嬉しいです。みんなも待っていてくれたり、喜んでくれたりするのも嬉しいです。これから出会う人達にも、これを聴いてもらったら、メロフロートはどういうアーティストで、今までこういう曲を出しているのだなと、そこからメロフロートを好きになってもらえやすいアルバムだと思います。これからずっと届けていくのに、「『ON THE ROAD』を聴いてみて」と言えるような一枚になったなと思います。今のメロフロートのベストアルバムだと思います。

KENT このアルバムは自分達の集大成であって、今こうしてリリースするまでに出会えた人達に対しての感謝の気持ち、これからも一緒に夢を叶えていきましょうという思いでお届けしたいと思います。これまで5年やってきた中で、みんなと築き上げてきて塊となった歴史を、今度はこの先に出会っていく人達も囲って、どんどん大きな輪にしていくということを、このアルバムから道筋を立てていけたらいいなと思います。

Yu-Ki こうしてアルバムが出来ましたけど、ここがゴールという訳ではないので、これを持って“ON THE ROAD”の意味を自分達で体現できたらいいなと思います。

――アルバムリリースツアーも控えていますね。ツアーの見どころは?

KENT やっぱり『ON THE ROAD』をライブでどう感じてもらえるかだと思います。そこが楽しみです。どんな風にみんなが感じてくれるかは、ライブでやって目で見ないとわからないので。「ON THE ROAD」は僕らを代表する曲の一つになっていくと思うので、ちゃんと育てていきたいです。みんなで歌えるポイントも多いと思うんです。盛り上がるツアーにしていきたいと思います。

(取材/撮影=村上順一)

作品情報

メロフロート 1st ALBUM 「ON THE ROAD」
9月6日リリース
【初回生産限定盤】

品番:AICL-3387~8
価格:3241円(税抜)
仕様:CD+DVD

【通常盤】

品番:AICL-3389
価格:2315円(税抜)
仕様:CD

<収録曲>※初回限定生産盤・通常盤共通

1.ON THE ROAD
2.ひとつだけ ※3rd SG [駿台予備学校2016年CMソング]
3.LIFE GOES ON ※4th SG [KBCテレビ『Duomo』エンディングテーマ]
4.ミチシルベ ※5th SG
5.僕のキモチ
6.好きなんだ
7.きれいになぁれ [アニマックス『うたのじかん』書き下ろし楽曲]
8.夢のカケラ ※1st SG [KBCテレビ『Duomo』エンディングテーマ]
9.サクラヒトヒラ
10.サマーデイ [仙台うみの杜水族館TVCMソング]
11.ノスタルジア
12.未来 ※2nd SG

[DISC 2 DVD] ※初回生産限定盤のみ

MUSIC VIDEO 

1.夢のカケラ 
2.未来 
3.未来ードラマ篇ー 
4.ひとつだけ 
5.LIFE GOES ON 
6.ミチシルベ